タンタンタンゴはパパふたり

  • ポット出版
4.12
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本棚登録 : 999
感想 : 107
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784780801156

作品紹介・あらすじ

動物園にはいろんな家族がいます。でもペンギンのタンゴの家族はちょっと違っていました。

ロイとシロのパパふたりとタンゴ、それがタンゴの家族なのです──。



ロイとシロのおすペンギンは、いつからかお互いに気に入り、カップルになりました。一緒に泳いで一緒に巣づくりして、いつも一緒にいました。

ところが、他のカップルは、ただ一緒にいるだけでなく、どうやら巣の中で何かをあたためている模様。しかもそうこうしているうちにそのあたためたものがかえって赤ちゃんペンギンが誕生しているではありませんか。

ロイとシロは、近くにあった卵の形をした石を拾ってきて、さっそく毎日毎日交替であたためはじめました。でも石のたまごはちっともかえりません。

そんな様子を眺めていた飼育員がはたと思いつきます。

他のペンギンカップルが育てられなかったたまごをそっとふたりの巣においてやります。そして、ふたりにしっかりあたためられた卵から、タンゴが生まれたのです──。



ニューヨークにあるセントラル・パーク動物園で実際にあった話を絵本にした『and Tango makes three』の邦訳版です。



なかなかかえらない石のたまごを暖め続ける切なさ、待ちに待った赤ちゃんペンギンが生まれる瞬間、読み終わった後、ほんのりあたたかい気持ちになれる絵本です。



子供たちにも、そして大人たちにも、読んでもらえるとうれしい一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • ペンギン社会のLGBTのお話。
    セントラル・パーク動物園での実話だったとは!

    いつも一緒にいるロイとシロはどちらも男の子。
    何をするのも一緒。
    飼育係さんは気づきました。
    「このこたちは、きっと愛し合っているんだ」

    飼育係さん。すごい!すごい観察力!
    お陰で、タンゴちゃんは生まれてくることができたし、
    ロイとシロもパパになれたんだね。

    ペンギンにもいろんな子がいていいんだよね。

  • ニューヨークの動物園で暮らすペンギンのロイとシロ。オス同士の2羽はとても仲良しで、年頃(?)になっても女の子には目もくれず、ずっと2羽で一緒。
    回りペンギン達がつがいになり、それぞれ巣作りをはじめると、ロイとシロも同じように巣作りを始めます。
    しかし、他の巣からは赤ちゃんが誕生するけど、二人の巣は空のまま…その様子を見ていた飼育員さんはあることを思いつきます。

    なるほど、今時はLGBTをこうやって絵本で動物を使って教えるのね…と思って読んでいたら、後書きを見てびっくり。
    これはニューヨークの動物園で実際にあったお話なのだそうです。
    動物の世界にもこういうことがある…人間だって動物なんだから同じか…とか、
    パートナーを求める気持ちに男だからとか女だからとか関係ないんだなとか、
    2羽のペンギン達を温かく見守る飼育員さんやニューヨーク市民の懐の広さとか、色々感じた絵本でした。
    まさに新しい時代の一冊、という感じです。

  • ニューヨークの動物園で、オスのペンギン二羽がカップルになった実話をもとに描かれた絵本。
    お洒落な大人向け絵本ではなく、あくまで子どもを対象にした児童絵本なのがとても良い。
    絵が少しユーモラスなのも良かった。
    私は読んでいて胸が詰まるものがあったが、大人だからわかる色々なことを読み取ったり重ねたりしているところも大きいので、5歳の娘はどう思うのだろうと思ったら、一度読み聞かせした後で「またよんで」と持って来たので、気に入ったようだった。
    嬉しい。

    • apricot-2007さん
      あ、これは『夜フクロウとドッグフィッシュ』で出てきた絵本ですね!
      読んでみたいです!(o^^o)
      あ、これは『夜フクロウとドッグフィッシュ』で出てきた絵本ですね!
      読んでみたいです!(o^^o)
      2021/01/01
    • すいさん
      良かったよー!ぜひぜひお子さんと一緒に読んでみて^^
      良かったよー!ぜひぜひお子さんと一緒に読んでみて^^
      2021/01/02
  • ゲイカップルのペンギン 盗んだ卵を大切にする姿に応援の声が上がる【画像】 | ハフポスト
    https://www.huffingtonpost.jp/entry/penguin-stolenegg_jp_5dd35047e4b082dae812f72a

    Пингвины 1968 (Penguins) - YouTube
    https://www.youtube.com/watch?v=Zp_WTR7eFk8
    ※猫にとって「ペンギン」と言えば此の古いアニメーション。悲し過ぎる話で辛くなるけど、、、

    タンタンタンゴはパパふたり | ポット出版
    http://www.pot.co.jp/books/isbn978-4-7808-0115-6.html

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      卵の代わりに石を温めていたワシ、念願叶って本当に父親になる | ハフポスト WORLD
      https://www.huffingtonpos...
      卵の代わりに石を温めていたワシ、念願叶って本当に父親になる | ハフポスト WORLD
      https://www.huffingtonpost.jp/entry/murphy-the-eagle-become-father_jp_643b589ce4b03031958d6cf6
      2023/04/17
  • 実話だとは知りませんでした。
    LGBTを学ぶ上で欧米で必読絵本だとブレディみかこさんおほんで知りました。
    動物界にも同性同士のカップルがあるとは・・・
    自分の子孫を残すことが唯一の生きてる証だと思っていたから、動物にもLGBTがあるとは目からうろこでした。
    日本に根付くのでしょうか、この絵本は。

  • NY、セントラル・パーク動物園にいる、オスのヒゲペンギン、ロイとシロは愛しあい、他のペンギン家族のように巣を作りともに眠るが、子どもが作れない。
    そこで飼育員さんが、他のペンギンが産んで育てず捨てられてしまっていた卵を巣に運んだところ、2羽は交代で温めあい、生まれた赤ちゃんペンギン・タンゴを仲良く子育てをする話。

    実話というのが驚いた。
    非常に珍しい例だと思うが、ジェンダーの多様性は人間の世界だけじゃなく、動物の世界にもあるんだと知った。

    タンゴにパパが2人いることはオンリーワンで他のペンギンたちと違うけど、お客さんにとても愛されていて、他の動物たちと同じように家族で仲良く眠るんだよ、というソフトな描写は優しく穏やか気持ちにしてくれた。

    難しいジェンダー論とか教育的な評価はわからないけれど、こういう形の家族もいるんだなって自然に受け入れやすいのではないかと思った。

  • このお話が実話と知って驚いた!
    なんといってもロイとシロが愛し合っているんだ!と気付いた飼育員さんに拍手を送りたい!
    二人のパパとタンゴを見る人々の目も優しい。

    とってもステキな絵本!!
    大人も子どももたくさんの人たちに読んでもらいたい。

  • 前にブレディみかこさんの本でこの本を知りました。
    多様な性について子供の時から受け入れる土壌を作っておくのもいいかもと孫たちのために求めました。
    いざ、読んでみるとページを進むごとにジンワリと心にくるものがあり、作者あとがきで実話であったことを知り、さらに感動して、絵本を読んでここまで深く心が動いたのは初めてでした。彼らが石を温め始めたこと、飼育員さんが彼らの行動をよく見ており、見守っていたこと、卵を抱かせる機転を働かせたこと等何という展開でしょう。孫たちの反応も楽しみです。

  • セントラルパークの動物園に、ロイとシロという二羽のペンギンがいました。
    ロイとシロはどちらも男の子。いつも仲よくいっしょです。
    ロイとシロは、仲間のペンギンたちが「我が家」をつくるのを見て、自分たちの巣を作り上げ、たまごに似た石を温め始めました。石はもちろん孵りません。
    それを見た飼育係のグラムジーさんは…。


    初めて読んだ時、泣きました。
    孵るはずのない石を温め続ける二羽を見て、とても切ない気持ちになりました。
    そして、飼育係のグラムジーさんのアイデアによって、飼育を放棄されたたまごを与えられた二羽は、代わる代わる、たまごを大事に温め続けます。
    そのロイとシロの赤ちゃんがタンゴです。
    このお話は、セントラルパークで実際に起こったことだそうです。
    実話ということが、なんとも素敵さに拍車をかけます。

    人間社会において、ロイとシロのようなカップルが当然のように子どもを持つことは、日本ではまだまだあまり現実的でないように思いますが、国によっては当たり前のように受け入れられている国もあるとか。
    人間でも、男女のカップルでうまく子どもが育てられてない人もいます。
    ロイとシロのように愛情をもって子どもを迎えられる人の元に、今現在不幸な境遇にある子どもがゆだねられるようになればいいのに、とも思います。
    同性愛の容認について、日本は後れを取っているように思います。
    法整備や人々の意識の変革。この素敵な絵本が、その役割を担うことになるのでしょう。

    LGBTについて突っ込んで考えるまでもなく、温かい気持ちになれる素敵な絵本です。

  • 6歳8ヶ月の娘
    3歳8ヶ月の息子に読み聞かせ

    実話!!

    なんて素敵な話なんだろう

    すごいな
    すごいなー!!

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著者プロフィール

Justin Richardson, M. D.,
医学博士。コロンビア大学とコーネル大学の准教授。
子どもが知りたいのに質問しづらい、そして親には答えづらいセックスについて答えた著書があり、New York Times紙をはじめ、テレビ番組の Todayや 20/20、ラジオ番組NPR's Morning Editionで親たちへのアドバイスを行っている。

「2008年 『タンタンタンゴはパパふたり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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