電子書籍と出版─デジタル/ネットワーク化するメディア

  • ポット出版
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784780801491

作品紹介・あらすじ

※『電子書籍と出版』は電子書籍版もあります。電子書籍販売サイト「理想書店」で購入できます(希望小売価格950円+税)。iPad, iPhone, PCで読めます。
・【電子書籍版】電子書籍と出版

本書には、大きく分けて以下の5本のテキストが収録されています。

Ⅰ─「2010年代の『出版』を考える」
IT企業の経営者であり、アルファブロガーとしても知られる橋本大也、文芸評論家、フリー編集者として電子書籍を追い続けてきた仲俣暁生と、早くから出版活動のネット展開を手がけてきた版元ドットコム組合員である高島利行、沢辺均の4人が語る、「電子書籍の可能性」「書き手、出版社はどう変わるか?」。

Ⅱ─「電子出版時代の編集者」
2009年10月に、アルファブロガー・小飼弾氏との著書『弾言』と『決弾』のiPhoneアプリ版を製作し、自らの会社から発売したフリーライター/編集者の山路達也に訊く、書籍の執筆・編集から電子書籍の製作、そして発売後のフォローアップまで、多様化する編集者/コンテンツ製作者の「仕事」。

Ⅲ─「20年後の出版をどう定義するか」
電子書籍の権利やフォーマット、教育現場での使用に詳しい東京電機大学出版局の植村八潮に訊く、「書籍が電子化される」ということの根源的な意味、「本であること」と「紙であること」はどう違い、どう結びついているのか?

Ⅳ─「出版業界の現状をどう見るか」
出版、そしてメディア産業全体の動向を20年間追い続けている「文化通信」編集長・星野渉が解説する、出版業界の現状と、急激な変化の要因。

Ⅴ─「編集者とデザイナーのためのXML勉強会」
元「ワイアード日本版」のテクニカルディレクター兼副編集長を務めた深沢英次による、タグつきテキスト、XMLの「基本構造」を理解するための解説。

電子書籍の登場により、出版をめぐる状況はどう変わるのか?
さまざまな分野でその変化の最前線に立つ人びとに、「いま」を訊きました。
詳細な用語解説付き。

感想・レビュー・書評

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  • パネルディスカッションとインタビューの内容をまとめた本。
    注釈たくさんついているし、次にどこの範囲を知りたいかがよくわかるので最初の1冊としては良かったと思う。反面、まとまった知識はあまりない。

  • お勧め。

  • Googleにしてもアマゾンにしても、ITO企業の方は広い意味での本の可能性を非常に高く評価している。
    電子書籍ビジネスには多くから期待されている。
    出版業界の今後がどうなるのか気になる。
    出版社は相当なアドバンテージを持っている。まず編集の力。もうひとつはマーケティング力。
    図書館がどんどん買うようになったら、電子書籍は普及する。

  • 『電子書籍と出版』(ポット出版、電子書籍版)読了。5章のうちの3章は過去にウェブで公開された文章(参照→ http://bit.ly/bNkkyn )で私も読んでいましたが、「文化通信」編集長の星野渉さんの「出版業界の現状をどう見るか」ははじめて知る話も多く、勉強になりました。

    2010年からアマゾンが日本の出版社に働きかけている電子化への3つの条件「新刊が出たと同時に電子ブックを出せる体制を整える」「校了データを提供できるように整える」「それをいつでも提供できるように権利処理する」。フォーマットの話よりも権利処理関係が意外にややこしそうです。

    ほかにも、出版社にとって一番うまみの大きいのは夏目漱石やドストエフスキーなどのパブリックドメインの文庫本で、それが青空文庫などの電子化によって収益を確保できなくなりそうとか。大日本印刷の一連の買収劇の裏事情とか。日販の総量規制の話とか。

    「電子出版時代の編集者」「20年後の出版をどう定義するか」「編集者とデザイナーのためのXML勉強会」の各章もすでに読んでいたとはいえ、この時期にまとめて振り返っておくことに意味があると思います。

    『電子書籍と出版』の電子書籍版は950円+税。書籍版が1600円+税。電子版はボイジャーが運営する理想書店で購入(単体アプリではなく書店アプリにストックしておく形)。ドットブックをiPhoneで読みました。

    縦組み・横組み変換、文字サイズ拡大・縮小、キーワード検索機能はありますが、しおり機能、マーカー機能はなし。また「注」はリンク先に飛ぶ形式になっていますが、この「注」が小さくて、指では押しにくい(認識されにくい)ところが難点かと。

  • 沢辺さんの頑固(わざと?)さがおもしろかった。絶対折れないのね。。

    「談話室沢辺」の文化通信社・星野渉さんの章がおもしろかった。DNPの出版書店グループ化に関しては、(合併された)当事者ですら知らない内容がたくさん盛り込まれていたので、さすがは業界紙!という印象。

    この本に参加している方々は、出版業界の中でも異色の人たちであろうから、すぐにこの通り事が進むとは思わないし、期待される展望ですら思わぬ勢力により抵抗を受ける可能性もあると思う。たとえそれが崩壊に向かっていると、誰もが理解していたとしても、戦後の慣例を変えることは並大抵のことではない。おそらくすったもんだしている内に、ある時期にどどっと崩壊してしまう業界なのだろう。さて生き残らなければ!

  • 電子書籍本をいくつか読んでみたけど、だいたいどれも似たことが書いてある。でもこの本は、いろんな立場の人が自分の考えをガンガン言ってるから読んでいて気持ちがいい。実際には理想書店の電子書籍版で読んだ。出てきた言葉をネット検索したいときにT-Timeはコピペできなくて不便。

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著者プロフィール

1965年 北海道生まれ。
出版社勤務。

「2021年 『シネシネナンデダ日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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