北原白秋の百首 (コスモス叢書 第 1138編 歌人入門 3)

著者 :
  • ふらんす堂
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  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781410654

作品紹介・あらすじ

◆歌人入門(3)

言葉でありながら音楽であること。


◆収録内容より
君かへす朝の舗石さくさくと雪よ林檎の香のごとくふれ

白秋短歌の流れを全体的に眺めると、動から静へ、絢爛から枯淡へ、そして小から大へ、というふうに歌柄が変化しているように思う。そうして、変わることなく一貫しているのは、言葉のひびきの美しさ、言葉遣いのしなやかさである。
(解説より)

感想・レビュー・書評

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  • 青空を見上げると、腕につけられた囚人番号が見えて悲しいな
    というような句が印象に残った。
    うろ覚えなので読み返そうと思う。

    なんとなく高潔な文人だと思っていたけど、不倫したとぼけ親父というイメージに変わってしまった。
    ただ、言葉のセンスとリズム感はやはり天才。

  • 北原白秋が生涯に詠んだ八千首の中から、白秋の孫弟子にあたり、当代随一の歌人にして白秋研究家の高野公彦が百首を精選して解説するという贅沢なアンソロジー。「自分の心を表す言葉を少しでも<音楽>に近づけてゆく、それが歌人白秋の最も究めたかった目標ではなかったか」という文が印象に残る。「春の鳥な鳴きそ鳴きそあかあかと外の面の草に日のいる夕」「病める子はハモニカを吹き夜に入りぬもろこし畑の黄なる月の出」「君かへす朝の敷石さくさくと雪よ林檎の香のごとくふれ」「大きなる手があらはれて昼深し上から卵つかみけるかも」「この山はただそうそうと音すなり松には松の風椎には椎の風」「ニコライ堂この夜揺りかへり鳴る鐘の大きあり小さきあり小さきあり大きあり」

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著者プロフィール

昭和十六年(1941年)、愛媛県生まれ。東京教育大学国文科を卒業し、出版社(河出書房編集部)に勤務。のち青山学院女子短期大学国文科の教員となる。短歌は学生時代に作り始め、歌誌「コスモス」に入会、宮柊二に師事した。歌集『汽水の光』、歌論集『地球時計の瞑想』など著書多数。最新歌集は『無縫の海』。現在「コスモス」編集人。

「2018年 『北原白秋の百首』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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