舞姫(文庫版) (まんがで読破)

  • イースト・プレス (2008年9月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (182ページ) / ISBN・EAN: 9784781600031

作品紹介・あらすじ

東京帝国大学を首席で卒業し、ひたすらエリートのレールを歩んできた官吏・太田豊田郎は、 国費で留学したベルリンでエリスと出会う。 豊太郎はエリスの純真に惹かれ、ふたりはやがて恋に落ちるが……。 19世紀末、世界が現在よりまだ遠かった明治時代、 ドイツを舞台に描かれる国籍を越えた悲恋の物語を漫画化。

感想・レビュー・書評

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  • kindle Unlimitedで読んだ。面白かった。
    『舞姫』は明治23年(1890年)の発表。森鴎外(1862-1922)は1884年から1888年までの4年間、ドイツに留学していた。ちなみに、北里柴三郎(1853-1931)も1886年から1892年までの6年間、ドイツに留学していた。当時のエリートはドイツに留学するのが定番であった。
    森鴎外がドイツから帰国して2年後に発表したのが『舞姫』である。
    ドイツ留学における恋話としては、国立伝染病研究所の所管について北里柴三郎と論争したことで有名な東大教授・青山胤通(1859-1917)が思い出される。青山はドイツ留学時代に、東大精神科の初代教授・榊俶(さかきはじめ)(1857-1897)にドイツ人の恋人を取られてしまった。
    上記の4人については生まれの早い順に、
    ①北里柴三郎(1853-1931)
    ②榊俶(1857-1897)
    ③青山胤通(1859-1917)
    ④森鴎外(1862-1922)
    となるが、ほぼ同年代であり、同じような時期にドイツに留学している。森鴎外の『独逸日記』には榊俶についての記述があると言う。
    それにしても、森鴎外という人はとてつもない才能の持ち主であったと思う。医師にして文才にあふれていたとは全く稀有な人物である。
    まんがではなく小説で読んでみよう。

  • (ネタバレ注意)

    国費留学生としてドイツに渡った豊太郎とトップダンサーに勤める下級階層のエリスの悲愛の物語り。

    ひたすらエリートの道を歩んできた豊太郎には親友である相沢とドイツ留学をすることに、自由な発言力や行動のある相沢をみて、他人の敷いたレールに乗ってる事を疑問に思う。
    機械のように生きてきた豊太郎はひたむきに全力でつくすエリスに恋をするが、踊り子と深い仲になるとは国費留学生と不適切として日本に帰国命令が下るが、相沢の押しによりドイツに残る事に、エリスと豊太郎の幸せな日々が続き子供が宿る。

    一方、国に戻り豊太郎の帰り咲く時期を待っていた相沢は親友を迎えに、二人の仲を引き裂いてしまう、豊太郎は結局のところ親友の敷いたレールを歩いてしまうのだ。

    悪友に見えた相沢も常識人で豊太郎にも異国の地でやりげる度胸もなく残ったのは精神を犯された身篭のエリス、正直読後感はやるせない思いでいっぱいになる作品でした。

    これから産まれてくる子供の幸せをねがわずにはいられない。

  • 2023.07.16 再読。

  • 【感想】
    学校の国語の授業で読んでいるが、よく分からなかったので漫画版を読んでみた。
    豊太郎、相澤、エリスの関係性が分かりやすくて、物語の展開をつかみやすかった。

    エリスは豊太郎を一途に好きなのに、かわいそう(´ᵕ̩̩ ᵕ̩̩`)
    子どもを授かってこれから幸せな生活が待っている!という時に精神が不安定になってしまった。今までの楽しい生活の中で子どもが生まれてほしかった。

    でも、豊太郎も背負っている責任があるので、優秀な能力を発揮しないのはもったいない。

    タイミングが。。

  • 内容としては最低男の話としか言いようがない。

  • レビュー省略

  • まんがで読破を読破するシリーズ。
    舞姫は高校の時に読んだけど、その時は、エリスかわいそうってこと位しか思わなかった。当時は国際結婚なんてそんなに簡単なことじゃなかっただろうし。
    エリスがダンサーだったから舞姫ってタイトルだってことにも今気づいた。
    仕事と恋愛と、母と彼女と、祖国と今いる土地と、人生いろんな選択の上に成り立っているんだなと改めて思う。

  • 切ない。

  • あらすじ
    主人公の太田豊太郎は東京帝国大学法学部を主席で卒業し、国費留学生に選ばれドイツに留学する。
    そこで踊り子であるエリスと出会い恋に落ちた。
    しかし事情が重なって日本に帰り、大臣の手伝いをしなくてはいけなくなった。
    エリスと離れドイツを去ることはできない。しかしそれでは生活が不安定になる。
    悩んだ挙句「仕事」をとった豊太郎はエリスに別れを告げ日本に帰国した。

    純粋な愛情
     経済的自立
     結婚と責任

    父を早くに亡くし、母の手で育てられた秀才・太田豊太郎は、某省から派遣されベルリンに留学する。
     そこで、踊り子のエリスと出会い、恋愛へと発展するが、留学生仲間から嫉妬、中傷され免官になる。それを知った母は自殺してしまう。

     天方大臣の秘書官である親友・相沢謙吉の配慮で新聞社の通信員の職を得る一方、豊太郎はエリスの家に転がり込む。やがてエリスは身ごもる。

     天方大臣とベルリンにやってきた相沢は、豊太郎の前途を憂い、エリスと別れることを勧め、天方大臣のロシア行きに通訳として豊太郎を随行させる。天方大臣の信任を得た豊太郎は、帰国を承知するが、エリスを裏切ったことに悩み、病に倒れる。

     その間、相沢はすべてをエリスに語り、それを聞いたエリスは発狂してしまう。
     豊太郎は断腸の思いを残しながらも帰国の途につく。

  • 主人公のトヨはドイツに留学して、後にドイツ人のトップダンサー、エリスに恋する話。
    エリスは子供も身籠るが、トヨは日本に帰ることで将来が約束されており、エリスをおいて日本に帰国することで話は終わっている。

    エリスの【裏切らないで】が嫁によく言われるので、かなり響く。一緒にいたいのに、出世や将来の事を考えてエリスを置いてトヨは帰国する事を決意する。
    う〜ん東大法学部を首席で卒業して、異国のドイツで何ごともなく平穏に暮らすのは若いトヨには難しいなと俺も思う。

    一番良い選択は、エリスや母を日本に連れて行くのが一番だか、友人の相澤は出世に響くと思いやめたほうが良いとトヨに提案したのだろう。

    この先ずっと、主人公のトヨは友人の相澤や自分がエリスをあげる裏切ったことを悔やんで生きて行くと俺は思う。

  • 2015年読了

  • アレンジしすぎ エリスがかわいくない 相沢の良い奴感は出てる

  • 明治時代の国際結婚をするって、これくらいハードルが高かったはず。それなのに、実際に結婚している新渡戸稲造はたいしたものである。

  • 昔は国境が高かったんだな。イマイチ感情移入出来なかった

  • 名前は聞いたことあったが、読んだことなかった。切なかった。主人公は作者本人がモデルらしい。昔は、海外に行くことは大変なことだったんだろう。主人公は、彼女か仕事かの決断を迫られている。これって難しいよな。最後は、結局相手がみごもったけれど、精神に異常をきたして、一緒に暮らせないということになる。彼女と一緒になれないということになってしまうが、こうでもしないと主人公が決意できなかったんじゃないかと思った。悲劇ではあるきがするが、主人公にとっては、諦めがつく形だったような気がする。仕事と彼ってどっちとる?今の私は仕事よりも彼をとるなー。そんなこといういうと、彼も逃げてしまうかな。
     昔は、階級差みたいなものがひどかったのかなと思った。海外に留学する人はエリートで、舞子とつきあうなんて、しかも人気の子だと!という感じに描かれている。人の嫉妬って怖いね。

  • とてもロマンチックだな。
    オータの葛藤を自分の事の様に感じてしまう。
    彼は頭がよいかもしれないが、賢くは生きれないタイプの人間なのだろう。
    高校時代から気にはなっていたが、漫画で読んでしまった。
    いつか原書でもよみたいな・

  • 国費留学・エリス・迷い・異国・裏切り
    この時代の国費留学の責任の重さは想像を絶するし、
    異文化での生活も大変だっただろうなあ。。。

  • 登場人物が文字通り、表情豊かに描かれていて、どんどん読み進むことができました。自分が彼・彼女の立場だったらどうするか…思いをめぐらせながら読みました。愛する人を置いて、社会的に成功して生きるか否か…深く考えさせられました。ラストには胸が痛みました。

  • ドイツ、ミュンヘン、津和野、ドレスデンなどを舞台とした作品です。

  • 登録日:12/16

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著者プロフィール

森鷗外(1862~1922)
小説家、評論家、翻訳家、陸軍軍医。本名は森林太郎。明治中期から大正期にかけて活躍し、近代日本文学において、夏目漱石とともに双璧を成す。代表作は『舞姫』『雁』『阿部一族』など。『高瀬舟』は今も教科書で親しまれている後期の傑作で、そのテーマ性は現在に通じている。『最後の一句』『山椒大夫』も歴史に取材しながら、近代小説の相貌を持つ。

「2022年 『大活字本 高瀬舟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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