- Amazon.co.jp ・マンガ (145ページ)
- / ISBN・EAN: 9784781600048
作品紹介・あらすじ
16世紀のヨーロッパは混乱の真っ直中にあった……。 マキアヴェッリはイタリアのフィレンツェ政庁の官僚として、 がむしゃらに働き、各国の君主たちと出会い、 宗教、道徳から切り離された現実主義的な政治理論を創始していく……。 リーダーが歩むべき道を示す権謀術数書『君主論』をマキアヴェッリの人生とあわせて漫画化。
感想・レビュー・書評
-
君主論の内容のみならず、マキアヴェッリがどういう人物だったのか、書かれた時代背景が分かりやすくまとまっていた。
リーダーが組織を守るためには、人から恐れられてなおかつ人から恨まれない存在になること。そして人からの軽蔑を避けるために、判断力の欠けるところを見せてはいけない。また、優秀な部下を手に入れることでリーダーは優秀な部下から忠誠を得ている人物として尊敬される。人の意見を聞く英明さも必要である。せっかくの部下の良案を潰すような環境を作ってしまえば、忖度がはびこる組織になってしまう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
マキャベリの『君主論』を読む必要が出てきたのだが、受験科目で選択をしなかったので世界史をほとんど勉強していなかったため、本に出てくる内容についてあまりに知識がなく困っていた。という状況にてこの本を読んで、よくわかった気になった。媒体としての漫画の力は侮れないと思った次第。
文字の本だと、まず地名と人名が頭に入ってこないんだよね。 -
『君主論』の内容をそのままマンガにしたものではなく、マキャベリが『君主論』を書くまで、がメインとなっているが、『君主論』が書かれるにあたっての背景がよく理解でき、『君主論』を読む前の事前知識がこれで十分に得られるであろう。
最後のほうで『君主論』の内容がかいつまんで紹介されてはいるが、ほんの一部分であるため、『君主論』そのものの内容についてはやはり原著を読む必要がある。
全体的によくまとまっていてわかりやすい内容であった。 -
友達から借りて1年、かりぱく状態なので返さねばと思い再読。君主論はグロービスの「変革のリーダーシップ」の指定図書。これはその君主論のマンガ版。マンガ版だけど重要なエッセンスはしっかり押さええいる(と思う)。君主論からの学びは、本物のリーダーを目指すなら、人気取りのリーダーではダメで、信頼されると同時に人々から恐れられなけれる存在でなければならないということ。恐れられるといっても暴力とかではなく、間違ったことをすれば許されない、という正義に基づく恐怖だ。自分の上司はとってもハートフルだが、間違ったことは許さないという厳しさもある。僕も上司のように「正面の理、側面の情、背面の恐怖」を上手く使い分けられる人物になろうと思う。
-
当時のマキャベリの時代背景が良く分かる。
君主論そのものの内容より、こちらのほうが私にとっては興味深かった。
大国にはさまれて立場をはっきりできず顔色をうかがうだけの小国。
どっかで聞いたような国ですな。 -
知人にお薦めしてもらって、まんがで読破シリーズを初めて読んでみました。「君主論」の内容自体は数ページのみで、マキャヴェリが「君主論」を書くに至った背景に8割程度割いていますが、その方が読者にはよりよく記憶されると思います。「君主論」が長いこと日の目を浴びていなかったというのは意外でした。文章(台詞)には引っかかるところが多いですが、分かりやすく良い本だと思います。
-
面白い! 君主論が書かれた当時のイタリアの時代背景などが丁寧に描かれていて、誤解されがちな内容(=目的のためには手段を選ばない)がなぜ書かれたのか、よくわかる。
今の日本は、当時のイタリアのような状態じゃないだろうか。
日本のリーダーたちも、君主論を読むべき。
そのとっかかりとしても、この漫画は面白い。
それにしても、こんなにもフィレンツェのことを思い、政界復帰を目指して書き上げた論文が結局、長い間日の目を見ることもなく、マキアベッリ自身は1527年に58歳で亡くなってしまう。
猛烈に切ない話である。 -
マキアヴェッリが君主論を書いた背景が分かり、導入にはちょうどよい。
ただ、学ぶものはないと思う。 -
内容の半分くらいは「君主論」成立の背景となる小国乱立のボルジア家が権勢を振るっていた時代のイタリアの歴史の解説。「君主論」自体は再度政治の世界に返り咲こうとして執筆されたものということで、内容自体は後半だけで収まっている。