阿Q正伝 (まんがで読破)

著者 :
  • イースト・プレス
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本棚登録 : 173
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781600833

作品紹介・あらすじ

名前も定かでない日雇い農民の阿Qは「精神勝利法」という一種の癖を持っており、喧嘩で負けようが、笑い者にされようが、結果を自分の都合の良いように取り替え、心の中で自分の勝利としていた…。当時の中国社会にはびこる問題を風刺的に描き、辛亥革命の失敗点を強く指摘したとされる『阿Q正伝』他『狂人日記』『藤野先生』など5編を漫画化。

感想・レビュー・書評

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  • 難しそうな話はまずは漫画で。それでも難しい話。
    だから何なのだろう?と中途半端に感じ、もっと深く知りたい考えたいと思う話もあった。漫画だからだろうか?原作を読めば深められるのかもしれない。
    物語を通して当時の社会を批判していることは理解でき、中国の歴史や思想に関心が深まった。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    魯迅(1881〜1936)は中国の小説家、翻訳家、思想家。
    儒教に象徴される封建社会の色が残った当時の中国を風刺した魯迅。
    作品はいずれも同様の風刺テーマが描かれていることが多い。
    代表作『阿Q正伝』では、無知ゆえに悲惨な運命を強いられる自国民の姿を描いた。
    『狂人日記』では、食人というテーマで、儒教思想を痛烈に非難した。(ネットから引用)

    本書収録作品
    【藤野先生】
     魯迅が日本留学生(医学)として過ごした日々、恩師との思い出を書き綴った。また必要なのは母国の国民性の改革だと考えを変え、医学を捨てて帰国する決意をした経緯が描かれている。(筆者本人の話なので興味深く読めた)
    【髪の話】弁髪令と革命の話。
    【明日】
     子どもを亡くし悲しみに暮れ、夢の中で会いたいと願う女性。一方でいい加減な治療、薬処方で貧しい人からお金を巻き上げる医者や薬屋。
    【狂人日記】前述参照
    【阿Q正伝】前述参照

  • 「藤野先生」「髪の話」「明日」「狂人日記」「阿Q正伝」が収録。
    中国清代末期から辛亥革命あたりの世相、文化、迷信、偏見など負の部分が様々な主人公を通じて浮き彫りにされている。
    阿Q正伝については、負け惜しみでプライドだけを守り、己を律して学びも得なかった人間がどのように破滅していくか、今にも通じる教訓になるかもしれない。

  • 人類が選ぶ悲惨で理不尽な環境から救い出したいと願い
    病んだ肉体を直す医者を志すが
    人々の荒んだ心の病に気付き文学で癒やすことに転向し
    所有という強欲からなる競争心の醜さを訴え
    調和の取れた社会を模索するがこれにも失望していく中で
    恩師の面影に一縷の明かりを見て又あるき始めるという
    暗い物語
    マンガでダイエストにするとあっけないものである

  • まんがで読破を読破するシリーズ。
    阿Q正伝は上海駐在時に、文庫でも読んだ。魯迅公園にある記念館にも行ったことがある。
    文庫同様に、藤野先生など、「吶喊」収録の小品が5作描かれている。
    細かいストーリーは忘れつつあったけど、これを読んで思い出した。清末期から辛亥革命期にかけた近代中国人のこころの葛藤を描かれている。

  • 「阿Q正伝」の他、「藤野先生」「髪の話」「明日」「狂人日記」を収録。
    お手軽ではあるが、当時の中国の時代背景、魯迅の医学から文学へと傾倒していく様子など、とっつきにくいと思っていた中国文学の一端に触れ、入門への手引きとなるのではないか。
    それにしても、阿Qの無知なるが故の精神構造は痛々しい。

  • 図書館で借りた本。まんがで読破シリーズ。狂人日記と阿Q正伝が面白かった。狂人日記は人間を食べる・食べられる思い込みの恐怖。阿Q正伝は現実は冴えない男なのに精神勝利法によって、自分は周りの人間に勝ったと哀しいプライドを持った男の悲劇。しかも無知だし軽度精神障害者だと感じてしまう。こんな男からいきなり俺の子供を産んでくれ。と言われたら恐怖しかない。

  • 2014年読了

  • 読み終わったあとはなんじゃコリという作品。作者の中国人は日本で医学部を学んだ人間。しかし精神を修正せねば世界は変わらぬと風刺小説を書き社会に影響を与えた

  • 興味深いです。絵もいいです。原作も読んでみたいと思った。

  • 当時の中国の考え方がよくわかる。当時と言っても、その考え方が今でも同じように続いているように思えて仕方ない。

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著者プロフィール

本名、周樹人。1881年、浙江省紹興生まれ。官僚の家柄であったが、21歳のとき日本へ留学したのち、革新思想に目覚め、清朝による異民族支配を一貫して批判。27歳で帰国し、教職の傍ら、鋭い現実認識と強い民衆愛に基づいた文筆活動を展開。1936年、上海で病死。被圧迫民族の生んだ思想・文学の最高峰としてあまねく評価を得ている。著書に、『狂人日記』『阿Q正伝』『故郷』など多数。

「2018年 『阿Q正伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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