江口寿史のお蔵出し 夜用スーパー (CUE COMICS)
- イースト・プレス (2010年12月11日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784781605289
作品紹介・あらすじ
マンガ界のキング・オブ・ポップ江口寿史、満を持してのお蔵出し! ・禁断のパロディ「ドギワ荘の青春」「イソノの嫁」「メガ4コマ もみあげクン」 ・吾妻ひでお、吉田戦車、谷岡ヤスジ各氏へのトリビュート ・一條マサヒデ(タマちく)とのコラボ「マフラーで殺して」「絶叫」 ・食べ物エッセイ「讃岐うどんツアー」、「寿丼」 ・幻のボーリングギャグコメディ「ラッキーストライク」 ・狩撫麻礼氏が変名で原作を提供した「平成大江戸巷談イレギュラー」 …他カラー頁も満載!
感想・レビュー・書評
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タイトルのとおり、これまで未単行本化だった江口作品を寄せ集めたもの。
江口は1994年にも、同趣旨の『お蔵出し』という本を出したことがある。これは本当に箸にも棒にもかからない作品の寄せ集めであったが、本書は意外にもけっこうクオリティが高い。
収められているのは、おもに1990年代から2000年代にかけて描かれたもの。未完に終わった連載、短編、掌編、コミックエッセイ、4コマなど、さまざまな形態の作品のごった煮になっており、おもちゃ箱をひっくり返したような趣。
とくによいのは、短命に終わった月刊マンガ誌『アクションZERO』の連載「ゼロの笑点」として発表された一連のパロディ・ギャグ。これはオールカラーの連載でもあり、絵としてのクオリティも高い。
畏れ多くも「トキワ荘の青春」をパロった「ドギワ荘の青春」シリーズが、もう最高。トキワ荘の人々から兄貴分として敬愛された「テラさん」を、まるで山上たつひこのギャグマンガのようなどす黒いキャラに仕立てている危険なパロディである。
江口のギャグマンガ家としてのピークは、『寿五郎ショウ』『なんとかなるでショ!』『爆発ディナーショー』の「ショー三部作」にあったと思う。この「ゼロの笑点」は、『爆発ディナーショー』と同じ担当編集者との仕事でもあり、一冊分になるまでつづいていたら『爆発ディナーショー』に匹敵する傑作になっていたであろう。休刊による中断が惜しまれる。
ほかにも、江口流の『サザエさん』パロディ「イソノの嫁」(グラビアアイドルのヒロインが磯野家に嫁いでくる話)のように、「あー、これもっとつづきが読みたい」と思わせる作品が多い。
狩撫麻礼が変名で原作を書いたというストーリー・マンガ「平成大江戸巷談イレギュラー」(シャッター商店街の再生物語)なんて、やっと面白くなってきた感じの第5話で中断されており(たぶん江口が原稿落としたため)、まことに惜しい。
江口が担当編集者と食べ物屋を探訪するだけのぬる~いコミックエッセイなど、つまらないものもあって玉石混淆ではある。が、マンガとしてつまらない場合でも、江口の描く女の子のカワイさは相変わらず絶品なので、絵として楽しめる。江口ファンなら必携の一冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ジャケットからして素晴らしい。
本人はラッキーストライクとイレギュラーをお蔵入りにしたかったらしいけれど、すごく読みたかったので、一読者、江口ファンとしては嬉しい1冊。
ドキワ荘シリーズが好き。 -
江口さんの作品、イケてない(でもなんだかんだイケメン)男&美少女が絡んだお話がすごくワクワクする。のは、やっぱりオシャレ漫画家だから?面白かった!
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すきなんだよなあ。
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2010/12/23購入
2010/12/26読了 -
江口寿史ワールド全開‼
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お蔵出し以外も読みたいような、お蔵出し故に面白いような…。もう良くわからなくなった。
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面白い。ホントに絵がうまい。もっと描いてください。マジで。
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平成大江戸巷談イレギュラー所収