- Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
- / ISBN・EAN: 9784781606248
作品紹介・あらすじ
この世でもっとも巨大な装置で、この世でもっとも小さな物質をつかまえる-深遠な宇宙の謎に挑む壮大なプロジェクト「T2K」とは?子孫のために、我々がやっておかなくてはならない「知の開拓」の物語。
感想・レビュー・書評
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わかりやすく素粒子のことが書かれていた。原子って何?みたいな人も読めるくらい初歩的だった。
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読みやすいです
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高校生向けに素粒子物理を解説しています。
わかりやすいけれど、わからないところはある。でも、とりあえず読み進めるとへぇ〜と思える箇所があるのがとてもいい。結局最後まで読めてしまいました。 -
量子と素粒子、ニュートリノって何が違うの?というレベルの私でも非情に良く理解できるような、写真やイラスト付き、分かりやすい解説。多田教授は見た目、ビジュアル系バンドマンのような金髪&長髪なのだが、その人が語る素粒子物理学が面白い。異様な世界観に見えるが、偏見で凝り固まり、世の中が分かっていないのは自分の方だと思い知らされる。
カミオカンデでは、何が行われているのか。ニュートリノの解説をしながら、ガンダムやエバンゲリオンなんかも例えに引き、話は進む。中でも印象的だったのは、著者が、仕事なんて好き嫌いでやっていたら社会が成り立たないから、好きな事を追い求める事は別に肯定しないと言い切る事。だけれども、最先端を学ぶなら、日本におけるノーベル賞の受賞分野からも、物理学や化学が圧倒的に多く、その殆どが、素粒子物理学という事で、日本が最適であるという視点。なるほどな、と思った。
分かりやすく解説してくれるが、やはり、理屈で理解はできず、こういうものなんだな、と読むしかないのは仕方ない。理論がわかるのは専門家のみ、という領域は当然ある。数式の証明や発想の根拠を端折らざるを得ないから。堂々と読み流し、理論ではなく、知識に触れる事に価値があると思えば良い、最近、そういう読み方をするようになった。 -
目からウロコってこの事だなと思いました。
ニュートリノは地層をすり抜けて何千キロも離れた場所にも到達する、とか、障害物がある場合には光のスピードを超える、とかビックリする事ばかりでした。
理数系苦手な人にもわかりやすく書いてくれていてとても読みやすかったです。 -
すごく読みやすい内容。
きっかけになる本 -
比較的理解しやすい例をたくさんあげて説明されているので読みやすい。
ただ、これ受講してる高校生はそれなりにレベルの高い子達だったんだろうなぁと。
細かいとこは全然理解出来なかったけれど、素粒子物理学ってどんなもんなのかのイメージはなんとなぁくできるようになったかなという感じ。 -
非常にわかりやすく説明してありました。
自分のように素粒子物理学についての予備知識が無くても、何となく理解出来た感じがします。
最後までスラスラ〜っと読めました。
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まとめの章で書かれている「何の役に立つか分からないが、やる」ことの重要さ、とても理解できました。
素粒子物理学、全体像を体系的にかつ分かりやすく説明されていて、自分にとって30年の謎が解けたのも良かった! -
お友達から「とてもわかりやすい本ですよ」と聞いて読んでみました。素粒子物理学の話でしたが,確かに〈たとえ〉がうまくて,しかも話し言葉で書かれているので,これまで読んできた本よりもとっつきやすかったと思います。この文章は,高校生を対象として4回にわたり講演した内容がもとになっているので,それくらいの知識があればなんとか分かるでしょう。
ニュートリノやクオークという粒子(波)の話,カミオカンデやJ-PARCという超大型実験施設の話など,飽きずに教えてくれます。
著者が最後に語った「これらの実験って何の役に立つの?」という問いに関する答えがステキです。
科学の世界っていうのは,まずいきなり,この携帯電話を作ろうと思って,その技術を開発しようとしても無理なんです。非常に複雑な機械ですからね。だからまずは各々の学者なり技術者が自分の専門の何かを研究します。そして,「それが何の役に立つか?」は,とりあえず置いといて,その研究成果を発表するわけです。この「研究成果を発表する」ということが,すなわち,「ハンズの棚に商品を並べること」なんです。いろんな学者が,棚にどんどん並べていくわけです。
そしたら,次の世代の学者がハンズにやって来て,棚を見て,自分の役に立つものをピックアップしていきます。そうして作り上げたもの―それがこの携帯電話なんです。(本書p.315)
あとがきの次の部分もステキです。
成功した技術など,お金を出せばいくらでも買うことができます。しかし,失敗した経験は,どんなにお金を積んでも手に入れることができない,実際にやった者だけが手にすることができる,貴重な財産なのです。(p.320)
もちろん,成功したことがあるからこんなことを言えるのだろうけれども,最初のカミオカンデでの実験の失敗があったからこそ,ノーベル賞につながるニュートリノの発見があったのですからね。