万葉集 (まんがで読破 MD119)

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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781608525

作品紹介・あらすじ

雄略天皇から大伴家持に至るまで、万葉時代のさまざまな和歌を集めた歌集『万葉集』。この時代をふり返ってみると、大陸の脅威を感じはじめた古代日本人の姿があった。激動の時代のなかで人々はどのような想いを歌っていたのか?今なお日本人を惹きつけてやまない、日本文学の原点とも言える名歌の数々を漫画化。

感想・レビュー・書評

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  • 「虹」を詠んだ歌を探していたら、万葉集に

    万葉集の「詠み人知らず」という言葉が好き


    NHKが著名人が好きな万葉集を映像化した番組で、お爺さんが若い女の子達にからかわれて、作った歌。
    昔の自分はお洒落でイケていたんだ!と
    何色のなにがしを身につけて、と色重ねの妙を自画自賛した歌の画面の美しさが好きでした。


    人間の等身大の歌。


    天皇から、防人まで、よくぞ集め編集してくれました。



    列に並んでいる時にパラパラと読むのに良いかもと思い、買いました。


  • 『万葉集』といえば聞いたことのない人はいない。にも関わらず、知っているかと言われれば何ひとつ知らない。

    そんな「名前しか知らないもの」のたとえとして、ボクはよく『万葉集』を利用してきた。
    「あぁ、万葉集みたいなものね」と返すと、なんとなく知的っぽく思えるみたいで、かつユーモアも感じさせるらしく、かねがね好評のようだった。俺も使おうと言ってくれた友人は数知れない。

    そんなボクにも、いよいよ『万葉集』を知るときが訪れた。

    本書に出会ってしまったからだ。

    「万葉集って、なぬ?」

    そんなボクのような人のために本書はある。漫画でもなきゃ、チャレンジしようとも思えない。
    なぜなら古文で書かれた歌なんてもんは、教養のないボクにはほぼ外国語に近い。

    本書では代表的な歌にきちんと解説がされている。これがなきゃきっと放り投げていただろうと思う。特にいいと思ったのは、歴史的背景と歌人についてのエピソードが描写されていたところ。おかげで少し興味が持てるようになった。『知らん人が知らん言葉で歌ったもの』から『知ってる人が知ってる言葉で歌ったもの』という価値観に一歩近づくことができたといえる。

    万葉集の入門書としておすすめの貴重な一冊。

  • 万葉集の時代背景と共に代表的な作者の作品を紹介していく本。
    まずはこの本のようなわかりやすい解説本から入ると良いな。
    まずは万葉集を楽しむことから。

  • 歌のバックグランドを知ることで歌の世界に意味の広がりが生まれる。僅かな知識でこれなら,豊かな知識であればいかほどか。

  • 万葉集の取っ掛かりとしてマンガだから分かりやすい。時代背景まで解説してくれているのが良かった。

  • 奈良時代の終わりに成立した歌集。
    全20巻で、約4500首。
    文学はもちろんのこと、日本古代史の史料としても重要

    千年以上読み継がれる日本文学の原点

    雄略天皇から大伴家持に至るまで、万葉時代のさまざまな和歌を集めた歌集『万葉集』。
    この時代をふり返ってみると、大陸からの脅威に目覚めゆく古代日本人の姿があった。
    激動の時代のなかで人々はどのような想いを歌っていたのか?
    今なお日本人を惹きつけてやまない、日本文学の原点とも言える名歌の数々。

    平城(へいぜ い)天皇の勅撰(ちょくせん)とも、
    大伴家持(おおとものやかもち)の私撰(しせん)ともいわれています。
    でも、誰が・何のために・どのようにして編纂したかは、はっきりとはしていません。

    万葉集は最初から20巻あったのではなくて、
    もともと巻1と巻2の内容があって、
    これらにいろいろな歌集や歌の資料をもとに増えていったと考えられています。

     『万葉集』の時代は100年余にわたり、しかも激動の時代であって、多様な歌が生まれました。
    収録されている歌は4500余首で、歌われる土地が全国に及び、記名のある作者約480人、その階層も天皇・皇后から貴族・下級官吏・農民や乞食人・遊芸人にもわたり、防人の歌もあります。
    この幅広さが万葉の歌をより多彩にし、ほかの歌集に見られない多様性と混沌とした力を有しています。また、この時代の和歌は草創期にあたり、表現様式が固定せず、歌体も多様です。

    万葉集は、約450年間にわたる作品を収めているので、時代とともに歌風の変遷が認められます。ふつうは大きく4期に分けられます。

     第1期は、「初期万葉」と呼ばれ、舒明天皇の時代(629~641年)から壬申の乱(672年)までの時代です。大化の改新から、有間皇子事件・新羅出兵・白村江の戦い・近江遷都・壬申の乱にいたる激動期にあたります。

    第2期は、平城京遷都(710年)までの、天武・持統天皇の時代です。壬申の乱を経て安定と繁栄を迎えた時代で、歌は口誦から記載文学へ変化しました。万葉歌風の確立・完成期ともいえ、集団から個人の心情を詠うようになり、おおらかで力強い歌が多いのが特徴です。

    第3期は、山部赤人と山上憶良の時代で、憶良が亡くなる733年までの時代です。宮廷貴族の間に雅やかな風が強まり、中でも山部赤人は自然を客観的にとらえ、優美に表現しました。

    第4期は、大伴家持の時代で、最後の歌が詠まれた759年までです。国分寺の創建、大仏開眼などもありましたが、藤原広嗣の乱や橘奈良麻呂の変など、政治が不安定になった時代です。万葉歌風の爛熟期といえ、歌風は知的・観念的になり、生命感や迫力、素朴さは薄れてきました。

  • 万葉集を、時期ごとに分けて歌とその背景を解説する。
    4000を越える歌が残っていることを考えると、意外と識字率が高かったのだろうか?

  • "千年以上読み継がれる日本文学の原点"


    万葉集に収められた短歌が、その作者と時代背景を詳しく踏まえながら解説されている。

    大津皇子

    "百伝ふ 磐余の池に 鳴く鴨を
    今日のみ見てや 雲隠りなむ"

    磐余の池に鳴く鴨を見るのも今日を最後に
    私は雲の彼方に散ってゆくのか


    が切なかった。


    ヨーロッパに宮廷画家がいて、王様や姫を見栄え良く民衆に見せるために彼らを盛って描いたように


    日本は歌人が天皇やらに仕えて、歌のなかでやたら彼らを神のように扱って後世に遺すことでその威厳を伝えるために採用されてた面ありあり(・ิω・ิ)
    でも、政治や権力争いから解き放たれた人間の純粋な感情を詠った歌や、歌にすることで"今の世"を何も知らない天皇たちに伝えた歌人たちは本当に素晴らしいと思った。

  • 中でも、大伴旅人の世界観が大変良い。

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