胃下垂海女とクーデレ系料理人の幼なじみラブ…とでも言いましょうか。
あらすじを読んで、これはきっと好みな話だ…!と思い発売を楽しみにしていたのですが田舎なのでなかなか入荷せず、やっと手に入れた一冊。そのじらし期間がちょっと嫌な方向に作用しちゃったかなって感じはあります。(平たく言うと、じらされすぎて期待しすぎた)
良くも悪くも、あー最近の少女小説ですねー、という感じでした。ヒーローにやたら好かれるヒロイン。だけど鈍感で気付かないヒロイン。自然体が売りのヒロイン。だけどなんだか変な方向にもてはじめて自分らしくない方向に持って行かれるヒロイン。最後までなんか護ってもらう感じで特に成長のないヒロイン。恋愛的な精神面だけは少し進歩したかもしれないヒロイン。そしてハッピーエンド。
あと、胃下垂とはいえ、ギャグか!というような食欲はちょっと…という感じでした。食べるのが好きなのはとても好感が持てるんだけど、この子、食欲が勝ると手で食べたりするし、人前でのほほんと『うんち』と言ったりするんだよね。自然体と野生児と下品の境目が曖昧な感じというか。だからあんまり好感が持てなかったです。いや、食って排泄するのは自然の摂理で、なんら恥ずかしいモンじゃないけど、さっきまで食べてた、その場に食べ物がある場所で『うんちー!』はないでしょう。せめて『トイレー!』にしろよ、と思ってしまう。食べ物を手づかみで食べるのも、たとえばパンとかなら良いけど描写からして肉汁がしたたっているであろうしかも焼きたての鳥の丸焼きを手づかみで食べ続けるとか、効率的じゃないと思うんだけど。すぐさまたくさん食べたいというなら、犬食いの方がまだ理解できるような。
面白いかつまらないかで言えば普通に面白いんだけど、期待しすぎてしまったのと、あとヒロインがなんかすごく(私にとって)消化不良だったのでその辺が残念でした。
でも、この作者さんの話は読みやすくて好きなんですよね。だからツボるとすごく好きなんだよなぁ。フレデリックとミニ女神の話とかの方が面白そうな気がします。