それでも、生きる。 NHK取材班が聴いた被災地3000人の声

  • イースト・プレス
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レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781608754

感想・レビュー・書評

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  •  東日本大震災から丸一年の昨年3月に、『クローズアップ現代』枠で放映された震災ドキュメントの単行本化。
     副題の「3000人」はアンケート調査をした人数で、全員の声が本書に収録されているわけではない。

     宮城・岩手・福島の被災者家族一組ずつに取材したルポ3編と、アンケートの記述内容の一部紹介からなる本。
     アンケートの紹介は、1人に2ページも費やしてスカスカのレイアウト。しかも、記述内容をただ並べただけ。ひどく安直な作りだと思う。

     全部で200ページに満たない本だし、内容も薄い。NHKの震災報道をまとめた本はほかにも複数出ていて、それらに比べると見劣りがする。NHK出版から刊行されなかったのも納得。
     
     ただ、3本のルポのうちの1本――岩手県大船渡市の志田由紀さん一家が主人公の「母の最期の言葉かみしめ、もがき、苦しみ続けた一年」は、素晴らしい。松井裕子という記者がまとめたものだ。

     「母の最期の言葉」とは、家族で津波から逃げようと車に乗ったとき、まだ乗っていなかった老母が残した言葉。
     津波が間近に迫るのを見て、病気で動きも鈍い自分が乗っている余裕はないと判断した老母は、車のハンドルを握る夫と、家族に向かって言う。「(自分を乗せずに)行け!」と……。
     そして、離れていく車に向かって叫ぶのである。

    《「生きろよ! こっち見るな! 後ろを振り向くなよ、がんばって生きろよ! バンザイバンザイ!!」》

     「バンザイ」というのは、ダウン症で盲目の孫娘を先に車に乗せたことで、彼女の命を助けられたと確信しての一言だと思われる。
     そして次の瞬間、老母は家族の目の前で津波に呑まれたのだった。 
     「肺腑をえぐる言葉」とはこのことで、この場面は涙なしには読めない。
     だが、残された家族にとってこの言葉はあまりに重い十字架ともなり、家族の絆に深い亀裂が入ってしまう。その亀裂を、少しずつ修復していく「家族再生」のドラマでもある。

     本としての出来はイマイチながら、このルポだけは一読の価値がある。

  • NHKクローズアップ現代放送の書籍版。

    取材された内容のうちのホンの一部でしょう。
    これだけでも充分伝わりましたが、
    悲しみが癒えることはないでしょう。
    それでも前へ進む、いや、進むしかない。

  • 「生きろよ! こっち見るな! 後ろを振りむくなよ、がんばって生きろよ! バンザイバンザイ!!」

  • 直接、支えになれることは少ないかもしれない。しかし、いまこの瞬間にも被災地では、多くの人たちが復興を成し遂げようと懸命に生きている。それを忘れないこと、そして見守り、寄り添い、何が出来るか自問し続けること、それは私たち一人ひとりにも出来るのではないか。(本文より)

  • 震災にあって、肉親を亡くして、心がどん底まで落ちて、でも少しずつでも生きていこうとがんばれるようになった人…でも久しぶりに記者があったら、前より元気が出ない彼女がいて…もがいてもがいて、一歩ずつ必死に前に進んで、周りに助けてくれる人もいて、でも後退してしまうこともある。ものすごくリアルで、苦しくなった。

  • 読まなきゃ、、、

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    「2012年3月6日、震災後一年の被災者の現在を描いたNHK「クローズアップ現代」。
    番組で取り上げた宮城・高泉元幸さん、岩手・志田由紀さんの姿は大反響を呼んだが、直接取材した記者が、番組内に収まり切らなかった二人の思いや背景も含めて執筆。また、番組では取り上げることができなかった原発事故の地、福島の男性も新たに追加取材した。第二部は、NHK報道局社会部が実施し延べ3000人以上から寄せられたアンケートの中から、被災者の想いがあふれ出た自由記述欄の一部を紹介する。 」

    “それでも生きる” ~被災地3000人の声~ - NHK クローズアップ現代
    http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3170.html

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