統合失調症がやってきた

  • イースト・プレス
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レビュー : 147
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781608990

作品紹介・あらすじ

人気絶頂の最中、突如姿を消した一人の芸人-。統合失調症という病に襲われたハウス加賀谷の半生と、「松本ハウス」復活までの軌跡が、相方・松本キックの視点を交えて、いま明かされる。

感想・レビュー・書評

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  • 濃密な内容で一日で一気読みしてしまいました。冒頭の「良い子の石の仮面」からして、もう涙が出そうになってしまってハウス加賀谷さん、なんて健気な子だったんだろうって。読んでいても文の端々から心優しい素直な子という雰囲気が伝わってきました。

    「真っ黒い塾ノート」も、先日子供の高校のスクールカウンセリングの先生(引きこもりに詳しい先生)が、ページをめくれない、めくるのが怖い生徒の話をしていましたが、「大袈裟な…」と思っていたけど、追いつめられると本当にページもめくれなくなるんだと呆然とした。

    加賀谷母がクリニックの先生に言われた言葉が深く印象に残る。「加賀谷家は家庭として機能していないから、潤君を一時的にグループホームに入れましょう」だ。ここまでハッキリとものを言ってくれる先生は、そうそういないし今どき珍しい。そしてグループホームに順応する加賀谷さんはすごいと思う。

    上京、デビュー、悪化、入院生活、社会復帰、再結成と盛りだくさんだ。「抑えてくれるかな?電話かかってきちゃうから」という言葉や、障害者の件が私にとっては衝撃的だった。。。

    支えてくれる家族、松本キック、友人。そして大切な「居場所」 やっぱり居場所、ここにいていいんだ、ここにいると安心する…という落ち着く場所というのが重要なんだと思った。

    最後のあとがきの感謝の言葉に感動してしまいました。私の方こそありがとう…って、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

  • この疾患は改めて周囲の理解が大事なのだなぁと思う。相方さんは本当に素晴らしいなと思った。最後のあとがき「社会の偏見は根深く、なかなかなくならない。だけど、ぼくは、偏見がなくなることを期待するより、自分がどう生きるかが大事だと考えてるんだ」が心に残った。

  • 統合失調症を少しでも知ってもらうのに多くの人に読んでもらいたい。ここまで書くのはさぞ辛かったろうと想像できたが、ほんとうに吐きながら紡ぎあげたらしい。感謝の気持ちでいっぱいになった。

  •  統合失調症というよく耳にする病名。かつては精神分裂病とも呼ばれたこの病であるが、その患者が直面する現実を知っている人はどれだけいるだろうか。本書では、まさに当事者であるハウス加賀谷により、統合失調症患者が直面する生活がありありと綴られている。幼少期から悩まされた幻聴、十代後半のグループホームでの生活、そして、松本ハウスの結成から解散まで淡々と情景が描写されているのだが、余りにも淡々とし過ぎているため、本書では省かれた著者の苦難を想像すると何も言葉が出なくなってしまう。

     一般的に、統合失調症を含めた精神疾患は当事者による病の受容が難しいとされることが多い。「私が精神疾患であるはずがない。」と誰もが信じたいし、その結果、多くの当事者が症状による健康被害とその受容の狭間で苦悩する。著者のように自身の症状を客観視できるまでには通常多くの時間と困難を要するため、当事者とその支援者が歩んできた並々ならぬ日々にはただただ頭が下がる思いだ。

     現在、国内には約70万人の統合失調症患者がいると言われる。閉鎖病棟への数十年もの入院を強いていた時代は終わり、著者のように地域で仕事に就く人も少数派ではなくなりつつある。そんな時代だからこそ、一人でも多くの人に本書のような当事者の声が届くことを願って止まない。

  • ろくに知りもしない、ナイーブな問題については
    あたしの軽々しく薄っぺらな意見を人目にさらせないので割愛。
     ■ ■ ■ ■ ■ 
    キックさん 男前やな~。
     ■ ■ ■ ■ ■ 
    あとがきにあったお母さんのことば
    「あなたが充実した毎日を送っているだなんて、
     そんな親孝行なことはありません。」
    加賀谷さんは親孝行のハードルを下げさせた って言ってるけどさ、
    それは親の本音。
    親孝行にハードルなんてないんだもん、きっと。

  • ボキャブラ天国大好きでいつも見ていました。今でも生き残っている人たちもいれば、長らく姿も見ていないのですっかり忘れてしまった人たちも沢山います。
    そんなすっかり忘れてしまった人たちの中に「松本ハウス」がいます。
    エキセントリックな動きとパツパツの格好、坊主頭で印象深かったハウス加賀谷は、当時統合失調症で幻聴や幻視に悩まされ、大量の薬を飲みながらスケジュールをこなしていたそうです。
    そして1999年活動を休止して治療に専念。10年後に再度「松本ハウス」として復活するまでの道を書いています。
    松本キックとの絆にぐっときますが、それ以上に統合失調症の凄まじさが分かる本です。
    クラスの皆が自分を臭いと言っているという幻聴が聞こえる。窓の外で、相方が自分を見張っている姿が見える。これが四六時中起こるわけですから神経が休まるときは無いでしょう。本当に気の毒だと思います。

  • 生い立ちから現在に至るまで、統合失調症と悩み、戦いながら生きていく日々のストーリーの記録。

    これぞ、本の醍醐味が味わえるという本。他人の人生を、文字上だけではあるものの、追体験できる。

    統合失調症というものがどういう病気なのか、どういう症状が現れるのか、どのように苦しいものなのか...少し理解を深めることができたように思う。

    誰にかは分からないが、突然訪れる病気。

    周囲からもなかなか理解してもらえず、自分さえもその病気なのかどうか、どこがどう悪いのかよく分からない。なんて大変な病気なんだろう。

    一時期は自殺を考えるほどに仕事に追い込まれたことも。

    どんなつらいことがあっても、病気にあっても、希望を捨てず、前向きに歩んでいきたい。統合失調症への理解が少し深まるだけでなく、そんな前向きなエネルギーももらうことのできる本だった。

  • レポートのために書いたけど、読みいってしまった。

    体験談だからこそ、幻覚の感じが生々しく伝わった。
    精神疾患を抱えながら夢を叶える、そして芸人に復活する著者は本当に強いと思った。
    母親に対して、親孝行のハードルを下げてくれたという言葉に親に対しての申し訳無さを感じるし印象的。
    相方や友人の一言や行動に込められた優しさが、考えるほどステキだった。出てきた人すべてに人間として尊敬する。

  • お笑いコンビ「松本ハウス」のハウス加賀谷さんの病気について、相方のキック松本さんが聞きとり綴ったもの。私は彼らを知らないので、統合失調症を理解するためだけに本著を手に取った。薬を常用しながら社会で生きていく姿を読みたかった。

    統合失調症という病気を扱っている本であるが、あえて重い本ではないと紹介したい。なぜなら相方キックさんをはじめ理解者に恵まれ、加賀谷さんは自分を生きているからだ。後半にかけて加賀谷さんと相方のキック松本さんの友情に泣きっぱなしだった。うらやましいほどの友情だ。
    これからも理解者が増えていくことを願っている。

  • 私はテレビを殆ど見ないので、この著者のことは全く知らない。統合失調症の患者の体験記として読んだ。
    統合失調症になぜなるのかはまただわからないところが多いとは思うが、草間彌生や著者のように、かなり若い内に発症し、本人も家族も病気と気付かず苦しむことを考えると、、こうした読みやすい本でどんな病気か知らしめることは、非常に意義があると思う。
    偏見が根強くあるものの、いつ、誰がなってもおかしくない病気だから。
    幻覚や妄想は、肉体的苦痛より耐え難いと推察する。
    相方のキックさんの深い優しさに感動。
    加賀谷さんには無理して病気を悪化させないで、できれば活躍して、統合失調症の希望の星となってほしい。

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