ボルジア家風雲録 (下) 智将チェーザレの激闘

  • イースト・プレス
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781610412

作品紹介・あらすじ

「私の野望の前に、栄華の前に、いつも立ちはだかるものは誰だ?」チェーザレ・ボルジアは、実の兄である教皇軍総司令官ガンディア公を亡きものとし、枢機卿の地位を返上して、政治と軍事の世界に身を投じた。マキアヴェッリに讃えられた稀代の英雄、智謀あふれる闘いとは?文豪デュマが乱世ルネサンス期を背景に描く絢爛たる歴史絵巻!

感想・レビュー・書評

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  • 書かれた当時は極悪非道の一族の扱いだったので仕方がないのでしょうがかなり史実と違っており『読み物』なのだな、と思いました。

  • 通読して、当時の通説ではボルジア家は、毒薬と陰謀と近親相姦で彩られ、教皇の政策は聖性など欠片もなく、全て自家の利益のために図られ、チェーザレの打ち立てようとした王国は自らのなんら理想もなく自らの野望と栄達のためで、約束は平気で破り、仲間は平気で裏切るが、弁舌で言いくるめ、したたかに生き延びる、といった形で描かれる。ボルジア家の悪徳を否定した、という最近の研究にも当たってみたい。/下巻からは、ルクレツィアの資産の増大。教皇軍総司令官に任命されたチェーザレ。享楽と戦費のために免償(大赦の期間にローマを訪れる代わりに払うお金)を売り出し、また枢機卿たちを増やし気まぐれに亡きものとすることで財産を増やした。美しき男女が一年間チェーザレに弄ばれて捨てられた描写。最後は客用に用意した毒ワインによって教皇は死にいたり、チェーザレは死線をさまよった、と描かれる。最後はフランスに幽閉され、逃亡後に小領主の小競り合いで命を落とすチェーザレ。最後まで見捨てなかったのはミケロットだけだった、と。

  • デュマが書いたボルジア家の話ということで、興味が湧きました。
    上下に分かれてますが、随分薄い本ですぐに読めます。というか、上下にわける必要あったかどうか。
    もともとデュマの書いた「著名犯罪集」といういくつかのエピソードがまとまっている本の一部だそうで、昔は横溝正史が翻訳して出版されていたとか。なんというか、歴史物ではあるけれど、通俗的でエロティックな娯楽読み物という側面は否めません。
    なにせ今では、塩野七生の著作や漫画でも何度も描かれている、日本ではわりと有名なチェーザレですから、この本での間違いは、熱心なファンには受け入れがたいのではないでしょうか。今更悪の華ボルジア家、といわれても、違和感ありまくりです。
    でも、デュマらしいぐいぐい読ませてくれる筆力は楽しめますが。ダイジェスト的な要素もあるので、ざっくりボルジア家の興亡を知りたいという方にもいいかもしれません。

  • 史実と異なる点、著者の創作と思われる点もいくつか見られるが、原著者の意向を尊重した、という訳者のあとがきでもフォローされているし、すでに歴史的な研究によってここで描かれているような近親相姦、乱交、毒の使用は否定されているという解説もあり、いわゆる塩野七生ファン、惣領冬実ファンからのチェーザレを期待すると、おやおやおや、となるわけだが(私もその一人。ついでに言えば川原泉からボルジア家に入ってるのでなおのこと…)、歴史エンタメ小説として読めば、ひじょーによくできているのではないでしょうか。

  • ほんとは星一つだけど
    文豪に敬意を表して二つ。
    そりゃあなかなか翻訳されてない
    わけだよ。ボルジア➕大デュマで
    過剰に期待した私が悪うございました
    実際、犯罪実録物中の一編で
    小説と考えてはだめなわけです。
    しかし、史実に沿ってかっちり
    書いてあるかといえばとんでもない、
    当時の読み手の欲求に合わせた
    のであろう下衆なデマゴーグで
    ひたすらボルジアの悪を煽るかと思えば、いもしない長男が出てきたり。
    当時はこれが実際起こったことだと
    されていたのかもしれないが、
    いくら大デュマとはいえ、三銃士を
    書く前の駆け出し時代であれば
    こんなものか。
    いや、塩野七生や惣領冬実に毒されて
    私の目が曇り切っているのか…
    だってしょうがないよねー
    中学の図書館で「あるいは優雅なる
    冷酷」に出会って以来、厨二病が
    治らないんだから。

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著者プロフィール

1802-70。フランスを代表する小説家・劇作家。生涯に長短合わせて250篇あまりの作品を書いたとされる。主な作品に『コルシカの兄弟』『モンテ・クリスト伯(巌窟王)』『三銃士』『ブラジュロンヌ子爵(鉄仮面)』『ダルタニャン物語』『王妃マルゴ』『王妃の首飾り』など。

「2016年 『ボルジア家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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