Amazonで変なもの売ってる

著者 :
  • イースト・プレス
3.30
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本棚登録 : 358
感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781611785

作品紹介・あらすじ

PCモニターの向こう側には、見たことのない世界が広がっていた-。まったく新しい異世界ファンタジー、誕生。

感想・レビュー・書評

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  • NHKみんなのうたで流れていた「まっくら森の歌」が大好きだった幼少期を経て、『猫森集会』をはじめとするファンタジーにはまっていた中学時代…。
    そして大人になった今でも、谷山ファンタジーが私を惹きつける吸引力は相変わらずです。

    この物語の主人公は花見山ミカル&ハルル姉妹。
    妹のハルルが雑誌を読んでいると、姉のミカルがパソコンの画面をじっと見つめてこうつぶやきます。
    「Amazonで変なもの売ってる」
    確かに時折「こんなものまで…!」とぎょっとするような物まで買えるAnazonですが、姉妹が見つけたものは正真正銘の変なもの。
    ぽちっとワンクリックで注文してみると、たったの3分で荷物が届くのですが…

    谷山ファンタジーの好きなところは、一旦不思議に放り込まれたら、何が起こるかわからないところ。
    かわいらしい世界かと思いきや、理不尽なことも不気味なことも、次々と起こるのです。
    以前の作品は「怖い>かわいい」という印象のものばかりなのですが、今回のものは少しコメディタッチなところもあって「怖い<かわいい」かな。
    …と油断していたら、終盤でじわじわ怖さが追い上げてきました。
    このゾクゾクする感じが癖になります…怖がりなのに読みたくなってしまう。
    それから、そんな状況に割と抵抗なく馴染んでしまう、主人公の図太さも好き。

  • ある日、姉妹のミカルとハルルはAmazonで奇妙な品を見つける。
    レビューも不思議で。思わずポチリとしたら。

    発音も難しい訳の分からない品にレビュー。
    それを買う勇気?無邪気?が不思議な体験を呼ぶ。
    かつて土曜日の夜に聴いていたラジオ番組のあのコーナーが蘇るよう。
    夢をラジオドラマにした、あれ。
    ミカルとハルルの会話が頭の中で浩子さんの声で響くから、あーあの世界に帰ってきたーっていう気持ちになる。
    不思議なお話に沿うようなイラストがまたキュンとなる。この絵好きー!

  • 可愛らしくてシュールなファンタジー小説。ファンタジーだけれど、現実世界に開いた異世界の狭間、という感じもあって、明るくて楽しいけれど怖いようなところも。もうあっさり、変な小説って言っちゃってもいいかもしれません(誉めてます)。
    浩子さんファンなら浸れること間違いなし。Amazonで変なもの売ってないか探したくなってしまいます。でも「ぽち」する勇気はないなあ……。

  • 商品名:んぐぁをりhkの
    商品説明:回転数が倍になり、より効率的な作業が可能になりました。重さが違います。ご自宅ジャッとくつろぐ

    Amazonでなんか変なものが売られてるのを発見したミカルとハルルは「んぐぁをりhkの」をポチッてなんか変な世界に紛れ込んだり込まなかったりする。



    変なはなしだった。
    なんか変なはなし読んじゃったな〜って感じの本だった。
    帯には異世界ファンタジーとあるけれど、どちらかというと幻想小説っぽい(あくまで”っぽい“)。
    読みやすい文章で、ミカルとハルルのやりとりも面白く、だいぶ変なことが起こってるわりにふわふわ〜とした感じでゆらゆら〜と進んでいく。
    そのまま読み進めて、最後は、…ん?なんだこれ。
    なんか変なはなしを読んでしまった…。

    あとがきを読んで作曲家の方だったんだと知った。
    どんな曲を作ってるのかを調べてみて、あぁ、なるほど。納得。

  •  初めて谷山浩子さんの小説を読みました。不思議だし、意味も全然分かんないんだけど、どうしてかスンナリ受け入れられる。それは多分、不思議な世界が外に"ポンっ"と設定されているのではなくて、ミカル・ハルル姉妹の心の内と現実とが混ざり合って、それがじわじわ深まって謎が展開されているからだと思います。
     例えば夢の中で、全く見知らぬ場所で、周りの人も知らない人で、なんなら自分すらも"自分じゃない"時だってあるのに、そこでは現実と変わりない当たり前の世界になってる…そういう感覚に近いなぁと感じました。

    ミカルとハルルの会話が明るく幼く(大人だけど)バカバカしいことも相まって、最初は絵本の世界に入り込んだみたいな、そういう可愛らしい不思議な感じの物語かと思っていたのですが、後半にじわじわと怖さもある。特に"お父さん"に関しては…

     個人的には、1日とか2日おきに1章分読むというように、断片的に読むことをお勧めします。一気読みして全体を俯瞰するのには不向きな作品です。

  • チョコレートが……チョコレートが……一人、減ってる!

  • 最後の方、どう解釈したものか...考察したり雰囲気に呑まれたりいろいろな楽しみ方がありそうなお話。

    なんとなく思い出したのは、西洋哲学の「『もの自体』は認識できない」という考え方。
    目に見えるものは、みな光の反射が人間の頭の中でつくりだす像に過ぎず、「もの自体」を認識しているわけではないという。赤外線や紫外線のように実在するが、人間の目には見えていないものがあるように、結局は脳内にあるものでしかないのだという。

    それで、その光の反射を像として成立させるものが冒頭で出てきたフィルターだと解釈できないだろうか。
    当初は、そのフィルターにバグが生じて、グラフトの姿がハルルのフィルターでしか認識できなくなる等の怪現象が起きた。
    後半部分はそのバグが悪化?して「もの自体」と「像」の境目が無くなり、ハルルが液体になった。
    最後の場面は、父親が「もの自体は存在せず、これは心象世界に過ぎない」という認識を持ったことで、それが「もの自体」の世界に影響を及ぼし、本当に存在しなくなってしまった。
    そして父親がいなくなった世界で、外宇宙からの出品を見つけて、無限ループ、みたいな...
    宇宙と言えば、人体のことをミクロコスモス(小宇宙)と呼ぶことがあるらしいし、ひょっこり万物が持つ宇宙と宇宙が混ざり合って、ということかもしれない(雰囲気思考)
    そして、占い師やバスソルトなど、外宇宙から介入してきた人の意図が見えないのが怖くもある。

  • KindleUnlimitedで読了。
    不思議の国のアリス的な変な国に迷い込んで変なことをテンポよく楽しむ感じの本。テンポは良かったし読みやすかったけど、特にヤマもオチも現実的なエピソードもないので、面白いとも言いづらいかな………。

  • 不思議な世界に入り込みたいときにちょうどいい。

  • YouTuberさんが紹介してて気になって借りてみた。
    なんだかすごい不思議なお話で終わりかたも不思議だった
    意味もわからないのにどんどん読み進められてもう一回読みたいって思える本
    携帯のお話好き。

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著者プロフィール

シンガーソングライター。東京都出身。1972年にシングル「銀河系はやっぱりまわってる」、アルバム『静かでいいな~谷山浩子15の世界~』をキングレコードからリリースするなど、早くからその才能を発揮する。現在までに40作品以上のオリジナルアルバムをリリース。その独自の高い音楽性は根強いファンを獲得している。
NHK「みんなのうた」「おかあさんといっしょ」やCF、また「オールナイトニッポン」をはじめとするラジオ番組のパーソナリティー、童話、エッセイ、小説の執筆など、その活動範囲はますます拡大している。近年は、映画『ゲド戦記』の挿入歌「テルーの唄」、映画「コクリコ坂から」の劇中挿入歌の楽曲提供を担当するほか、斉藤由貴、手嶌葵、持田香織(Every Little Thing)、声優の豊崎愛生、今井麻美、上坂すみれへの楽曲提供など作家としての活動も著しい。
2022年4月にデビュー50周年を迎え、コンサートや執筆など精力的に活動している。谷山浩子公式YouTubeチャンネルで、音声のみの番組「谷山浩子のSORAMIMI ラジオ」配信中。

「2023年 『ヒロコとニャンコと音楽の魔法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

谷山浩子の作品

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