パリの国連で夢を食う。

著者 :
  • イースト・プレス
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本棚登録 : 588
レビュー : 90
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781612430

作品紹介・あらすじ

世界一のお役所の舞台裏は、驚きの連続だった!新田次郎文学賞を受賞した川内有緒が、パリと国連での5年半におよぶ体験をユーモラスに描いた、30代女性のライフストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • フレッシュだった。だけど国連ってこうなのー!って驚きが多かった。案外、大雑把で保守的なんだと驚きだった。

    アリオさんはアニメキャラで例えるならば、ドラゴンボールの孫悟空みたいな感じ。好奇心と直感で幸運を引き寄せているように見えた。(ので、ちょっぴり啓発っぽくも感じた)凹んだとこが書かれていないからそう感じたのかもしれない。

    国連はこの世界の縮小のようで、国連館内に国境はないけれども人種が入り乱れて、一部で紛争があったり本当にカオス(笑)だと読んでいて思った。ヘタリアみたいだった。

    こんなに恵まれている職場はないなぁ…と夢のようだったけど、やっぱり何か息が詰まりそうな気もするし…。私はこの子が…もし自分の娘だったら、辞めるのを止めたと思う。なんかやっぱり勿体ないなぁ~と思うのだ。夢や希望も大事だからその板挟みになって悩む時期ってあるんだよね…。若いうちにしかできないこともあるから、読んでいてこっちが悶々としてしまった。

  • 憧れていた職業に就いても
    実際の仕事は思ったより地味で
    憧れていた「華やかさ」はその仕事のごく一部だけだったと気付く。
    国連に限らず、世の中の「憧れの仕事」ってみんなそうだなあ、と。
    憧れの仕事に就いても、私は「私」のまま。「憧れの誰か」にはなれない。
    結局は自分で道を切り拓いていかないといけない。


    海外で働きたいとか
    国際機関で働きたいとか
    私も憧れたことあったけど
    実際問題、仕事の流れや生活に関するすべてが根本的に違ってて、イメージしてた仕事と現実の仕事も全く違ってて、よほどのバイタリティがないとやっていけないなと読んで思った。
    作者はタフ。

    国際機関で働くことになったのは、「世界を変えたいから」という大層な理由じゃなくて、「たまたま求人を見つけて、応募してみたら2年越しに当たった。そのとき現状に悩んでたところだった。パリで働くなんてわくわくする」というミーハーな理由だった。

    「周りからすごい努力家だと言われたが、行き当たりばったりの生き方だ」と振り返っているが、
    「すごい職業」についてる人の人生って、案外そんな感じなのかもしれない。
    「世界を変えたかったのではない。私は自分を変えたかったのだ」。



    …それにしても、誤字脱字が散見したのがものすごく気になった。
    「てにをは」が抜けてたり、「男ははすでに」とあったり、「〜だった。、」となっていたり…。
    初めて聞くような出版社だからだろうか。
    読んでいたのが第1刷だからだろうか。
    出版されている本を読んでて、こんなに気になったのは初めてだった。

  • これは面白い。アメリカ留学後現地で就職、日本のコンサルタント会社に転職し、そこからさらに国連の正規職員に転じて(倍率2000倍だって!)パリのサンジェルマン・デ・プレ教会近くのアパートに暮らした日々を綴ったもの。おお、こんな風に紹介したら、どんなセレブライフが披露されているのかと思ってしまうなあ。いやもうこれが、全っ然違うのである。

    そもそもこの本を知ったのは、高野秀行さんが「はぐれノンフィクション軍団」に入会(入団?)希望する酔狂な人がいると紹介していたからだ。高野さんは、川内さんは既に新田次郎文学賞を受賞しているし、その華やかな経歴からして、こんなはぐれ者の集まりに入れちゃうのは悪いなあ、でも是非にと言ってるから喜んで迎えようと書いていた。それで俄然興味が湧いて読んでみた次第。

    川内さん、あなたは立派に高野軍団の一員だ! 自分のやりたいことを求めて、あまり後先考えずに新しい環境に飛び込んでいく行動力といい、どこへ行ってもその場になじんでいく懐の広さといい、まったくたいしたものだと感心する。お金や地位や世間体などより、自由と好奇心を満たすことを優先し、結局は、これ以上ない労働条件で安定を約束された国連も退職しちゃう。このあたり、「放っておいても明日は来る!」で高野さんが紹介していた自由人の方たちと同じだ。

    でもこの川内さん、決して突飛な変わった人ではないのである。企業人としても国連職員としても真面目で(もちろんとても優秀で)、職場では周囲にさりげなく気を遣い、一人暮らしがちょっと寂しくて恋人が欲しいなあと思い(後にちゃんとできる。その顛末がステキだ)、お父さんが病気で亡くなり涙にくれる。そういうごく当たり前の人としての暮らしが自然に書かれていて、共感を持って読み進めていけた。

    国連と言っても、描かれているのは著者が勤務した国連の一機関だが(ぼかされているがユニセフかな?)、その実態もとても興味深かった。巨大組織であるだけに問題も根深そうで、漠然としかイメージできなかった国連の仕事というものを少しだけ身近に感じることができた。そういう「お仕事もの」としても優れた一冊だと思う。年の初めに良い本に出会えました。

  • 国連って、投資銀行なんかと比べてキャリア的にはあまり面白くないと聞いたことがあったが、なるほどこんな職場なのかと納得。でもワークじゃなくてまったりライフを重視する人にとっては良い職場のようだ。福利厚生のレベルは高い。1年まで無給休暇が取れたり、有休は1ヶ月に2.5日付与され、しかも前借りができたり、クリスマスの時期は5日の一斉休暇があったり。3年目で月給50万円。まるで天国だ。入るのはかなり大変そうだし、性格的に向き不向きはありそうだけれど。
    日本でも近年女性活用とかダイバーシティがどうのといっているが、国連のダイバーシティは凄い。日本で言ってるダイバーシティとはレベルが違う。信仰する宗教の行事に気兼ねなく参加できるように、自分で「宗教の日」を指定して休める。勤務時の服装がバラバラで、スーツだけじゃなく、サリー、セクシードレス、民族衣装、浴衣、ジャージと何でもあり。日本の掛け声だけのダイバーシティと大違い。
    著者のバイタリティーにも驚いた。フランス語があまり話せないのに、いきなりフランスで働くとか、ソルボンヌ大学で教えるとか。人がうらやむまったり高給な国連をあっさり辞めるとか。思い切りがいいというか、ちょっと羨ましい。平凡な暮らしをしてきた自分には中々選べない道だ。

  • 国連のイメージが音をたてて崩れていく。国連だけじゃなくて、評価基準がハッキリしない組織は似たようなものなのかもね。
    で、国連の目標って何だったっけ。世界平和だったかな、

  • 新聞の書評で知った本。自分が思っていた国連と、あまりに違う。たぶん著者も同じだっただろう。そのギャップを面白く描いている。
    グローバルに働くって、何かにつけてエネルギッシュなんだと感心した。

  • ≪quotation≫

    うまくいかなければ、その時考えればいい。
    だって、パリに生きるみんなが教えてくれた。
    人はどう生きることもできる。

  • 読みながら、まるで自分もそこにいるような錯覚に陥った。様々な国の人と一緒に仕事する空間てこんな感じなんだろうなあと思った。
    日本人として世界の第一線で活躍し、パリで奮闘する著者の苦労や国連のイメージと現実とのギャップに奮闘する様子がとても面白く、一気に読んだ。イギリス留学時代を思い出した。

  • 夢と期待と想像と、現実は違うよね。という話。一言でいえば、国連職員となった著者の青春記なのかな。
    国連の仕事内容が知れるかも!ってのは期待しちゃあいけない。

    パリ…というシチュエーションを除けばきっとみんな、こうしたギャップに驚いたり、戸惑ったり。開き直って楽しんだり、いつしか慣れたりってことがあるんじゃないかなぁと思う。

    タイトル通りに、夢を食べながらの日々。
    泣いたり笑ったり。
    感情移入しながら、楽しめる一冊。

    コンゴのくだりで、未知の怪獣の話はきっとムベンベ本の事かな〜って。

  • 行ったことがないから 行ってみたい!
    会ったことがないから 会ってみたい!
    見たことがないから 見て見たい!
    聴いたことがないから 聴いてみたい!
    経験したことがないから してみたい!

    未知なるものを 
    ここまで徹底して楽しんでしまう
    その 生き方 と 生命力 に
    大拍手!

    もちろん その裏に筆舌に尽くせない
    苦悩や 悲しみ も あるのだろうけれど
    それらを 蹴散らしてしまう いや 呑み込んでしまう
    好奇心 に 拍手!

    実にさわやかな気持ちにさせてもらえる一冊です

    よくぞ 物書きの道を 目指してくれました
    次の一冊が 楽しみです

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著者プロフィール

川内 有緒/ノンフィクション作家。1972年、東京都生まれ。日本大学藝術学部卒業後、米国ジョージタウン大学で修士号を取得。米国企業、日本のシンクタンク、仏の国連機関などに勤務後、ライターに転身。『空をゆく巨人』(集英社)で第16回開高健ノンフィクション賞を受賞。著書に『パリでメシを食う。』(幻冬舎)、『パリの国連で夢を食う。』(同)、『晴れたら空に骨まいて』(ポプラ社/講談社文庫)など。https://www.ariokawauchi.com

「2020年 『バウルを探して〈完全版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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