雇用・利子および貨幣の一般理論 (まんがで読破 MD134)

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  • イースト・プレス
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レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・マンガ (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781613383

作品紹介・あらすじ

世界恐慌の発生で、失業率が25%に達したイギリス。「いずれ時が解決する」といった古い考えにとらわれ続ける古典派経済学に失望した気鋭の経済学者ケインズは、進歩した社会の問題を解決できるまったく新しい経済理論を生み出す難事業に、たった一人で挑む!経済学の常識を覆し、世界経済のかたちを一気に変えた名作をマンガ化。

感想・レビュー・書評

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  • 1時間で読めて、「へー、ケインズってこんなこと考えてたんだー」ってくらいになれる。

    「一般理論」のざっくりしたイメージだけ掴みたいとか、経済学に親しみたいというニーズにはうってつけの本。
    致命的な誤植らしき箇所がいくつかあるのが残念だけど。

  • アベノミクスでやろうとしていることがこれであると感じた。利子率を下げれば企業が民間投資を増やし、GDPが上がり、賃金が上がり、消費が増え、需要曲線が上昇し、物価が上昇する。しかしながら、実際はこの理論のように物価は上昇していない。むしろ現段階(H30.8.12)では副作用のほうが目に付く。永続的な投資信託の購入、国債の購入、銀行収益の圧迫など。
    現代では、好景気なのに物価が上がらないディスインフレが起こっている。理由は、賃金の伸び悩びとグローバル化である。
    日本では生産人口が減少したことで、高齢労働者、女性労働者の雇用が増えた。この人々はパートなど安い賃金で雇用が可能である。
    欧米では移民受け入れによる外国人労働者を安価な賃金で雇うことができる。
    さらに、企業は自社の利益を内部留保としておきたがるため投機的な行動を起こさず、賃金も上げない。そのため、政府も最低賃金の上昇を義務付ける動きをしている。
    もう一点のグローバル化については、世界中の商品の価格が徐々に均一化されてきていることがあげられる。代表例はアマゾン。店舗を持たなくても商品が世界中で売ることができるため、世界中で価格競争が起こるような状況が現代である。

    以上より、ケインズの理論を理解した上で現代の経済を見つめることでどこに問題があり、どこを改善すればいいのかが見えてくると感じた。

  • ずぶの素人でも、理解できるように例を挙げて工夫されているのが、よく分かりました。
    需要供給曲線をよく理解していると、より分かり易いと思います。
    実質賃金の説明は、若干説明が足りないように感じました。

  • 一般理論は言い回しが難解らしいので、とりあえずどんなもんかと漫画版で触れることにした。
    この本、なかなか面白いし、アイデアの理解に良かった。漫画で解説する系の本が増えてきているけど、概要理解には捨てたもんじゃないなと思った。

  • なるほど、アベノミクスでやりたいのはこれに書いていることなのか、と思える。

  • レビュー省略

  • ケインズの理論をマンガでわかりやすく解説。

  • 公共投資は累積する巨額財政赤字と政治家・土建屋の利権に嫌気して、国民には無駄使いにしか見えない。
    また、近隣国の急激な経済的隆盛に対する自国の停滞、人口減などにより、短期的にも長期的にも明るい期待を抱くことができずにいる。

  • 絵もカワイイ。この本、図書館で借りたのオレが最初だ!新品。
    -----------------------<以下、引用>

    古典派経済学は完全雇用を前提とした理論で、完全雇用という特殊な状況にのみ当てはまる、いわば特殊理論。
    だが、ケインズの理論はどんな状況下でも通用する「一般理論」。p.148

    ・労働需要曲線(古典派経済学のグラフ)
    ・労働供給曲線(ケインズのグラフ)p.150

    ・総供給曲線(社会がモノを売る力)p.159
    ・総需要曲線(社会が喜んでお金を使うキモチ)p.160
    総供給曲線と総需要曲線の交点で物価水準と雇用量が決定される。

    古典派経済学は
    「供給が需要を生み出す」と言う。
    ケインズは逆だ。
    「需要が供給を生み出す」

    社会全体の需要が上がれば、物価が上がり、雇用量も増え、供給を刺激する。
    ケインズはこれは「有効需要」と名づけた。
    有効需要が増大すれば、失業問題は解決する。
    p.163

    有効需要の担い手は消費者。

    個人消費者の他に
    モノを供給する企業にも消費者の一面がある。
    企業は新しく設備を購入し、材料を仕入れる消費者でもある。
    これを「民間投資」という。

    国内のモノを外国が買ってくれる海外輸出。
    これは外国が消費者。
    ケインズの経済学では輸出についてはあまり重要視しない。
    p.175

    政府が国内のモノを買えば「政府支出」
    ★★★ケインズ経済学では政府の役割がとても重要。

    これらお客さんの消費を全て合わせたものを
    国内総生産 Gross Domestic Producut と言う。
    ★★★有効需要の増加とは、GDPが増えることを意味する。
    p.176

    ミクロの視点でこれを見ると混乱する。
    ケインズはマクロの視点で経済を見る。
    p.177

    所得=消費+貯蓄
    衣食住の必需品は「基礎消費」
    消費には「基礎消費」に加えて「限界消費性向」がある。
    貯蓄が増加したときの消費の増分を
    ★★★★★限界消費性向(もっとお金を使いたい)
    と言う。
    p.183

    不況を解決するには有効需要を上げれば良い。
    有効需要が上がるとはGDPが増加すること。

    GDPを増やすためには、まず投資が重要になる。
    ここで言う「投資」とは
    民間投資+政府支出
    のこと。
    投資によるGDP増加の効果は個人消費に依存する。
    (私たちがお金を使えば使うほど、投資がパワーアップするということ)
    p.188

    所得が増加すると消費も増加する(限界消費性向)
    投資の効果をパワーアップさせるには限界消費性向の大きさがカギとなる。
    これを説明するためには「乗数の公式」を用いる。

    GDPの増分=乗数×投資の増分
    乗数=1/1-限界消費性向

    乗数が消費の大きさを表す。p.191

    限界消費性向の値が0.8だとすると
    乗数=1/1-0.8
    乗数=1/0.2=5 なので
    GDPの増分=5×投資の増分

    投資の増分が1兆ポンドだとすると
    GDPの増分は5兆ポンドになる。

    つまり1兆ポンドの投資が、5兆ポンドにパワーアップしたことになる。
    p.184

    消費を増やすということは貯蓄を減らすということ。
    せっせと貯金する必要は無い、ってこと????

    ケインズは答える。
    「個人がどれだけ倹約に励んでも社会経済全体には何の意味ももたない」
    p.198

    社会経済の主役は、消費者と企業。

    じつは企業に消費は無い。
    企業のための購入はすべて「投資」になる。
    売れ残りがあれば「在庫投資」

    個人消費者の場合
    所得=消費+貯蓄

    企業の場合
    所得=貯蓄

    消費者が100Gのパンを買うとする
    パンの原価は30G

    企業の所得はこうなる・・・・・・
    所得=売り上げ-原価
      =100-30=70G
    投資=在庫が一個へる=-30G
    消費=0
    貯蓄=所得=70G

    消費者はこうなる・・・・・・・
    所得=0
    投資=0
    消費=100G
    (所得=消費+貯蓄 だから)
    貯蓄=所得-消費=-100G

    これを合わせて考えると
    社会全体の所得は・・・・・
       (数式)
    「貯蓄=投資」となる。
    p.203

    消費が増えると所得も増える。
    消費しようと言うキモチを限界消費性向と呼ぶ。
    逆に言うと・・・・
    貯蓄が増えると所得は減る。
    貯蓄したいと言うキモチは限界貯蓄性向と呼ぶ。

    ひとりひとりの個人にとっては正しいことが(たとえば倹約したり貯蓄に励むことが、個人におっては美徳であるというようなこと)、社会全体にとっても正しいとは言えない。(社会全体にとって、貯蓄は悪であるということ)
    これを「合成の誤謬」と言う。
    p.211

    大不況では社会の貯蓄性向は日増しに高まってゆく。
    彼ら個人はお金が貯まったように見えても、それは錯覚に過ぎない。
    p.211

    たとえ貯金が少なくても、どんどんお金を使い、GDPが高まれば自分の所得が増し、それが結果として貯蓄増につながる。
    それが富裕層から貧困層に富を分配することになり、健全な社会となる。
    p.213

    ケンブリッジの若い研究者たちはサーカスというグループをつくってケインズに師事した。
    ・リチャード・カーン 乗数理論を発案
    ・ロイ・ハロッド ケインズの伝記を残した
    彼らの意見。
    「古典派経済学は現実からかけ離れたものになっている。失業者の定義ひとつとってもそう。
    この世に
    ・自発的失業
    ・摩擦的失業
    しか存在しないなんて学説はあまりにも不自然。
    不況に打ち勝つこと。これが新しいケインズの経済学だ。」
    p.225

    古典経済学にとっては
    労働者の賃金を下げれば不況は解決する、という労働者の賃金犯人説だが、

    ケインズ経済学にとって
    下げるべきは「利子率」である。
    p.228

    GDPを増大させるのは個人の消費
    (限界消費性向の話)
    GDPを増大させるために不可欠な要素は投資

    GDPを増大させるためには
    「政府支出+民間投資」を増加させる必要がある。
    このうち「民間投資」が投資の主役となる。

    企業が投資する、というのは
    雇用を増やしたり、設備を増やしたりして
    生産力を高め売り上げアップをはかること。
    この時、企業は
    長期期待か
    短期期待か
    によって投資の規模を決定する。
    期待は予想と言い換えても良い。

    ケインズ経済学では人々の「予想」を重視する。
    p.212

    短期期待にもとづく投資は主に雇用に向かう。
    長期的な売り上げ増を望めば、雇用に加え設備投資が必要になる。これには、よりお金がかかる。

    企業が新しい機械を買うとき、その機械がどれだけ収益を上げるか予想して計算する。
    これを
    資本の限界効率(新たな機械が生み出す稼ぎ)という。
    p.236


    ・・・・・・・・・・・・・(つづく)


    難しい数式やグラフがドッサリ出てくるのに、諦めずムリヤリ、マンガにしちゃってるところがスゴイわ。
    あと、やっぱケインズのこの本って、用語自体も難しいんだよね。
    とにかく、取っ付きにくいんだけど、それを、このマンガは、少しでも、取っ付きやすくしてくれてる。

    ひさしぶりに本棚に並んでる『雇用・利子および貨幣の一般理論』(東洋経済新報社版)を取り出して、このマンガと並べて、中身を参照しながら、読んでいった。

    ケインズの経済学についての新しい発見などもあり、読んでて楽しかった。

  • ケインズ理論がわかりやすく解説されている

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