男が痴漢になる理由

著者 :
  • イースト・プレス
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レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781615714

感想・レビュー・書評

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  • 痴漢は性依存症。この観点から、一貫して加害者(場合によっては加害者家族も含む)の治療の必要性を説いている。

    共感性の低さ、認知の歪み、ストレスコーピングの選択肢の少なさ、などが痴漢の特徴・キーワードとしてあげられている。

    治療計画や取り組みなどが興味深く、これは広く知らしめたほうがいいのでは?と思った。

  •  徹底して被害者の側に立った上で、痴漢行為を依存症として治療の必要と治療法を解説する。痴漢をしてみたくなる気持ちが理解できなくはないため読んでいて苦しくなる。満員電車に乗る環境になくて本当によかった。前から『それでも僕はやってない』の、普段はやっているけど、その時だけは本当にやっていなかった痴漢冤罪事件の話を作ってみたいと思っていたのだけど半端じゃなく大変そうだ。

     著者がその立場になく、分析したり解説したりするのが仕事とは言え、ここまで書くならあなたはどうなのだ?というのが気になった。痴漢は性欲とも実は密接ではないという論もあるのだが、それでもなお性欲を持っていること自体に後ろめたさを感じさせられる。

     先日映画にもしていただいた『チェリーボーイズ』がまさに認知の歪みをベースに作られた物語であるので申し訳ない気持ちになった。

  • 【2017年度「教職員から本学学生に推薦する図書」による紹介】
    貞許 礼子 先生の推薦図書です。

    <推薦理由>
    (「犯罪」は犯人に責任がある、というのははもちろんですが)「社会に根強く残る性差別」と「加害者本人だけでは解決できない依存」という問題に気づくことができます。この社会から性犯罪を少しでも減らすために。

    図書館の所蔵状況はこちらから確認できます!
    http://mcatalog.lib.muroran-it.ac.jp/webopac/TW00358767

  • うーん、意外と深い。認知の歪みとか、うつ病とかとも共通する点も。

  • とにかく痴漢に特化した本。おもしろかった。

    痴漢が単に性欲から来るものだけではないという認識が一般にもっと広まれば、また別の撲滅のためのアプローチができるのでは?と感じた。
    しかし、女性に一切責任はないと言い切るのはどうだろう。フェミニズムが流行し、本質とズレているような理論さえも持て囃される昨今において耳障りは良いかもしれないが、誘発させないリスクを限りなく抑えるという意識も少なくとも必要ではあると思う。

    2017.11.08

  • 今の業務とはほぼ無関係ですが、私の中長期的な関心分野である司法と福祉ないし再犯防止といったあたりの関係で、先日クレプトマニアについてのお話を聞きに行ったときに講師の先生から著者割引で購入。
    自分が刑事事件を扱う中で受けてきた印象とかなり重なる加害者像がわかりやすく書かれていて、実態の理解にはとても役立つ本だとおもいました。
    逮捕や示談金(や短い実刑)だけじゃ認知のゆがみは治らない、、、ということからは、「治療をやってみないとだめだよね!!」という認識が、加害者本人にも警察や司法関係者にも広まることが必要なのかなと認識を深めました。
    トリガーの把握とそれに対する対処方法を中心とした、リスクマネジメントプラン。それで再犯防止になるかはわからないけれどちょっとずつでも試していくことの意義はあるということですよね。

  • 最後の「STOP!痴漢」可能なのか。の章がとりわけ重要。「痴漢は依存症です」「痴漢は治療できます」というメッセージこそ効果的なのだ。

    認知のゆがみとコーピングの選択肢の少なさか。
    男である自分を省みる格好の機会となった。

  • 368.64

  • ■行為・プロセス依存の7つの特徴
    ・強迫性
    ・反復性
    ・衝動性
    ・貪欲性
    ・有害性
    ・自我親和性
    ・行為のエスカレーション
    ■すべての依存症の診断において,「コントロール喪失」と「離脱症状」が重要なポイントとなる。
    ■置換の動機は性生活の充実やセックスレスとは異なる。
    ■性風俗店の利用は痴漢行為の抑止とならない
    ■痴漢行為は彼らにとって”ストレスへの対処法”
    ・ストレスへの”コーピング(対処行動)”
    ■痴漢には勤勉な者が多い。その一方で何らかの劣等感を抱いていたり自己肯定感が低かったりするのも彼らの特徴。
    ■すべての依存症には,自身の内にある心理的苦痛や不安感,孤独感を一時的に和らげる効果がある。これを”依存症における自己治療仮設”と呼んでいる。
    ■痴漢に限らず性犯罪者は必ず心の内に歪を隠し持っている。
    ■痴漢で逮捕され幾度となく反復してきた加害行動に漸く歯止めがかけられたことによって彼らは”生きがい”を失ったという。
    ■性犯罪に走る者は元々ストレス・コーピングの選択肢が少ない傾向がある。人間関係の構築が下手で気持ちや生活に負荷がかかった時にどう対処するか,或いはどう受け流すかといったスキルが低い傾向がある。そのうえ孤立しがちな性格なので悩みを人に相談できず一人で抱え込む。
    ■「反省を強いてその責任性を追求し過ぎると再犯率が上がる」というエビデンスがある。これは世界の性犯罪者処遇の中で確認されているもの。DV加害者プログラムでも同様のことがいわれているので反復する加害行為においてはある程度共通する法則だろう。
    ■加害者は早期に加害者記憶を忘却する「加害者記憶の忘却」は,性犯罪に限らずあらゆる加害行為の加害者側に共通する特徴。
    ■「これが最後」とは依存症の人たちの口癖のようなもの。「これが最後」という認知の歪み。
    ・これが最後の痴漢であると思い込む
    ・これを最後にもう飲まない
    ・競馬に行くのはこれが最後 etc

  • 「痴漢とは依存症であり、治療が必要である」
    性的満足を得るために行う者もいるけれど、実際は痴漢をすることによって、ストレスから解き放たれ、充足感を得ている者が多い。
    ギャンブルや薬物依存と同じで、自力で抜け出すのは困難だと筆者は力説する。
    加害者家族の心情、冤罪についても書かれており、特に冤罪については、改めて考えさせられた。

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