この地獄を生きるのだ うつ病、生活保護。死ねなかった私が「再生」するまで。

著者 :
  • イースト・プレス
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本棚登録 : 244
レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781616087

感想・レビュー・書評

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  • 辛い経験がクリアに言語化されていて驚き、圧倒される。文章で書かれた内容以上に、筆致もまたそのときの心を雄弁に語っている。感情がこもっているのに、生活保護ならではのしんどさが整然と伝わってくる。切ない。読んでいて辛くなり、自分の置かれている環境がありがたく思われてくるようなところもある。

  • 表紙に生活保護と書かれてたので読んでみた本。かなりネガティブだった。生活保護中に大量服薬した記述を見た時、正直またかと思ったが、クリニックやデイケア施設についても知れたのが良かった。ちょっと前に『失職女子』で福祉課の対応読んで、ほぉっと思ったけど、この本ではなんかイメージ通り。福祉課やケースワーカーの対応も色々なんだね、やっぱ。最後に著者が生活保護を外れる手続きをしに役所に行った時に見た光景。違う課だったけど生活保護を受けたいと訪れた人を、出来ないと言うだけの対応。役所やなと思った。

  • 一気に読んでしまった。高校の時から精神科に行っていた、ということは若干のうつ傾向などがあったのでしょうか。それがブラック企業に勤めるまでは発病せず…しかし、人間以下に見なされる(と筆者とネット民は思っている)生活保護と、(病むか死ぬまで)休むことを許されないワープア。働く機会があって脱出できた筆者ですが、それは無理無理無理と筆者の足を引っ張り続けた病院と生活保護課。うーん…とにかく、実例は役立つと思いました。

  • 体調悪く、働けない日々が続きこの先どうするか。絶望感の中読んだ。
    生活保護について、実体験の文章から色々考えさせられる。
    捨て身にならず、できる事は、やり続けていかなくては。と思えた本でした。

  • 916

  • 失礼な話だが、落ち込んでいたときに、もっと落ち込んでいた人はどうやって立ち直ったんだろうと思って購入。

    生活保護の実態ってこんなに雑なの?っていうのが一番の驚き。
    きちんと対応しないと、回復できる人もできないと思う。

    社会と繋がっていないとダメ人間に感じたり、寂しさが一番の敵というのは同意。

    立ち直りたい人がちゃんと立ち直れる仕組みがもっと必要だと感じた。

  • 近所の知り合いに長いこと躁うつ病の息子さんがいた。いじめが原因だったようだが、詳しくは聞いたことはない。その子が何かと働きたい、働きたいっと言っていたのを思い出す。作業所がつまんない、もっとお金をもらいたいとも言っていた。作業所ではいくらもらえるの?と聞いたら、100円くらいだと言っていた。そんなこともあるのかと、これまたよくは聞かなかったけど、仕事らしい仕事ではないのだなと思った。

     この本を読んで心の病気をもつ人たちに対しての、自分を含めた世間の目、行政の手がいかに冷たいものかがわかった。

     仕事したいって言ったって、病気なんだから無理でしょ? 病気直すのが先決でしょ? と声には出さずとも自分はそう思っていた。

     違うのだ。働くことで病気を治せるのだ。

     ああ、なんでこんな簡単な、人間として当たり前な感情を、そんな気を起こすな、大人しくしてろと押さえ込もうとするのだろう。

     働かないこと=自分はダメ人間 という思考に著者は陥る。 
     誰の役にも立ってないと考え、自己承認欲求が満たされずに、こころを蝕む。

     著者はオーバードーズで自殺をはかることが度々あるのだが、どうやら自殺するつもりとかではなく、たぶん今の自分をなかったことにしたいだけ=リセットしたいだけなんだと思う。もちろん命は一度限りだし、ゲームのようにリセットはできないのだが、そこに思いが至らないほど、思い詰めてしまうだけなのだ。だから死にたいという感情とは違うと思う。

     
     働かなくてもお金がもらえるんだから、楽でいいよね。
     心ない人は生活保護の受給者に対して、そんなことを、悪意を感じることもなくさらりと言う。

     でも実際は働きたいのに、働こうとしても働かせないようにするケースワーカーやデイホーム従事者による負の力が働く。どうせ面倒を起こすに決まっているんだから、お・と・な・し・く・してろ!と頭を押さえる。

     もちろん書き手側の視線でしか眺めていないので、逆の目線から見れば反論も多いと思われるが、それにしてもこんなひどい差別意識で福祉事業に携わっている人がいるのか、と驚いた。

     著者がようやく働けるようになって、生活保護の中止を申し込んだときも、ケースワーカーは、どうせまたすぐに働けなくなるにきまっていると、勝手に決め込んで中止の申請を進めなかった(たぶん申請書類の改ざんをおこなっていた)

     今まで気にしたことはなかったけど、生活保護から抜け出すための手助けをしてくれる行政機関はないということなのかな?

     この人の経験を、運が良かったね、で済ましてはいけないと思う。

     この本は同じ病気に苦しむ人が読むというよりは、福祉従事者の人が読むべきだ。
     あなた方のちょっとした言動は、当人はさざ波のようにしか感じてないかもしれないれど、相手には津波のように襲いかかっていますよ。

  • 20171221リクエスト
    とてつもなく読んでいて辛い。
    自殺未遂は健康保険が使えず、医療費10割負担、とは知らなかった。
    なんて感想を言えばいいのか、わからない。
    でも読んでよかった。

  • 「普通に働いて、普通に生きたい」という命の叫び。朝起きて、ご飯を作って食べて仕事に行く。仕事が終わったら買い物をして帰り、ご飯を作って食べて寝る。そんな毎日を血を吐く思いで求め続ける人生の、その苦しさたるや。人間の尊厳は、当たり前の毎日の積み重ねが支えている、そう教えてくれる一冊。


    当たり前の毎日がどれほど人間としての誇りとなっているか、どれほど尊いことか。

    自分の人生にイエスと言える事がどれほどの希望をもたらしてくれるのか。このエッセイを書いたエリコさんの人生に強い衝撃を受けた。そして強く強く心を揺さぶられた。

    生活保護、それを身近に受けている人がいなければその制度も中身も知る事はない。どんな人が受けているのか、それを受けるのはなぜか。そして最近は不正受給などの悪い話しか聞かない。生活保護を受けること=働かずに暮らしていける。なんとなく得なような。けれど、それを受けることで生き延びている人がいて、それを受けることで傷つく人もいる。そういう現実を私たちはあまりにも知らなさすぎる。

    精神障害医療の圧倒的な闇の深さ。全てがそうだとは言わない。けれどここに書かれているのは決して特別なことではないだろう。たくさんの人がこの闇の中でもがいているはず。あまりにも辛いこの現実。私たちはただ、この闇から抜け出せる人が一人でも増えるように、生活保護がその一助となるように、祈るしかないのだろうか。

  • うつ病と闘う作者のセルフドキュメント。
    うつに対していかに社会が冷たいのか、うつに対する社会の精度がいかにズレているのかを身をもって体験した者だからこそ書ける迫力の作品。

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著者プロフィール

1977年生まれ。短大卒業後、エロ漫画雑誌の編集に携わるも自殺を図り退職、のちに精神障害者手帳を取得。
現在は通院を続けながら、NPO法人で事務員として働く。
ミニコミ「精神病新聞」を発行するほか、漫画家としても活動。
著書に『この地獄を生きるのだ』(イースト・プレス)、『わたしはなにも悪くない』(晶文社)がある。

「2019年 『生きながら十代に葬られ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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