ベルリンうわの空 ウンターグルンド

著者 :
  • イースト・プレス
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本棚登録 : 146
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・マンガ (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781619279

作品紹介・あらすじ

宇垣美里さん推薦!
「日常の些細な幸せを集めてぎゅっと抱きしめて見えてくるもの 豊かに生きるってきっとこういうこと」

もう「お客さん」ではないわけだし、それなりに生きるぞ~
不可思議ドイツ移住記、第2章。今回は仲間とベルリンの"地下"へ!

この街ができるだけ良い感じになるように。
「最高過ぎる」「心穏やかに寝れる」とSNSで反響ぶわり。

◎やっぱりうれしいオール2色印刷
◎書籍版限定書きおろしコラムも収録

感想・レビュー・書評

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  • 友人・知人とそれ以外の人という0か1じゃなくて、同じ地域に住んでる見ず知らずの人への0.1とか0.2の優しさがみんなに居心地の良さを生むというベルリンの街の考え方がいい。SNSで繋がってる人というのは0.3とか0.4くらいな感じかな。

  • 著者のように生きるために必要なものは「勇気」なのかもしれない.
    消費資本主義は心を貧しくしている.cf.p.95
    レジで先に入れてあげる描写 p.125 が印象的
    散々大衆を分断させておいてコロナウイルスでひとが接触できなくなるというのはとても皮肉的だ cf.p.181
    著者には素敵な仲間がいる cf. p.199
    「とにかく無理しない」p.205
    2色印刷の意味がわかった.人生の彩りを意識したい cf. p. 206.
    (p.208 のシャワーマップはパズルになってはいないのだろうか?)

  • ベルリン地下の公共スペースにシャワーとランドリーを置くことを始めたという話。登場人物のキャラクターが独特で、非現実的な世界の話なのかと錯覚するような不思議な気持ちになる。ベルリンの「あげますボックス」も日本にいるとなかなか見ない光景だけに興味深かった。

  • カフェで仲良くなった仲間たちと、空いた地下空間を借りて、ランドリーとシャワーを提供する「清潔スペース」をたちあげた香山さん。働く、余暇の他に、なにか社会に関わることをちいさいことからでも、というのを、試行錯誤しながら形にしていく展開がいいなあ、と。無理なくつづけること、というのを忘れずに。/フィンランド首相サンナ・マリンさんの「ある社会の中で、最も弱い立場に置かれた人たちがどれだけ幸せになれるかってことこそが、その社会の強さだ」というメッセージもとりあげられ。この方の言葉、もっと調べてみたいと思った/コロンビアから来たサラの好きなバンデハバイサも気になります。大きなプレートにごはん、豆の煮物がかかり、チョリソー、そぼろが乗り、目玉焼きが乗り、最後にアボカドとバナナが乗る、って。おいしそうな予感しかしない。さまざまな国、ルーツを持つ人々と会話することで知る楽しさも描かれ/世の中では、色んな怒りや嘆きや要求が表現され、封じられたり消されたりもしていて、そういうものを読者に紹介する仕事をしたい、とサラは言っていた。「この世界に起きるべきではないこと」がもし起きれば、誰が被害者でも人間全員にとっての問題だと思う。(p.161)

  • 前作はベルリン暮らしの楽しさ、面白さが伝わってきたが、こちらはもっと込み入った内容なので、はじめは読みにくいような気がしたが、読んでいくうちに、香山さんがベルリンという街に根を張って、お客さんじゃなくて住む人になったからだな、と思った。無料でシャワーと洗濯ができるスペースを仲間と作ってホームレスの支援を始めることにページが割かれている。

    ベルリンにだって問題はたくさんあるんだろうけど、この本を読むと、日本よりずっと「自分と違う人」に寛容である。同じ場所で生きる者同士、許せることは許し、助け合えることは助け合おうというのが普通になっている。日本は日本人も政府も、他者に厳しく、違いを許さない。ベルリンに比べると、本当に心が荒む。生活と言葉さえ何とかなるなら明日にでも引っ越したい。
    この本の中の言葉、日本の「普通の人」や政治家にも読んで欲しい。
    あと、フィンランドの首相サンナ・マリンさんの言葉が書かれているが、「ある社会の中で、最も弱い立場に置かれた人たちがどれだけ幸せになれるかってことこそが、その社会の強みだ」(P109)って、本当にそうだと思う。

    自分へのケアが充実していて、「日々こうありたい」と思える自分の姿で堂々と暮らすことができていれば、困っている人の生活の充実も自然と願えるような気がする。逆に、栄養や睡眠が不足していたり、理不尽や圧の強い環境で不服に生きていると、他人に対しても「自分だってつらいんだからできるだけ我慢しろ」というような気持ちになるかもしれない。(P80)

    「この世界に起きるべきではないこと」が、もし起きれば、誰が被害者でも人間全員にとっての問題だと思う。
    自分は自分として生まれ育ち、自分の主観しか持っていない。
    世の中にある苦しみや痛みのほとんどを、自分は感じることができない。
    だけど、それが生じる仕組みや、当事者の人生への影響を知ることはできる。
    「自分以外」への理解や想像をやっていく時間的・精神的余裕は多くはないけど、それぞれの人が限られた余裕を使って、理解や想像の範囲をすこしずつでも広げることによって分断や切り捨て、疎外などをましにできるかもしれない。(P161-163)

    人間の中には他人同士で助け合わずに各自でなんとかすべきだって考えもあるけど‥‥切り捨てられる人を減らそうとする社会に住んでいたい。(P181)

    人は誰でも運によって様々な生まれ育ちを背負うが、自然の摂理として「わりと標準」「まあまあ」な人が多い。偏差値で言うと例えば35~65に収まるのが全体の85%、35以下と65以上の人は7%ずつしかいない、みたいなイメージだ。だから85%の人が「運も人生。受け入れて努力するしかない」と自分たちの感覚だけで社会全体の雰囲気を決めてしまうと、7%の人が追い詰められる。(P186)

  • 前巻同様非常に面白かった。面白かったんだけど、今生きてる日本がひどく窮屈で、辛い気持ちになった。

     私の住んでる高円寺には「青空文庫」って交換書棚的なもんがあって、それが街の誇りでもあるんだけど、ベルリンではそれは普通。そう読める。高円寺は日本で一番ベルリンに近いと思うが、それでも市場主義にすり潰されてるんだなぁと再認識させられた。

    「ご自由にお持ちください」は店の都落ちに伴う文化なので、その意味でも辛い。ぼくは欠けたのを継いだ茶碗とかが好きなので、そういうのがあったら貰って帰るえる。

    「こんなに手のかかったこんなに上質なげーじゅつに、こんなに安く触れられることに感動した」地震ちょい前までは、東京でもたくさんあったけど、なんかここ5年くらいで壊滅的に減った気がする。

     戦前戦後80年くらい似たような歴史をたどって、どうしてこんなところに差があるのか。強いていうと、ソ連崩壊以降、アメリカの軛からどれだけ離れられたかが大きいきがする。あのころは「このままアメリカについてっていいの?」って話しもあったけど、今は「このままトランプについていっていいの?」とすら言わなくなった気が。

     この本は、実はある種の教科書なので、逆に専攻シてる人にしか理解できないんじゃないかと、さらにドヨンと。

  • "きれいなほうが堂々とできるとか、
    姿勢をよくしてたほうがいいとか、
    そりゃそうだろって感じなんだよね
    わかってても
    こうなっちゃう状態だから
    こうなっちゃってるわけで"(p.102)


    "ゆとりとか「大切に思われてるな」って感じたりするの、健康と同じように大事だよ"(p.142)

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著者プロフィール

漫画家。ベルリン在住。
『香山哲のファウスト1』が2013年に第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査員推薦作品に入選。『心のクウェート』がアングレーム国際漫画祭オルタナティブ部門ノミネート。
そのほかの著書に『ベルリンうわの空』(イースト・プレス)などがある。

「2020年 『ベルリンうわの空 ウンターグルンド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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