ベルリンうわの空 ウンターグルンド

著者 :
  • イースト・プレス
4.36
  • (36)
  • (27)
  • (10)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 433
感想 : 22
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781619279

作品紹介・あらすじ

宇垣美里さん推薦!
「日常の些細な幸せを集めてぎゅっと抱きしめて見えてくるもの 豊かに生きるってきっとこういうこと」

もう「お客さん」ではないわけだし、それなりに生きるぞ~
不可思議ドイツ移住記、第2章。今回は仲間とベルリンの"地下"へ!

この街ができるだけ良い感じになるように。
「最高過ぎる」「心穏やかに寝れる」とSNSで反響ぶわり。

◎やっぱりうれしいオール2色印刷
◎書籍版限定書きおろしコラムも収録

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 以前、「好きにお持ち帰りください」とメモが添えられた紙袋を拾ったことがある。古本がぎっしりと詰まった袋を胸に抱えながら(あまりの重量で紐が切れたのだ)、ぽくぽく歩いて帰途に就いた。見も知らぬ誰かに自分が要らなくなったものを贈る。金銭も愛情も介さない繋がり方に接し、ひどくハッとしたのを憶えている。それは、要らないものは工場や古物商に渡され、金銭が中心を占めるサイクルに還元されるものだとどこかで信じきっていたからだろう。それをしたって自分はなんにもならないことを選択肢の一ツとして持てる余裕に感銘を受けた。
    ベルリンはそういう細やかな交流のある都市、本作の表現を借りれば「「1か0」ではなく、0.1とか0.2がたくさん」交わされている都市だとよくよく伝わってくる。大義や目的を殊更に掲げずとも芽を吹くことのできる行為が、消えかかっている気配に届く。私が誰であるか(たとえば前面に押し出した「弱者」)を獲得したり設定しなくても生きていける。「専門」にその対応を投げ出し、自分は「0」を極め込むというような冷淡な関わりも多少あるにせよ、でも微かに、同じ都市に生きる人びとの気遣いも感じる。気遣いがある程度文化として普及しているから、受け取る側にも重く受け取られない。無理をしない方法がいくつも展けている。
    そんな場所に住まえるって、いいな。行きたいなベルリン。

  • 全巻と比べ、社会問題や人間関係などについて取り上げられて、話が深くなった感じ。

    日本とは違う雰囲気が強烈に分かりやすく描かれてておもしろい

  • わたしも香山さん作品の登場人物のモンスターになりたい。。みんな一人一人違った異形の生き物なのにね、差別や分断はバカらしいよ。

    香山さんの文章と絵は触れると本当に勉強になるし、示唆に富んでいる。

  • 続編。
    ベルリンでの活動、興味深くこの先もまた発信して欲しいですね。

    移動が簡単にできなくなった今、地域でじっくり取り組める良い機会がやってきたと思っています。
    とはいえ、何が出来るのか模索中。

  • 両方続けて読んで、香山哲さんのコラム読めて良かった!
    思い描いていたベルリンとちょっと違うところもあった。わりと道とか汚いんやなーとかそういう驚きはあった。ドイツってきちんとしてそうなイメージだったから。でも街自体が基本的にやさしい。香山さんのまわりのひとたちはみんな何かしら苦労してたりするけど、ささえあったりが自然でやさしい世界やねんなー羨ましいなーと思う。ベルリン行ってみたいな。ドイツ語って難しそうだけど。全く知らないから。でも観光してみたい。確認したい。

  • ・「あげます」ボックスは、兄弟の住んでいるベルギーでもよく見かけるそう。 ・人間の尊厳みたいなところについての勉強をもう少ししていきたいなと思った。 ・自分のことを、まず自分が「大切に扱うべき生命」「幸せに生きていくべき貴重な存在」と認識できるところからスタートしなければ、いろいろな可能性が広がって行きにくい。  自分へのケアが充実していて、「日々こうありたい」と思える自分の姿で堂々と暮らすことができていれば、困っている人の生活の充実も自然と願えるような気がする。だから僕は、自分を大切にしていきたい。

  • 一作目より、社会を良くするための、より具体的な提案が多く含まれていて、日本に住みながら、どうにかこうしたことを実現できないものか、と、思いながら読んだ。
    たくさんの人に読まれて同じ思いの人が少しずつでも増えていくことを祈る!

  • 新しい価値観や感覚に出会えて、勉強になった。

    以前ドイツのお隣さんチェコに留学してたので、あーそんなことあったな、そんなもの見かけたなって思い出すきっかけになった。

    貧困などの社会課題への向き合い方について、様々な素敵な考え方が発見出来て、これからの自分のスタンスに生かせそう。
    著者とその友人たちの優しい考え方見習いたい。

  • 前作に引き続き素晴らしいです。おすすめです。

  • 社会問題…
    人間関係…

    私こんなに真剣に生きてるかな?

全22件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1982年兵庫県生まれ。漫画家、イラストレーター、ゲームクリエイター、ライター。信州大学理学部生物科学科卒、神戸大学大学院医学系研究科中退。2017年、フランス・アングレーム国際漫画祭オルタナティブ部門ノミネート。『ベルリンうわの空』(プリント版はイースト・プレスより刊行)にて第24回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品に入選。ドイツ、ベルリン在住。

「2022年 『香山哲のプロジェクト発酵記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

香山哲の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×