視点という教養(リベラルアーツ) 世界の見方が変わる7つの対話
- イースト・プレス (2022年6月18日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
- / ISBN・EAN: 9784781620947
感想・レビュー・書評
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歴史マニアにして、歴史を楽しく学ぶ coten radio のパーソナリティーである深井さんと野村さんが進める対談集。物理学、宗教、教育学など、さまざまな分野のエキスパートと語り合うもの。さまざまな分野の学問や知識を駆使し、新たな価値に気付いたり、創造したりするための手段として、「視点」というスキルは最大限活用したいもの。例えば、「理解する」ということは物理学では予測できたら、数学では分類できたら、工学では実装できたら「理解した」という。一方、経済や宗教や巨育ではどうなの、など考えると楽しい。右目と左目の両方で見ることで奥行きというボーナスを得ることができる」。視点って、面白い。これを磨くにはどうしたらよいか、引き続き考えてみようと思う。
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最近深井さんの話に興味がわき、購入。
文化人類学、歴史学、宗教学、教育学が面白かった。
仏教学は難しい…理解が及びません…
思考OSのアップデート、アップグレードの考え方が面白い。パラダイムとも言うのかな?
宗教的な考え(聖書)
→革命(人権)
→国家のための幸福
→人権
という流れ
自由と平等、というのがテーマになっている時代なのはわかる。
必ず情報伝達技術の発達がある。
道路の整備、印刷機の発達(宗教改革)、電気蒸気機関、電信、そしてインターネット
文化人類学
参与観察、エスノグラフィー
歴史学
史料を読み解く。隙間は想像力。
当時の価値観、時代背景、その人の考え方を想像。
個人的に
文化人類学が空間的な異文化理解
歴史学は時間的な異文化理解という感じがした。
横と縦。
どちらにしろ想像する、考えることが大事。
同じ日本の会社という集団でも使える考え方。
相互理解。
宗教学
ユダヤの融通のきかなさに反発したイエス・キリストの処刑。
聖書の解釈、取り入れ度の深さは人それぞれ。
ただし宗教改革が起きたのは民衆が聖書をよめるようになったから。
カトリックは教会と国がズブズブ。
プロテスタントはより合理的。
教育学
センター試験
ミスをしない、ミスを見つけるのが従来の試験。
しかしそういった人材は機械に取って代わられる。
探究科の誕生。
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難しいけど面白い。
中でも仏教学と脳科学が面白かった。
仏教は心の中にもう仏を置くことで無心になるという考え方。
宗教関連は精神論だと思われがちですが実は非常に論理的でなるほどと思わずにいられませんでした。
脳科学では、世界を作っているのは自分自身であり脳である。つまり脳を知れば世界を知ることのできる可能性があるという論がおもしろかった。
感情の仕組みを脳科学から知ることができるとは考えておらずこちらも初耳が多く大変面白かった。
この本ではさまざまな学問に触れることでメタ認知を広げようという意図があるが、素直に知らないことを知ることができるいい本だと思った。 -
思考OSのアップデート、物事を多面的に捉える視点を養う。
◯思考OSの変遷
・紀元前6〜4世紀(鉄の利用による農業の余剰生産)
→「生きるとは何か」「人間とは何か」の問い
・4世紀(キリスト教)
→「神が世界や人間をつくった」「聖書に書いてあることが正しい」
・18世紀後半(宗教革命→ルネサンス→フランス革命)
→「国家のために人民が頑張るOS」
・二度の世界大戦
→人権OS
・現在
→誰もが世界に対して好奇心を持って生きてい良い、人類初の時代、インターネットの発達により誰もが発信できる時代
◯物理学
・学問による「理解」の違い
数学:分類できた
物理学:予測できた
工学:実現できた
社会学:共感できた?
・ビジネスモデル、因果関係の予測への応用
→慣習、規制等は予測できない、知識が必要
・高温超伝導による抵抗ゼロの電線
・トポロジカル物質(異常ネルンスト効果)による熱の電気変換
◯文化人類学
・参与観察とエスノグラフィー
・自らの社会を常識とせず異なる系譜を理解。一歩引いた視点で社会の構造を観察
◯仏教
・唯識:あらゆるものは、個人の認識によってのみ存在している
・中観(「空」の概念):可能性があるから現前する(色即是空)、現前しているからこそ可能性を類推できる(空即是空)
→形而下だけでなく形而上の世界を意識。身体性による理解
→「私」とは「『自分以外のあらゆるもの』ではないもの」「他者が変化すれば自分も変化する」
→利他的に動くことを前提にすれば、自分が幸せになる
◯歴史学
・限られたファクトからいかに情報を引き出すか
◯宗教学(キリスト教)
・宗教的な概念が起点となる人間の理性
◯教育学(教育政策)
・卒近代
◯脳科学
・自由エネルギー原理:外の環境から得られる情報と、脳が推論することの誤差が最小になるように、脳が働くことで、見えること、動作、感情全てが説明可能 -
教養を学ぶことで、自分の視点やものの考え方が増える。知識だけではない。
面白かった!折に触れてまた読んでもいいかも。 -
リベラルアーツ(教養)は人間が「自由人」として生きるための学芸(文法、修辞学、弁証法、算術、幾何学、天文学、音楽の自由7科)。本書で紹介する学問分野は、物理学、文化人類学、仏教学、歴史学、宗教学、教育学、脳科学の7つ。今は価値観が多様化し、一人ひとりが生き方を自分で選ぶ時代。自由な反面、選択する価値観を自分で見定めなくてはならず、難易度は高い。教養により視点が増え、人生のオプションが増え、決断ができ、混乱から抜け出すことができるようになれる。中でも仏教学(東洋哲学)は面白かった。
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「個人が生き方を主体的に選ばなければならない」というメッセージにとても共感した。ただし、そのためには「自分の好きなことを自分で決められる力」が必要であるし、「自分の好きなことを特定する」ためには、著者が言うような観点が必要だし、その観点を増やすための好奇心がその原動力になるということが本質だろうと感じた。
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多くの視点があったほうがいいのは分かるが、あまりおもしろくなかった。
もっと幅広い視点を持とうぜ!っていう意識高い系の男グループの自己満足という感じ。内容が散らかっていて、自己満足感・自意識が強い印象。男の内輪の盛り上がりを間違って覗いてしまったような残念な印象。
逆に、例えば、同様に広い観点でものごとを見よ、という佐藤優の「危険な読書」は、著者自身が読んだ本を、なぜそれを読むべきなのかという解説をつけて紹介している。内容がバラエティーに冨みたつも筋が通っているし、紹介された本を読むことによって、読者はさらに知見を深めることができる。著者を尊敬できるので、内容も信じられる。
ま、わたしは想定読者外なのだろう。
物理学者の、わからないことが面白い、わかっていることはおもしろくない、という言葉が至言。
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主体的に生きるためのヒントを与えてくれるのが、教養であるとのこと。
主体的に人生を歩みたい私にとって、そのきっかけになれば良いと思い、読み進めた。
本書は7つの視点を、専門家からいただくという、なんとも贅沢な1冊だ。
歴史学は現存している資料が、どういう立場の人物が書いたのかによって、事実が変わってくる。なるほどなぁと。恥ずかしながら、その視点はなかった。事実と事実の行間を読む力は、歴史学より、国語力だという。確かにそうだ。ひとつのことを学ぶにも、いろんな力や柔軟な視点が必要だと改めて学んだ。
宗教学の神から与えるれた理性の話や、神の前では平等だという視点や、教育学の受験改革の話、脳科学の自分の考え方を変えることより、体調を整えることの大切さと瞑想の可能性にも興味を持った。
もっともっと知りたいことが増えた。
本書が書かれた目的は私の中で達成されたのだと思う。 -
様々な学問の分野の第一人者と、コテンラジオ深井さん、野村さんの三者での対談形式。これまで、苦手な分野を改めて知ろうなんて思わなかったが、この本を読んで初めて腑に落ちる感じを味わった。
理解するのが難しく読み返してやっと理解した部分もあったが、読み終えた時後、物事の見方がより柔軟に、多面的に見れるようになったと感じることができた。続編も読みたい。
著者プロフィール
深井龍之介の作品





