- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784781621111
作品紹介・あらすじ
「死んだ人のことはちゃんと可哀想にしてあげなきゃ駄目でしょう。」
一度読んだら引き返せない、怪異が侵食する恐怖のネット怪談。
雨穴氏(『変な家』著) 推薦!!
インターネット上に伝わる多くの怪談。
その中に何故か特定の「あの子」が被害にあう奇妙な怪談が出回っていた。
とある掲示板のQRコード、インタビューの書き起こし、出典不明な心霊写真、匿名のメールデータ。
筆者がこれまでに収集した情報をもとに怪談を読み解く、読者参加型のホラーモキュメンタリー。
一見バラバラに見える情報から、浮かび上がってくる「ネット怪談の裏側の物語」とは。
【雨穴氏コメント】
この本を読み終えたあと、まったく読み終えた気がしませんでした。
かつてその場に自分が居合わせたのではないかと錯覚するほどリアルで気味の悪い映像が
文章を通じて、目の数センチ先に突き付けられるような不快感。
確実に何かが繋がっているのに、完全には説明されないもやもや。
まるで奇書を読んでいる気分でした。
ただ同時に、この感覚に懐かしさを覚えました。
ある時点で気づきました。子供の頃に、インターネットを見ていたときの気分と同じなのです。
閉鎖的で、情報が少なくて、画像と文字と粗末な動画しかなかった昔のインターネット。
私は、個人の書き込んだ体験談や創作、とりとめのない雑談などを読み漁っていました。
それらは、書き手の呼吸が聞こえそうなほど身近に感じられ、しかし、書かれている以上のことは何も分からない。
それ以上を知ろうとすれば、ディスプレイの向こう側を想像するしかない。この本の読み心地は、まさにそれに近いものがありました。
「ネットを読み終える」などということが不可能なように、きっとこの本を読み終えることは、一生できないのでしょう。
私は近いうちにまた、読み返そうと思います。そして、想像します。
この本が日本全国に出回れば、手に取った人の数だけ想像が生まれるでしょう。
そして『あの子』は……。
――「もうやり直せないよ 残念でした」
感想・レビュー・書評
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筆者がこれまでに収集した情報をもとに怪談を読み解く、読者参加型ホラーモキュメンタリー。
あ~怖かった…だけど詳しく知りたくて即ネットの考察読んだらさらに怖くなった…
チ━━( ꒪⌓꒪)━━ン・・・詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最終章までの話は良いホラーでした。読んでいると1人の女性の像がチラついてきて、モキュメンタリー特有の各章の繋がりを感じたときの恐怖はよかったです。
最終章はそれまでの内容と変わったテイストの文体になります。説明的でくどく感じるので、なんか読むの飽きてきたな〜と読むのを辞めそうになった瞬間、壁を越えてきて巻き込まれました。頭が混乱してきます。 -
書き方が好き。
説明している文は同じところをぐるぐる回る。
心の気持ちを表しているような文章が好きだし、この本はそうだった。
最後の章がいまひとつしっくり来なかったのは説明が届かなかったからかも。
表紙のカバー写真が心霊写真だったってことか。
怖さというよりは面白さが強い作品でした。
呪いの物語。
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なんてことをしてくれたんだ
という感想 -
ネット上に拡散されている怖い話と、それに対するSNSの書き込みやオカルト掲示板の書き込みの引用でほぼ構成されている物語。冒頭のQRコード読み込んだらX(Twitter)のポスト画面が出てきたりして、面白い仕掛け。なんか新時代の小説だなぁって思いました。
ひとつひとつの話はネット上にある不気味な話、という感じで面白く読んだのですが、最後の方どんどん意味がわからなくなってきて、意味わからないまま物語の中に引きずり込まれるような不快感がすごかった。ただただこの意味不明な世界から抜け出したくて最後まで読み切ったという感じ。
平成のオタクの黒歴史を追体験させられているようで物語と関係ないところで心が死にました。 -
怖がりたくて買ったが、怖がるために結構段階が必要なタイプの本だった。
しかしこういう悪趣味さとか、地の文でああいうことしてくるのはなかなか好み。
にしても構造が複雑すぎるな。 -
明らかに理解が及んでいないのに関わらず、本能的にゾクゾクしてしまうし、生理的に拒否してしまう。なんて見事な構成力と文章力。最新作『6』も今すぐ注文したいと思いますし、同ジャンルっぽい某作品も読んでみたい。あぁ、今から電気を消して寝るのか。果たして寝られるのか。