「東洋の魔女」論 (イースト新書)

著者 :
  • イースト・プレス
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レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781650098

作品紹介・あらすじ

一九六四年一〇月二三日、視聴率六六・八%を稼ぎ出すほどの国民が見守る中、金メダルを獲得した「東洋の魔女」。彼女たちが在籍した繊維工場は、当時多くの女性が従事した日本の基幹産業であり、戦前には『女工哀史』に象徴されるような非惨な労働環境も抱えていたが、そこでバレーボールが行われたことの意味するものは何か。そして「東洋の魔女」が「主婦」を渇望したことの意味するものは何か。「レクリエーション」という思想からバレーボールが発明され、日本の繊維工場から「東洋の魔女」が誕生したことの歴史性を考察する。

感想・レビュー・書評

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  • 読了。

  • 原稿作成のために読んだが,東洋の魔女については3割ほどしか紙面を割かれていない。選手たちの練習時間が書いてあったのはありがたかった。

  • ジェンダーと階級制から現代までの労働の変化が、東洋の魔女を通してわかる。

  • 「女工に負けて口惜しいか」
    東京オリンピックにて、いち企業チームである日紡貝塚バレーチームが東洋の魔女と呼ばれ金メダル獲得してしまった。よくよく考えれば、おかしな現象を軸に工場レクリエーションとしてのバレーボールを掘り下げた面白い本でした。
    工場が福利厚生活動としてレクリエーションに、ものすごく力を注いでいる姿は21世紀に就職した自分としては、ちょっと想像できない感じであります。労働者にひたすら冷たい昔の製造業のイメージと合わない。。。
    ただ、選手の生理痛を認めず、盲腸だって勝手に切っちゃう監督(昼の顔は庶務課長)のエピソードは、イルな感じというか、労使関係において使用者の圧倒的強さを窺い知れます。

  • オリンピック東京招致活動に便乗したスポーツトリビアものかと思ったらさにあらず、戦後復興から経済成長へ邁進する当時の日本におけるスポーツを触媒とした企業文化・社会論である。死語化しつつある「レクリエーション」に関する第一部の論考は引用が多くてとっつきにくいが、時代の熱い息吹が伝わる一冊。

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プロフィール

1973年福岡県生まれ。社会学者

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