ノンフィクションは死なない (イースト新書) (イースト新書 32)

著者 :
  • イースト・プレス
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本棚登録 : 34
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781650326

作品紹介・あらすじ

二〇一二年一〇月一九日、「週刊朝日」の連載が初回で打ち切りという異常な事態となった。絶大なる人気を誇り、権勢を振るっていた大阪市長・橋下徹の人物像を通して、当時の未曽有の政治的停滞状況と、言論の置かれた危機的状況を伝えたいという思いからスタートした連載だったが、その裏側では何が起こっていたのか。また、なぜ同じタイミングで当時の東京都知事・猪瀬直樹は、「盗用問題」を暴露したのか。このジャーナリズムの現状にどう立ち向かうべきか。渦中のノンフィクション作家が重い口を開き、すべての疑問に答える。

感想・レビュー・書評

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  • ノンフィクションルポライターの佐野眞一による一冊。

    彼の経歴は全然知らなかったが、この本を呼んで彼の著書を呼んでみたいと思った。
    ただ、最後の盗作騒動の弁明は若干見苦しく感じた。

  • 勤めてる出版社がジャーナリズム系なので、こういう「好きだけどいままで避けてきた本」にも手を出してみないと、と思って読んでみた。
    いや、ノンフィクションの分野でここまでの立ち位置を築くって、やはりすごい。「誰も言わないけど、大切なこと」を伝えているように思う。少しずつ、こういう本にも触れていきたい。まず、もっと読む時間をつくらないと。

  • 週刊朝日に掲載された『ハシシタ・奴の本性』が問題視されていた頃、猪瀬直樹が佐野眞一についてツイート( Togetterリンク:http://bit.ly/1BsexDw )したことがきっかけで佐野の盗用・剽窃が次々と暴かれ、その証左をまとめた本 『 ノンフィクションの「巨人」佐野眞一が殺したジャーナリズム( Amazonリンク:http://amzn.to/1LlYwub )』 が出版される事態となった。

    本書には、ハシシタ問題と盗用・剽窃問題に関する佐野眞一の言い分が書いてあるのだが、問題から2年も経ってようやく語った言い分がコレか……と呆れてしまった。



    佐野眞一が言いたかったことは、とてもとてもわかりやすい。

    (以下、ネタバレ)


    【ハシシタ問題】
    ・橋下には全然興味がなかった。だってアイツ、小物だもん。
    ・それでも橋下について書いたのは、週刊朝日が書け書け言ってきたから。あと、小物なのにメディアにやたら持ち上げられてたから化けの皮を剥いでやろうと思って。
    ・『ハシシタ』には確かに彼の人格や出身地への偏見も差別もあったけど、私は差別主義者ではありません。
    ・出自を調べるのはノンフィクションの基本です!なぜなら生まれや育ちで人格は形成されるからです!
    ・コレがきっかけで賞の選考委員も辞めたし、ノンフィクションの連載も休載したし、体調崩して二回入院したし、眠れないし、自殺する自分を想像したし、結構大変だったんだよ、こっちも。

    【盗作問題】
    ・盗作問題は、大半が言いがかり。
    ・そもそも!丸写し=盗作、コピペ=パクリです!私は参考文献にインスパイアーされて書いて、逐一出典を明記してなかったってだけなので、盗作でもパクリでもありません!出典は連載の最後とか単行本になってから明記しようと思ってたし。
    ・書き手が違ったって、同じ人の証言は同じ文章になるし、同じ場所に行けば同じ描写になるでしょ。当然でしょ。
    ・この本を書き終えるまで全然知らなかったけど、盗作疑惑って猪瀬直樹が言いだしっぺなんだね。なーんだ、猪瀬とはむかし仕事仲間だったんだけどなー。ま、でも、猪瀬も金の問題で無様な言い訳して見事に凋落したよね!

    【ノンフィクション・ノベル】
    ・すごく売れた百田尚樹の『永遠の0』とか『海賊とよばれた男』とか真山仁の『ハゲタカ』とかって、取材しなくても書けるよね。資料読むだけで書けるよね!
    ・取材しなくていいのなら書くのにあんまお金かかんないし、ノンフィクションより簡単で時間もかからないし、映画化されたりして部数も見込めるよね!
    ・でも、それってノンフィクションじゃなくてあくまで「創作」だよね!作者の「想像」だよね!
    ・編集者には書いてって言われるけど、私はそんな後世の資料にならないモンは絶対に書きません。
    ・私は本当のノンフィクションを書きます。制約があって取材が難しい時は、「私の想像」だと前置きしてでもノンフィクションを書きます!

    (ネタバレ終わり)


    2年経っても尚こんなツッコミどころ満載な話しか書けないのなら、「ノンフィクションの巨人」はもういないと思うんだが。

  • 2015/1/7

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著者プロフィール

1947年東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。編集者、業界紙勤務を経てノンフィクション作家となる。1997年、民俗学者宮本常一と渋沢敬三の生涯を描いた『旅する巨人』(文藝春秋)で第28回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。2009年、『甘粕正彦乱心の曠野』(新潮社)で第31回講談社ノンフィクション賞を受賞。

「2014年 『津波と原発』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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