鉄道王たちの近現代史 (イースト新書) (イースト新書 34)

著者 :
  • イースト・プレス
3.74
  • (3)
  • (12)
  • (7)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 110
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781650340

作品紹介・あらすじ

二一世紀の日本でスケールの大きな経営者といえば、坂本龍馬を尊敬し、つねに「この国のかたち」の変革を目指して経営を続けるソフトバンク社長の孫正義が知られている。明治から昭和戦前の日本でも、孫に負けずとも劣らない経営者たちが、日本を世界に通用する国に変革すべく縞を削っていた。現在の日本人が当たり前のように享受している電力やエンタテインメント、インフラと、憩いを提供する観光地のほとんどは、「鉄道王」たちの周到な経営戦略によってつくられたものだった。彼らの悪戦苦闘の物語をひもとく。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 国家事業として始まったが、お金がなく私鉄が出来、さらに国が買い上げ、私鉄の努力でデパートや沿線の住宅開発、リゾート開発がされた歴史が綺麗に整理されている。

  • 鉄道王たちの近現代史

  • 今年読んだ新書では一番おもしろかったです。よく知らない分野の歴史はちょっと読みづらいこともありますが、ところどころで知っている人物、建物、出来事が登場し、その関係がわかると「へえ~」と誰かに話をしたくなります。

  • 事業家の功績がよく分かる。鉄道史は面白い。満足度7

  • 近代日本の発展と鉄道は切り離せない。そんな近代日本を創りあげた鉄道王たちの物語。単なる企業家ではなく、信念をもって街を創る、施設を創る。地方都市では車の文化となってしまい、駅前よりも栄えるイオンモール、みたいな世界もあるが、都市部においてはまだまだ駅前文化が続くのだろう。

  • 鉄道がまだベンチャーだった頃の経営者は、着想力、行動力ともに凄いなぁとあらためて実感。池袋西武が元々京急資本だったとか(今やセブン&アイ・ホールディングスの百貨店だけど)、ウンチクも満載。

  • 阪急の開祖小林一三氏をはじめ、鉄道経営と宅地開発などの周辺事業が、相乗効果を狙って進んでいく様子が、一つ一つの事について細かくはないものの、多くの事例を関連付けて、読みやすく書かれていました。

  • <目次>
    第1章  鉄道王がつくった「この国のかたち」
    第2章  鉄道と原発
    第3章  鉄道と都市計画
    第4章  鉄道と百貨店
    第5章  鉄道とリゾート
    第6章  鉄道と地方開発
    第7章  鉄道とエンタテインメント
    第8章  鉄道と旅行ビジネス

    <内容>
    タイトルは「鉄道王たちの…」であるが、内容は鉄道から見た日本近現代史である。鉄道王は主ではなく従となっている書き方である。それは章立てを見てもらえればわかる。ただ、その内容は鉄道を切り口に日本の近現代史をコンパクトにまとめたもので、わかりやすく面白いものだった(歴史好き、鉄道好きだからか?)。
    一般に言われている鉄道をひくことで、さまざまな経済効果があるのだが、鉄道王たちは意図的に経済効果を(つまり自社の収入増を)狙って、都市開発・百貨店・リゾート開発・エンタテインメント(甲子園の話をもっと掘り下げてもらいたかった)などをしていったのだが、その辺を上手くまとめてくれたと思う。

  • 「今後も鉄道業界には新しいビジネスモデルが生まれることだろう。それは国家を動かし、そして私たちの生活も変える力を持っているに違いない」

     少子高齢化にも言及し、鉄道業界の縮小化は避けられないことを述べながらも、本書はこのように締めくくられる。

     それは作者が鉄道の力を信じているからで、この言葉の実現を奮起させることが作者の望みなのだろう。


     日本における鉄道の歴史は140年を超える。

     現在までの鉄道網の発展には、当然だが始まりがある。

     鉄道は国家の根幹をなし、そして鉄道事業のビジネスモデルは多様化してきた。

     明治時代、大正時代、そして昭和に入ってからの鉄道人について筆者が語る。


     少子高齢化、モータリゼーション、鉄道への様々な逆境はあれど、交通手段は絶対に失ってはいけないのだと、強く思う。

全10件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1977年、静岡県静岡市生まれ。行政誌編集者を経て、フリーランスライター。旅、鉄道、地方自治などが専門分野。著書に『鉄道王たちの近現代史』(イースト新書)、『封印された鉄道史』、『封印された東京の謎』(以上、彩図社)、『都電跡を歩く』(祥伝社新書)、『踏切天国』、『路面電車で広がる鉄の世界』(以上、秀和システム)、『全国私鉄特急の旅』(平凡社新書)、『政治家になっちゃった人たち』(総和社)、編著に『日本全国路面電車の旅』(平凡社新書)などがある。

「2020年 『歴史から消された 禁断の鉄道史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小川裕夫の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×