埼玉化する日本 (イースト新書) (イースト新書 42)
- イースト・プレス (2014年12月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784781650425
作品紹介・あらすじ
埼玉には「何もない」。たいした観光地もなく、のっぺらぼうな郊外と、ありがちな風景が広がるファスト風土…。しかし、埼玉には三大ショッピングモールがある。また、ショッピングモールにはないような東京の高感度ショップにも、簡単にアクセスできる位置にある。つまり、マス消費も高感度消費も手に入れられる理想の地方であり、普通の人が心地良く無理なく暮らせる装置と環境が揃っているのだ。ちょっといい、ちょうどいい、それが埼玉。埼玉から見える日本の消費の行方を、埼玉在住の著者が愛と毒舌たっぷりに考察した一冊。
感想・レビュー・書評
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1969年生まれ、中沢明子さん「埼玉化する日本」、2014.12発行。東京生まれ東京育ちの著者が、埼玉のマンハッタンw川口に引っ越し、今は浦和に在住、埼玉県民として嬉しいです。次はきっと大宮でしょう(^-^) 本の内容は、まず埼玉のモール御三家の説明です。越谷レイクタウン、新三郷ららぽーと、美園イオンモール。次にエキュート第1号の大宮、エキナカさえもモール化。庶民の懐にやさしいしまむらや安楽亭にも言及されています。でも、読み終わっても埼玉化の概念はわかったようで、わからなかったですw。
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「埼玉化する日本」というより「さいたま(市)化する日本」、もっと広くいえば「郊外化する日本」と表現するのが正しいでしょう。
良くも悪くも、ここに書かれた多くの事象は郊外モデルに当てはまります。
もし筆者がさいたま市でなく千葉市にいたら「千葉化する日本」になっていただろうし、横浜市にいたら「神奈川化する日本」になっていたと思われます。
ただ、東京23区内で生まれ育ち、点在したエリア間で選択的なショッピングカルチャーを経験してきた筆者の視点には独特なものがあります。私の近所にある某イオンモールで、TDLかのごとく衝撃を受けて市内に移住してしまった人は初めて見ました。
おそらくどの国にも主要エリアを離れればこのような大きなショッピングモールはあると思うのですが、そのような場所にすら通うことがなかったのではないかと思うくらい尖った感性で綴られており、それが逆に新鮮に写りました。
どこか鼻持ちならない、小馬鹿にされたようにも感じますが、この作品に関してはそれらは皮肉というより、本当に何も知らなかった人が純粋に真面目に書いたという感じがあります。
筆者のような境遇がなければ書けなかったという点で、ある意味での珍しさはあるかもしれません。 -
社会
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"「自称高感度人間」のスイーツさんが「敢えて」埼玉に住んでみたところ「埼玉も意外と悪くないじゃん」と上から目線で語っている"というアマゾン書評掲載の一言に尽きる。ついでに書けば本書を読む限り、本書著者は別に高感度でもない。評者は中野、成城で育ち青山の高校にかよったという著者と似たような育ち方をしている。その経験から言わせて頂ければ、生まれ育った場所と感度は関係ない。
小中高と同級生を「感度低いなぁ」と思ってきたし、感度高い人とその出身地に直接的な相関性はないように思う。
本書はいわゆる「ファスト風土」化する日本の(郊外)都市を十把一絡げに語っているだけで、マイルドヤンキー論と同じくらいかそれ以上に乱暴な論旨だ。
ショッピングモール(的なもの)に都市が変容していったのは、不景気などで個人に余裕がなくなり「外したくない」という意識がより強まったのと、ネット環境の整備・普及により「鉄板」的な情報へのアクセスが簡単になったことが2大要因だと評者は考える。
チェーン店や全国展開するブランドによって消費が画一化され、合理的な経営をするそれらの店がショッピングモールに集中している。これに尽きるだろう。
ただひとつだけ本書を読む中でナルホドと思ったのは池袋が住みたい街No.1にあげられるのは埼玉化(消費志向のショッピングモール化)があるからだという点。
埼玉には山はあるけれど海もないし、特筆するような歴史的建造物もない。要するに観光地ではないし、大宮や浦和にしても新宿、渋谷ほど賑わっているわけでもないから、他県から足を運ぶような土地ではない。
そういう無色な都市であるという意味での象徴としての埼玉ということなんだろうな。 -
あまり頭に入ってこなかった。というか・・・
わざわざ書籍化するような内容か? と感じた。まぁ、新書だからな。 -
埼玉には何もない。にも関わらず、人口は増えている。ということは、特筆すべきものはないが、住みやすいということだ。
確かに埼玉は住みやすい。
交通の便が良いし、スーパーやショッピングモールが多い。
さらに、一戸建てやマンションもそれほど高くない。
つまり、そこそこ都会でそこそこ田舎という、中道、中庸が埼玉の特徴だ。
そこそこの物は埼玉で買える。そして、少し足を伸ばせば、東京でハイセンスの物が買える。
地方でも、ショッピングモールでそこそこのものを買い、駅前でハイセンスのものを買う、という構造にできるはず、というのが筆者の主張だ。 -
しょぼいショッピングモールの近所に住んでる埼玉都民の一人として、頷いたり首かしげたり、耳が痛かったり。
ただ、上中下のランキングは方便ではあっても語感から抵抗がある。 -
2015/6/4 読了
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04.24.2015 読了
タイトルに惹かれて図書館で予約待ちして借りたものの、残念な感じがする。一言で言えば鼻につく。
消費に関する考察は面白いが、いたるところで「私センスいいでしょ」感がプンプンする。それこそ「高感度」な著者の独りよがりな面が多く、主観先行。一研究という視点で読むことは不可能。
そして、横文字が多く日本語でいいじゃん。と思える表現をよく目にする。