JR北海道の危機 日本からローカル線が消える日 (イースト新書)

著者 :
  • イースト・プレス
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781650913

作品紹介・あらすじ

JR九州、JR四国も「単独維持困難路線」を発表…
どこで道を誤ったのか?

公共交通機関研究の第一人者が問題の「本質」に迫る!

発足時3,176.6km→現在2,552.0km。それでも、全線の48%が単独維持困難!
打開策は、どこにあるのか?

■「地方創生」にとって、鉄道とは何か?
発足時には北海道全土を網羅していたJR北海道の路線だが、2016年末に大部分の路線が自力での維持が困難であることが発表され、札幌都市圏以外の全路線が消滅危機に瀕している。それ以前から、新型車両開発の中止と廃車分の運行本数の減便、メンテナンスの不備による脱線事故の多発など、利用者無視の経営方針が批判を集めている。そして、それは本州の過疎地帯や四国などでも起こりうる。JR四国も単独維持困難路線を発表した。JR北海道問題を起点に、日本の交通の未来、地方政策の問題について論じる。
【目次】
第一章 溶けてゆくJR北海道
第二章 JR北海道と地方消滅
第三章 国鉄がつくったローカル線問題
第四章 国鉄時代の北海道の鉄道
第五章 国鉄解体とJRグループの誕生
第六章 JR北海道が輝いていた時代
第七章 JR北海道はどこで道を誤ったのか
終章 JR北海道復活への提言

感想・レビュー・書評

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  • ■JR北海道が苦境にあることは周知の事実。その背景がなんだったのか知りたかった。
    ■国鉄民営化後、数多の誤算が続いたことは分かったが、国も北海道庁もJR北海道も他に何かできることがあったように感じる。
    ■先を見通した経営というより、列車の改良やダイヤ改正、特急のやりくりばかりなど小手先なことばかり書いてある。本当にこんなことばかりだったのか。
    ■北海道はその歴史的な成り立ちとして、国に頼りがちなところがあるが、ロシアと国境を接していること、食糧基地としての可能性など、一民間企業としての考え方には収まらない発想が必要な国家戦略的な企業だと感じているがどうだろうか。

  • 本書を読んで、JR北海道の危機は想像していたより根が深いことが分かりました。理由は2点。

    1.高速道路網と対等な競争になっていない。JRが不利。
    2.JR貨物の負担低減のため、本州のJR並にJR北海道に負担が強いられている。

    http://naokis.doorblog.jp/archives/JR_Hokkaido_Crisis.html【書評】『 JR北海道の危機 日本からローカル線が消える日』 : なおきのブログ

    <目次>
    はじめに
    第一章 溶けてゆくJR北海道
    第二章 JR北海道と地方消滅
    第三章 国鉄がつくったローカル線問題
    第四章 国鉄時代の北海道の鉄道
    第五章 国鉄解体とJRグループの誕生
    第六章 JR北海道が輝いていた時代
    第七章 JR北海道はどこで道を誤ったのか
    第八章 JR北海道復活への低減
    あとがきにかえて


    2017.10.01 新書巡回
    2017.11.12 読書開始
    2017.11.15 品川読書会で紹介する。
    2017.11.19 読了

  • 行く末が心配なJR北海道
    興味深かったです
    JR九州の「鉄客商売」と合わせて読むと余計に考えさせられるかも

  • 民営化してはいけないだろ

  • 【内容紹介】
    JR九州、JR四国も「単独維持困難路線」を発表…
    どこで道を誤ったのか?公共交通機関研究の第一人者が問題の「本質」に迫る!発足時3,176.6km→現在2,552.0km。それでも、全線の48%が単独維持困難!打開策は、どこにあるのか?

    ・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

    JR・私鉄各社が廃線の協議を始めようとすると、決まってその路線が走る自治体が反対する、というニュースをよく目にしますが、私個人としては何と愚かなことなんだろうと思ってしまいます。もちろん一鉄道ファンとしては少しでも多くのローカル線が残ってほしいですが、それはあくまで利用者が十分にいて、健全な形で残ってほしいという意味です。
    鉄道の線路・駅舎・車両・信号設備といった重厚長大な設備は、当然のことながら膨大な維持コストがかかります。バス転換すれば、必要な設備は車両と停留所看板といった最低限のものだけになるためコストが安く、しかも道路さえあれば柔軟に路線を設定できるので地域の足としても使いやすいです。定時運行性と速達性は鉄道のほうが勝りますが、メリットだらけのバス転換になぜ反対するのか、全く理解できません。バス転換=過疎化という印象があるので、それを認めたくないんですかね?それとも、バス転換→バス路線も廃止→自治体でお金をが出してバス路線を維持しなくてはならなくなる…という未来が待っているからですかね?それは鉄道に限らず、地方交通の問題を次世代に先送りしているだけだと思いますが。お金は出したくない!でも路線は維持して!というのは単なるワガママでは?
    私は小さい頃から関東地方・中部地方といった人口が多い地域で過ごしてきたので知りませんでしたが、実は地方の鉄道の経営はとっくの昔に破綻しているのです。私の地元の路線は朝夕は1時間あたり3〜4本、日中は2本走っているローカル線ですが、調べてみたところ、これはローカル線の中ではかなりマシな部類(というか、全国ベスト5に入るレベル)で、しかしそれでも赤字なのだそうです。まして1時間に1本以下の路線なんか、言うまでもありません。都市圏以外で鉄道を維持するのはもはや時代遅れなのです。悲しい現実ですが…
    この本の一番大事な結論である「JR北海道再生のカギ」について、たったの2ページしか触れられず、しかも「国の税金を維持費に回す」という、全く根本的な解決策になっていない内容しか書かれていないあたり、もう北海道の鉄道は終わりなのだなと感じてしまいました。

  • 北海道の地方のこと、鉄道の知識、どちらかに精通していないと理解するのが難しい内容です。
    もっと国を介在させて、地方のインフラを維持するという意見には賛成です。

  • [図書館]
    読了:2019/11/9

    「第六章 JR北海道が輝いていた時代」が面白い。それ以外はデータの羅列だけが多くて読み物としては退屈だった。

  • さまざまな近未来予測に手を出していますが、これは鉄道とりわけJR北海道に関する悲観的かつ危機的な予測を打ち出した一冊。
    それはそれで考えさせられますが、後半でJR北海道の路線や電車の推移を詳しすぎるほど解説してあり、この著者はきっと鉄道オタクなのだろうと思いました。

  • JR北海道の危機というタイトルですが、どちらかというと国鉄からJRにかけての北海道の鉄道史という感じです。バスも含めて事実を丹念に調べておりますが、なぜ危機に至ったのかという分析や、今後どのようにしたらいいのかという提言がもう少しあっても良いのでは?と感じました。

    事実をコンパクトにまとめているところが取り柄の本です。

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著者プロフィール

1956年、東京都江戸川区生まれ。亜細亜大学講師、一般社団法人交通環境整備ネットワーク相談役、公益事業学会、日本交通学会会員。専攻・交通政策論、日本産業論。「鉄道ジャーナル」に論考を執筆するほか、著書に『鉄道会社の経営』『新幹線の歴史』『通勤電車のはなし』『鉄道と政治』(中公新書)、『JR北海道の危機』『JR九州の光と影』(イースト新書)、『鉄道会社はどう生き残るか』(PHPビジネス新書)などがある。

「2023年 『日本のローカル線 150年全史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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