中年男ルネッサンス (イースト新書)

  • イースト・プレス
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781651118

作品紹介・あらすじ

「神童」「引きこもり」「一発屋」「一児のパパ」という起伏が激しい人生を歩んできた髭男爵・山田ルイ53世。最近は『一発屋芸人列伝』著者として「ベストセラー作家」の肩書まで加わり、芸能と文筆の二刀流で活躍中である。その山田氏のラジオ番組のヘビーリスナーで、「男性学」の第一人者が田中俊之氏。ともに1975年生まれの〈中年男〉である。

「一発屋」として中年男の生き方を模索する芸人と、社会学・男性学の視点が交差するなか、人間関係のコミュニケーション論、女性との付き合い方、仕事との向き合い方などを切り口に、中年男の生きづらさとその乗り越え方が浮き彫りになってくる対談本。



[目次]

1章 〈中年男〉がぶち当たる壁

2章 僕らの歳で友達っている?--人間関係とコミュニケーション論

3章 一発屋になぜオンナがいないのか?--女性とエロ論

4章 僕らどうやって生きていこう?--仕事と働き方論

感想・レビュー・書評

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  • 対談式の本は今まで嫌いで読まなかった。けど、これは男爵がスパッとした例えで回答してて、気分良く読めた。

  • 2019年9月読了。
    立教の中原先生のブログで紹介されていて、長らくAmazonのカートに入れてマークしていたんだけどここに来てようやく購入、1日で読みきりました(さっさと読んでおけばよかった)。男性学の社会学者・田中俊之と髭男爵の山田ルイ53世の対談形式。
    まもなく40になる紛う方なき中年の小生にピタッとハマる内容。というか「中年オジサンあるある」。自覚症状のある向きは是非ご一読下さい(何を隠そう自分がそうです)。

    36ページ
    自分では不要と思っていても、世間の期待のハードルに応えて、それなりのものを持っておかなければならないプレッシャー
    →この本では時計と財布が引き合いに出されているけど、他にも沢山ある。家、車といった大物はもちろん、カバンやらクツやらの小物まで。何もかも放擲したい気になることがしばし。まあそうもいかないんだけどさ、というジレンマ。

    52ページ
    やっぱり多くの中年男性は、「四〇代は一廉の人物であるべきだ」「ギラギラ前のめりで圧倒的存在になるのがカッコいい」というプレッシャーに縛られて、レースを降りられなくなってるんですかね。
    →学校の時にテストに四苦八苦していたことを考えると、ずーっとレースを降りていないことになると思う。レースしか知らない、というか。

    53ページ
    ライフ・サイクル論からライフ・コース論へという転換
    →人の一生は本来は個別性、固有性があるべきだと思う。勝手に生きろと他人の背中を押したいし、私にはお構いなくと言いたい。

    67ページ
    中年男性の友達付き合いは、できることの幅が少ない(中略)大体おじさんが自然と何人か集まれるシチュエーションを探すのが、難しい。もはや、集まるだけで何かの法律に引っかかるんじゃないかと。
    →笑笑。確かに新規の友達っていないなあ。それにオジサンの集団ってなんか怖い。

    70ページ
    子供を公園なんかに連れて行った時に、ママ友たちの集団に1人で入っていけないお父さん。実際はどうなんでしょう?自分の場合はなかなか勇気が要りそうだなあ。

    74ページ
    加藤秀俊『人間関係』での「つきあい」(お互いに与え合うような仲間意識を持った友達関係)と「おつきあい」(知らない人同士のうわべの関係)の違いについて。おつきあいの技術には自然と長けていくけど、つきあいが続くあるいは新たにつきあいを始めるのは、自覚的に何かしないと失敗すると思う。

    79ページ
    仕事で企業パーティーに呼んでいただくと、失礼ですがそういう怪物はいっぱいいます(笑)。お笑い芸人を見ると“挑んでくる”おじさんって意外と多いんですよ。
    →多いのか…、怖いなあ。

    80ページ
    相手の属している世界に対するリスペクトを忘れたらいけない
    →これはそう思う。自分から見れば些細な世界に感じられても、その自分の世界もまた人から見れば些細なもの。お互いに敬意を持って接したいです。

    その他にも自分自身はもちろん、身の回りのコミュニケーションスタイルを見直す示唆がたくさん。
    対談物なので軽く読めるところも◯。
    髭男爵の髭の方はこんな仕事もしているのかとちょっと関心。

  • 「オッサン」ってちょっと前までは地に足ついた生き物かと思ってたけど、案外難しいお年頃なのね、と思わせる一冊。

    近い将来、痛い「イキリオッサン」にはならないようにしようと肝に命じました。

  • 図書館で借りた本。
    著者の田中俊之氏と、芸人のひげ男爵、山田ルイ53世氏の対談を本にしたもの。
    二人とも同じ年で、40代の男性、世に言う「おじさん」たちの考えている事が浅く、深く書かれている。世のおじさんたちはみんなではないでしょうが、このようなことを考えているのかと興味深かった。考えすぎな面もありながら、複雑で深いなと思った箇所もあり、面白かった。

  • 興味深い内容なのに加え、くだけた対談形式で読みやすく一気読み。
    私自身は中年女だけど、配偶者の言動に重ね合わせて読むと「ああ、まさにこれと同じこと言ってるわ」と頷き、そして考えさせられることが多すぎ。
    この本で何度も出てくる「40過ぎにもなって~」といったことを何かと口にするし、そもそも中年女の自分でも年代に拠る焦りみたいなのがなくはない。
    小難しい学説なんかにひょいひょい話をもっていかず、日常的な思考や感覚に寄り添った展開なのも、自分にひいて考えられて良かったです。

    山田ルイの
    「そんなにイキイキとしとかなあかんかね?」
    に妙に納得。
    そう、常にイキイキとしてるなんて普通の中年には無理!
    精神的にも、もちろん体力的にも!!

  • 読了。読みやすいかなと思ったが、途中でいろいろ感情が動かさられ、時間かかった。40代の男だから面白いと感じるかもしれない。中年女のルネッサンスもあるかなと考えたが、そのよいな本は結構あるかなと思った。

  • 何者にもなれず、これ以上の盛り上がりは期待できそうもないな…と感じ始めた男性が、どうやって生きていくのか、ライトな語り口で綴られている本。

    「主役でなくてもいい」という考えは、今置かれている状況を満足してを楽しむということに繋がる。マイドフルネスではないけど、そういう考え方はここ最近のトレンドなのかもしれない。

    ところで、語り部2人は「中年男」だけど、読み手の私は独身女。30代半ばに入ろうとしていて、目下、「何者=妻、母」と考えている。(そういう考えの同年代の女性は多いはず。多分)
    でも、彼らは夫であり、父であって、女の私に置き換えれば「何者」になれている。まだまだ、男と女にとって「何者」の定義、つまり社会人としての目標の定義が違うんだなと感じた。

    男性学の田中先生に、男性社会に生きる女のルネッサンスについても話してもらえたら嬉しいなと思った。

  • 男性額の社会学者田中俊之氏とお笑い芸人の山田ルイ53世が中年男をテーマに対談したもの。

    山田ルイ53世の芸人論は面白かった。

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著者プロフィール

1975年生まれ。学習院大学・首都大学東京・聖学院大学・中央大学・武蔵大学・山梨大学・和光大学非常勤講師。博士(社会学)。専攻は社会学・男性学。共著に『不妊と男性』(青弓社)、『ソシオロジカル・スタディーズ』(世界思想社)、『揺らぐ性・変わる医療』『ジェンダーと交差する健康/身体』(ともに明石書店)など。

「2009年 『男性学の新展開』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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