たのしいプロパガンダ (イースト新書Q)

著者 :
  • イースト・プレス
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本棚登録 : 308
レビュー : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781680088

作品紹介・あらすじ

戦中につくられた戦意高揚のための勇ましい軍歌や映画は枚挙に暇ない。しかし、最も効果的なプロパガンダは、官製の押しつけではない、大衆がこぞって消費したくなる「娯楽」にこそあった。本書ではそれらを「楽しいプロパガンダ」と位置づけ、大日本帝国、ナチ・ドイツ、ソ連、中国、北朝鮮、イスラム国などの豊富な事例とともに検証する。さらに現代日本における「右傾エンタメ」「政策芸術」にも言及。画期的なプロパガンダ研究。

感想・レビュー・書評

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  • 本当に恐ろしい大衆扇動は、エンタメの顔をしてやってくるーー。

    帯に書かれたこの言葉、本書で著者が述べていることは真理だと思う。
    つまらない教義じみたものは大衆に受け入れられることはない。でもそれが楽しかったり、オシャレだったり、良質な作品であったりしたなら。
    かつそれと気づかないように巧妙に政治思想を誘導する内容がちりばめられていたら。
    私もたやすく誘導されてしまうと思う。そしてその可能性は誰にでもある。

    本著ではそんな事例を、戦時中の日本から、北朝鮮、ナチス・ドイツ、ディズニー、オウム真理教、イスラム国、宮崎駿の風立ちぬ、ガルパンといったように幅広く紹介している。ニュースで見た内容や身近なサブカルコンテンツの内容に触れているので、歴史や作品批評の読み物としても面白い。
    そしてエンタメや文化作品を評価しつつ観る目を持った著者なので、プロパガンダ要素を含む作品に対する評価が割とシビアで面白い(観るに耐えない、といった表現が割と出てきて笑った。笑)。

    本書を読んで「プロパガンダに対する警戒の視点」を手に入れられたのは大きな収穫。
    エンタメを楽しむ視点はそのままに、冷静にその背後にあるものを感じ取りながら作品を鑑賞したいと思った。

  •  政治などの広告宣伝であるプロパガンダの中で特に娯楽性の高いものに焦点を当てる。

     プロパガンダと聞くと固い演説やそのイメージ操作みたいなものが浮かぶが、浸透するには娯楽の中で楽しく消費される方がいい。第二次大戦の頃の様々な国がそれを実践していた。
     そういった歴史上のプロパガンダだけでなくオウムやイスラム国などの最近のプロパガンダにもふれられている。
     そして最後にこの本は今の日本の楽しいプロバガンダについてもふれられている。現在の日本のそれはまだまだ浸透しているとは言えない程度だが、楽しいプロパガンダは決して遠く離れたものではないのだ。

  • さっくりプロパガンダについてまとめてくれているのでよい

  • 戦前の日本、ソ連とナチス、北朝鮮と台湾、オウムとイスラム国の4つのプロパガンダの事例を上げ、うまい大衆先導は、娯楽の形で行われると解く。

    で、それに比べるかたちで、現代の右翼勢力も萌えミリ、永遠の0などの形でプロパガンダを行っているが、規模も威力もまだまだだ、と断じている。

    著者の思想的な偏りが、包み隠さず現れているのが微笑ましい。

  • 読んだ
    自衛隊の勧誘ポスターがアニメ絵なのが楽しいプロパガンダの典型例、って話に納得
    ちゃんと読書メモ取りながら読み返したい

  • 東2法経図・6F開架 391A/Ts48t//K

  • 社会
    政治

  • 戦前の日本から欧米、果ては、イスラム国やオウム真理教に至るまで、古今東西の宣伝・プロパガンダの様子を手際良くまとめて解説していくれている。オウム真理教がエヴァンゲリオン風のタイトルのラジオをエヴァ放映よりも先に実施していたのには驚いた。

  • プロパガンダとはなにか、どういうものがあるかを説明。知らず知らずのうちに我々は洗脳されているようだ。

  • 数多い事例が紹介されているが、掘り下げが足りず物足りない。
    特に最後の章では艦これ、ガルパンの話などが出るけども作者の意見は書かれず、嫌な気持ちだけが残った。

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著者プロフィール

1984 年、大阪府生まれ。文筆家・プロパガンダ研究者。慶應義塾大学文学部卒業。著書に『世界軍歌全集 歌詞で読むナショナリズムとイデオロギーの時代』(社会評論社)、『日本の軍歌 国民的音楽の歴史』(幻冬舎新書)。監修に『大名古屋軍歌』(ぐらもくらぶ)、『日本の軍歌』(晋遊舎ムック)などがある。軍歌の復刻にも取り組み、『大名古屋軍歌』『續・大名古屋軍歌』(ぐらもくらぶ)の監修もつとめる。

「2014年 『愛国とレコード』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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