きみがモテれば、社会は変わる。 (よりみちパン!セ) (よりみちパン!セ 42)

著者 :
  • イースト・プレス
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781690315

作品紹介・あらすじ

あさましい社会に承認される「いい人」なんかには、死んでもなってはいけない。「金の切れ目が縁の切れ目」のクソ社会と、いっこうにモテる気配のないきみ自身の生き方とを、徹底的に考える。学校でも家でも教えてもらえなかったリアルな知恵満載。

感想・レビュー・書評

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  • 宮台先生がいつもどおりに辛辣で、安心しました。「すでに終わっている」日本社会で、それでも幸せになるためのヒントが眠っていました。思考停止が一番怖いですね。

  • P66 日本の天皇制ファシズムを支えてきた連中は、超スーパーエリート、そうおいう連中が、空気にあらがえない、今さらやめられない、などというたわけた理由で、アメリカに対して勝てる可能性ゼロの戦争を仕掛けた。これが、日本人特有の心の習慣です。
    悪い心の習慣をはてしなく再生産します。そこれでは「今さらやめられない」という、悪い心の習慣が、当然の妥当性や合理性についての議論をストップさせ、悪い共同体を存続させるのです。悪い共同体が生み出す、この思考停止こそが、環境の変化がようきゅうするさまざまな刷新を邪魔し、日本をとんでもなくたわけた社会へと墜落させてきました。

    P130 そのようにして社会のメンバーの多数が、有徳=内発的なふるまいをするようになった社会こそが、アリストテレスのいう「よい社会」なのです。

  • 「そうだ!その通りだ!」と思う部分が多かったです。
    しかし、それを文字として読んだことはほとんどなかったので、読んでいて気持ちがよかった。

    以下は、共感した部分。

    ・「経済良ければすべて良し」という幸福感は、幻想。

    ・「任せてブーたれる」=過剰な依存は、自立性のない人間を育てる。

    ・KYと思われることを避けようとする結果、自己同一性よりも場に相応しい行動をとるようになり、解離を選ぶようになる。

    ・流動性の高い社会では、自分でなければならないという唯一性が問われなくなる。

    ・依存から自立へ。合理性から他者性へ。

    新たに「そんな考え方があるのか」と思わされたのは、
    「主体は(我々ではなく)場である」というテーゼ。





    さらに色々と読んでいきたい。

  • 中高生に読んでほしい。幸せとは?善悪とは?豊かとは?
    なぜ日本人は幸せでないのか?

    この問題に対して、君たちはこのままでは幸せになれない。モテない。という身近なテーマから解きほぐしていく。

    ただ、多くの成人にとっても必読書。

  • サラリと読んでみました。
    どうやら中高生向けの本らしいのだが
    冒頭から「日本のクソ社会では幸せになんてなれるわけが無い!」と念を押してる。
    こういう極端な言い表しをする著者ってどこのブロガーさん?くらいにしか思っていなかったがどうやら大学教授らしい。
    砕けたわかり易い表現で、社会学の内容に引きづられるが、
    割りと本質的で深いところまで説明されており、大人が読んでもなるほどー。知らなかったー。というところが多々。

    子供とは言わず、大人にこそ読んでもらいたい一冊。

    「モテる」の定義が、よりソーシャル性に長けている人。という意味合いなので特に「モテる」ためのマニュアル本ではないのでご注意をw

    宮大教授の本初めて読んだけど、
    この本をきっかけに過去の本格的な社会論的書籍もあさってみようかしら。

  • 「よりみちパン!セ」っていつの間にか、理論社がつぶれてイースト・プレスに移管されてたんですね。そして、宮台先生、devil's advocateとしてずっとかっ飛ばしていらっしゃる。共同体の不可避性ということについては、私も認識は全く同じ。「個人が<自立>」するという点も同意。ポイントとして一つ異なるかなと思ったのは、「空気」の扱い。本書では、「<良い共同体>は(中略)空気主義をしりぞけて知識や科学を基盤とし、(後略)」とあるが、私は日本社会において、「空気」をしりぞける、のは至難の業だと思う。それよりは、東浩紀が『一般意志2.0』で言ってるように、「空気」をうまく利用する技術とかアイデアに目を向けた方がよい。また、「知識や科学を基盤」とするのはよいのだが、あくまでも基盤であって、「知識・科学万能主義」に陥らないように気をつけるのが大事だ。

  • モテ本ではなく、社会論でした

  • ただ勉強ばかりして、他者を幸せにすることができるような人になるための、人格や経験、人脈がなかったら、あさましい社会に承認されるいい人になってしまうかもしれないというのは印象に残った。モテるというのは、ルックスとか勉強ができるとかじゃなくて、内から湧きあがる「内発性」があるかであるという言葉もいいなと思った。内発性というのは、自立とか、自分で考えることや、損得にとらわれず徳を大切にすることで、自分もそうゆう考えを大事にしたいと思った。他者からの承認が幸せの条件で、他者からの承認をつくるには、自分が他者を幸せにすることだというのも勉強になった。

  • 日本社会についての本で持てることにはあまり言及してない

  • 社会学の宮台教授が、腐り切った「任せてブーたれる」日本社会に混ざるな、と説く内発性講義。

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著者プロフィール

宮台真司:1959年宮城県生まれ。社会学者、映画評論家。東京都立大学教授。1993年からブルセラ、援助交際、オウム真理教などを論じる。著書に『まちづくりの哲学』(共著、2016年、ミネルヴァ書房)、『制服少女たちの選択』(1994年、講談社)、『終わりなき日常を生きろ』(1996年、筑摩書房)、『私たちはどこから来て、どこへ行くのか』(2014年、幻冬舎)など。インターネット放送局ビデオニュース・ドットコムでは、神保哲生とともに「マル激トーク・オン・ディマンド」のホストを務めている。

「2024年 『ルポ 日本異界地図』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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