鬼の戀 (ソーニャ文庫) (ソーニャ文庫 ま 2-1)

著者 :
  • イースト・プレス
3.65
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本棚登録 : 137
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781695358

作品紹介・あらすじ

生まれた時からずっと見ている。それだけでよかった。触れられなくても、本当の姿を見せられなくても。会わなければ、きっといつまでも一緒にいられるのだから。なのにお前は来てしまった。この鬼を祀る呪われた村に。血と罪に塗れたおぞましい欲望の供物になるとも知らず…!ああ今日も狂気に染まる。もう戻れない。お前を喰らってしまいたい-!地獄の果ては極楽か、さらなる地獄か。さだめに抗う優しい鬼の純愛怪奇譚。

感想・レビュー・書評

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  • 作者さん的にバッドエンドが多いので、どうかなって思いましたけど、ソーニャ文庫っぽく、二人のためなら他はどうなってもいいって感じの歪んだ愛を楽しめました。

    戦後すぐの岡山のど田舎で、最初主人公が村に向かうまでにおばさんたちがしゃべる「ぼっけぇ」とか「恐てぇ」で、角川ホラーの岩井志麻子さんの「ぼっけえ、きょうてえ」を思い出しました。方言のきつい田舎って、何かありそうって感じで期待が持てました。

    着いた田舎の地主の当主の宗一は、最初から萌を厭っていましたけど、それは鬼の花嫁の最後を知っていたから。目や夢を通してストーカー並に萌を守り、村に来てしまった萌を村から出そうと、ひどい言葉を投げつけるけど、ほんとは自分が楽になるためにも萌を離したくない。そんな宗一の葛藤がなんともいえません。

    萌も最初は宗一の言葉に傷つき、村を出ようとしますけど、村人に捕まって、宗一と閉じ込められてからは、一気にはじけてます。お話序盤は村の様子がただならない感じでエロシーンはほとんどないに等しいですけど、無意識に萌を求める宗一の姿は、イラストもあっていて、ドキドキしました。

    また、後半閉じ込められてからのエロシーンは、変な道具などは使わず、普通にしてるんですけど、場所や二人の気持ちなどが入って、結構激しいです。

    最後は村全体を壊していきますけど、二人さえよければ他の人はどうでもいいっていう感じで、鬼っていう設定に違和感を感じませんでした。

    和ものでホラーっぽく、でもしっかりエロもあり。
    楽しめました。

  • ちょっとホラー。面白かったんだけどなんとなく消化不良なので★-1にした。

  • 終戦後のとある山奥の田舎の村のお話。
    戦後身寄りのない萌に親族が見つかり、向かった村は鬼を祀る村として周囲から気味悪がられていた。
    初めて会う親族に萌は孤独から逃れるが、当主の宗一からは帰れと言われ、嫌われていた。
    祖母からは駆け落ちした母の代わりに儀式を行って欲しいと言われ、薄気味悪い村で着々とその準備は行われていた…

    鬼とは何なのか?花嫁にも当主にも村人にも色んな鬼がいますねって話。狂った村の狂った因習に囚われた花嫁の話。

    設定も凝っていて、読み応えのある一冊かと。萌がどんどん取り込まれて、雁字搦めにされていく過程に息苦しさ、閉塞感がうまく描かれてるなーといった印象でした。

  • 肝心のわらべ歌のラストと物語のラストが良く解らなかった(´・ω・`)皆殺しすれば鬼として生き返るってこと?それと、当主が500年生きて、花嫁が100年に一度出るって、その他の年月は表向き何代か奥さん貰いなおすの?そのあたりの細かい設定読みが浅いせいか消化不良( ;∀;)

  • 蝶毒のシナリオが大好きだったので、丸木さんが書かれているこちらの小説も購入しました。

    蝶毒のようなどろどろさを期待していたので、かなりあっさりしている印象です。故に物足りなさを感じました。
    宗一は激しい嫉妬心を持っているものの、主人公も宗一も根が純粋でまっすぐな性格だったからかもしれません。

    それと二人が惹かれ合うのが前提で書かれているので、気持ちの変化についていけませんでした。もちろん宿命上、多くの言葉を交わさずとも惹かれ合うし、夢の中で兄さまとしてずっと一緒にいたからっていうのもわかるのですが、展開が急だと感じました。

    あと宗一の嫉妬深さについていけず、あまり宗一に魅力を感じなかったのもイマイチと思った原因かもしれません(主人公に触れたという理由だけでその男を殺すっていうのはどうかと・・・)

    結末は少し意外な結果ではありましたが、納得感のある終わりでした。

  • 和物ホラー。
    私この方の文章苦手かも知れんな。

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著者プロフィール

埼玉県出身。BL、乙女小説、ゲームシナリオを中心にジャンルを跨いで幅広く活動中。近刊は、『双囚 ふたりの姫は愛獄に堕とされる』 (KADOKAWAジュエル文庫) など。

「2021年 『フェロモン探偵 花嫁になる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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