初恋の爪痕 (ソーニャ文庫)

著者 :
制作 : 北沢きょう 
  • イースト・プレス
4.42
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  • 本棚登録 :41
  • レビュー :6
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781695426

作品紹介・あらすじ

幼い頃、一度の出会いで互いに淡い恋心を抱いたユリアネとゲルハルト。だが成長し侯爵位を継いだゲルハルトは、ユリアネが初恋の少女だと気づかぬまま"ある因縁"によって彼女に恨みを抱いていた。その彼に突然さらわれ、城に監禁されたユリアネ。ゲルハルトを慕い続けていた彼女は、彼の鬱屈した欲望を受けとめ、淫らな仕打ちに耐え続ける。一方、何度快楽を教えても清らかさを失わないユリアネに、頑なだったゲルハルトの心は揺らぎ始め…?

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった…。文章が綺麗でほんと読みやすいし、タイトルがまたうまいなと思いました…。それはそうと、ユリアナの両親がむっちゃかわいそう〜〜!!なににも関心や執着を持ったことのない男が、やっと激しい感情を覚える相手に出会ったがために起こった悲劇。そして親世代の悲劇はこどもたちにも受け継がれていったという、とにかくヒロインとヒロインの母の境遇がかわいそうなものでした。本音を言うとユリアナがゲルハルトと結婚せず独身を突き通す展開も見たかったんですけれどね……。ヒーローに憤りを覚えるけど、あのハッピーエンドは良くて、ユリアナはこれからたくさんの幸せを取り戻していってね…っていう気持ちになりました。

  • 読まないでは語れないだろうと思って、高評価ティーンズラブを読んでみた。

    冒頭から始まるむりやり性描写があからさまでどんびき。どこらへんがティーンズなのだ(T_T)!? 翻訳ロマンス読んでて何を言うって感じだが。

    ヒロインを辛い目に合わせるための仕掛けが多すぎた。著者ウェブ小説の同じようなシチュエーションで中華風な『風車の節』の方が抑え気味でよい。

    丁寧な描写をくせなく読ませ、十分な文章力を感じさせる作家さんなので、物語そのものの展開と、効果音無しと喘ぎ声無しの性描写で十分語れるのではないか。…って、それじゃあTL小説にならないし、売れないか。

  • 久々のヒットでした。

    あとがきにあるように「身分違い」「すれ違い」「しがらみでかんじがらめ」「初恋をこじらせて無体を働くヒーロー」「愛人関係を強いられるヒロイン」と作者様の好きなモチーフが詰め込まれていますが、私も好きなモチーフです。

    母親が愛人になっているとは知らず、母に会いに来たユリアネと出逢ったゲルハルト。
    お互いの名前も身分も知らず、来年また会えると刺繍の約束をして別れ、そのあとは会えずじまい。
    再会したときには、ゲルハルトは母親にそっくりなユリアネを憎んでて、凌辱しちゃいました。

    このときは髪の色が違ったから、ゲルハルトはユリアネが過去に出逢っていた女の子だとは気付かなかったんですけど、髪を染めていなかったら、会ったときにユリアネが憎い愛人の子だとすぐに分かったはずなんで、初恋にはなってなかったでしょうね。難しいところです。

    一番悪いのは、当然ながらゲルハルトの父。
    彼は妻も子もいながら、絵に描かれたユリアネの母に横恋慕し、彼女を手に入れるために盗みの罪を着せた上、うまくいかなかったからと殺害しちゃってます。で、無理矢理愛人にしたユリアネの母の愛情を求め、無茶苦茶してます。ユリアネの両親だけじゃなく、ゲルハルト母子も不幸にした、ソーニャ文庫らしい人です。ゲルハルトの父があの絵を持っていなければ、誰も不幸になってなかったのに・・・。

    ゲルハルトはユリアネを愛人にし、無茶苦茶してますが、何も欲しがらないユリアネに段々惹かれていき、ユリアネの白いドレスを自分の婚約者になるはずの令嬢が汚したり、自作自演で怪我をしたときは、きちんと公平に判断できていて、そこはちょっと見直せました。

    ユリアネが真実を知り、ゲルハルトも真実を知り、でも二人は別れてしまうんですけど、ここであのときの鷹の刺繍が出てきて、ゲルハルトがものすごく反省してて、彼って無茶苦茶してましたけど、本当はこういう人なんだなぁと。

    当然最後は修道院にユリアネを迎えに行ってハッピーエンドに終わります。
    何も悪くないユリアネが幸せになってよかったーって思う最後でした。

  • 信じ込んでいた恨みから、ユリアネを苛むゲルハルトの最初はなかなかひどい…といった感じですが、真実を知ったときの打ちひしがれようが苦悩ヒーロー好きにとってはよかった。
    自分の罪に苦しみ、一方でユリアネの愛に気づき苦しむ。
    うるっときました。

  • 途中までは、ヒーロー本気で最低だな・・・と思ってましたが、最後の方でうるっときてなんとなく許せる気に。
    溜め込んだ憎しみや孤独感が噴き出していただけで、ユリアネが婚約者に嵌められそうになった時は公平で落ち着いた対応をしていたから、それが本来の彼の性質なんだろう。思えばゲルハルトも、両親から満足に愛情を注がれずに育った、寂しい子供だったんだよな・・・だから彼の所業が許されるというわけではないが、ユリアネが彼を慕う気持ちを捨てきれないのもなんとなくわかった。尊敬され慕われるのに、本当は値する人物なんでしょうな。

    それと、個人的には、前侯爵の恋が結構衝撃だった。私が今まで読んだラノベの中では類を見ないほど徹底して、非道で、報われようがなかったから。彼の恋には本当に、一片の救いも希望もなかったと思う。やり口を考えると当たり前なんだけど。人間として持っているべき良識や思いやりが欠けた時に、人はこんなにも救いがたい存在になれるのかと・・・ああなってしまえばむしろ、人間と呼べるのかと。改めて、主人公二人の想いが双方向でよかったと心底思いました。命を投げ出してもいいほど求める相手が、同じように心を返してくれて、求めてくれるというのは、基本物語はハッピーエンドがいい人間なので当たり前と思って読んでしまいがちなんですが、そうじゃないんよなと改めて思えて、なんか読んでよかったと思えました。もちろん物語は幸福な結末を迎えるのが望ましいと思うのは変わりませんが、当たり前とは受け取らないようにしよう。

    ともあれ、ユリアネもゲルハルトも、幸せになれそうでよかった。傷は深いだろうが、若い二人に流れる時間が、それを優しく薄くしてくれるといい。

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