コンサルティング業界大研究

  • 産学社
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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784782531280

感想・レビュー・書評

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  • 【総評】
    大学2年の時にコンサルってどんなもんだいと思って手に取った一冊。当時これを読んで各社のコンサルタントの意識の高さに非常に驚くと同時に、自己啓発にも非常に役立つ知見をいくつも得ることができた。

    構成としては、コンサルの概論の後に、有名なコンサルタントが自由に意見をいっていて、それが並んでいる感じ。

    確かにControversialな意見も多々あるが、しかしそれぞれのコンサルタントが”自分”を持っていて、本当に人として尊敬できる方たちばかりだった。

    いくつか本を読んできたが、コンサル関連で全般的に知識を得たいなら、この本を読めば間違いがない。

    まあ、さすがに大前研一の記事はなかった点、外人の視点があまりなかった点が足りないと言えば足りないかもしれないが、十分にいい本。




    【気になったフレーズ】

    ・場合によってはジョイントベンチャーを作って運営するという形も含めて提案します。これはもうお客様というより運命共同体であり、ビジネスパートナーです。

    ・例えば、BCGやマッキンゼー、アクセンチュア、IBCSを同じような会社だと思って仕事を依頼しているクライアントは誰もいない。・・・『堀紘一』

    ・コンサルティングの5つの機能・・・「頭脳レンタル」、触媒、情報提供、外圧、アウトソーシング。

    ・会計事務所系、IT系コンサル会社の仕事は、金額ベースでいえば、大半部分がシステム開発のアウトソーシング。

    ・戦略系で株式を上場しているところは少なく、法律的には経営数字公開の義務はない。(→自社でキャッシュを賄え、かつ、企業の規模をあまり大きくするメリットがないので株主にいちゃもんつけられる可能性のある公開をさけていると予想できる)

    ・新たに情報システム構築を考えるクライアント企業が、システム自体よりもそのシステムに蓄積されたビジネスノウハウを重視するようになってきた。

    ・「プロはある程度豊かでないとだめ」・・・『堀紘一』 清貧という言葉があるが、「清い」必要はあっても、「貧し」くてはいけない。

    ・コンサルティングという仕事は、人や組織や事業を直接取り扱っていく仕事なので、それへの眼差しというのは、人間、つまりは個人として自分が生きていくということへの関心と、底のほうで深くつながっているんです。・・・『石井光太郎』

    ・パートナー(キャリアパスの終点)になれば、交渉の相手はほとんど有名企業の経営層クラス。パートナーまでやらないと、コンサルタントの本当の面白さは絶対にわからない、と経験者は異口同音。

    ・企業改革(re-engineering)と、企業変革(transformation)は違う。


    ・offshoreの動きのためITコンサルのシェアがインド、アイルランド、中国に取られている、これが近年のコンサル人気凋落傾向につながる。

    ・localなコンサルファームは生きていけない。各国独自の価値観を知らないといけない。日本企業が米国流のカルチャーを真似ても、オリジナルは超えられない。・・・『アビームの西岡一正社長』

    ・インプリしすぎるのは、家庭教師が生徒の代わりに受験してしまうようなもの。コンサルの領域を超えている。望ましい方向性を見いだす触媒になるのが本来の役割。・・・『コーポレイトディレクション代表 石井光太郎』

    ・戦略系コンサルのフィーはどうしても一件数千万から億単位になってしまう。結果、大企業しかクライアントになりえないが、中小企業にこそ、コンサルの能力が必要。
    ・経営学は医学と同じで実学ですから経験がなければならない。
    ・目的意識と根性のない人はどんなに成績がよくて優秀でも全く興味ないですね。
    ・クライアント企業の内部の人たちよりも熱い気持ちで仕事をしろ。自分の熱気に彼らを引きずりこめ。   以上、『堀紘一』

    ・現状を把握できるITを持つのが、戦略の第一歩だ。
    ・富士通、日立、NEC、IBMと各社ハードからソフトまで総合サービスを展開するなんて国は日本だけ。
    ・多くのコンサル会社が『ERP』ソフトの代理人になってしまい、エンロン事件で信用が失われた。コンサルの地位が低下してしまったのが日本の現状。・・・『フューチャーシステムコンサルティング 代表 金丸恭文』

    ・コンサル3大資質・・・第一に地頭の良さ。次にプロフェッショナルとしてのマインドセット。3つ目がベースとしての人間的魅力。
    ・コンサルタントは上下左右どれだけ幅の広い人と付き合えるか。
    ・・・『IBCS 佐々木久美子』

    ・外部の人間としては、あくまでハードファクトを拠り所とするのが基本。

    ・ベイン、マッキン、BCGにフットサルチームがあるww

    ・コンサルティングは、究極的には、”人を変える”仕事。

    ・戦略コンサルの経験は起業には役に立たない。立場が全然違う。起業は、胆力。
    ・夜中の12時過ぎまで議論して決定したことを、朝9時までにマッキン側の人間が資料にまとめ、おまけに次の議論の準備や下調べまでしてくる。それが当然の会社で、自分の体力や知力の限界を言い訳にはできない環境にずっといた。ただ、これがやれる人間は世の中にたくさんいる。(←注.1000人に一人くらいだと思うが・・・)社長をやるためにもっとも重要かといわれると、そうではない。 ・・・『DeNA 代表 南場智子』

    ・過労で倒れて入院して、病院から帰ってきたら彼の受け持ち部分がそっくりそのまま残っていて、「1週間後にプレゼンだから」と言われてそこから3日徹夜して、また倒れて会社を辞めたという・・・(某有名社長のBCG時代の話)

    ・不完全な情報しかなくても、とにかく答えを出す。

    ・奴隷になるか、修行をするか。







    【感想】
    今再び読んで、2年前よりずっと言っていることがすんなり入ってきて、そして感じられるようになり、なんというか・・・1日徹夜したくらいで、うだうだ言ってる自分が本当にカスに思える。

    とりあえず、才能とか環境とかいう前に、努力が、根性が・・・ほんと全く足りない。

    気分転換以上の遊びを求めず、ストイックに生きようと思う。

著者プロフィール

ジョブウェブ コンサルティングファーム研究会(取材・編集チーム)

■佐藤孝治(さとう・こうじ)
 1972 年生まれ。早稲田大学社会科学部卒。
 アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)を経て、99年10月株式会社ジョ ブウェブ設立。学生の就職活動支援と企業の採用支援を通じて、学生と企業の本音コミュニケーションをサポートしている。 現在、社会人のキャリア支援に力を注いでいる。転職を成功させたい、今いる会社で活躍したい、新しい働き方にチャレンジしたい、起業をしたいといったさまざまなキャリアの悩みをサポートしている。
 著書に『内定の原則─就職活動で成功する人だけが持つたった一つの原則がここにある』(英治出版)『〈就活〉廃止論 会社に頼れない時代の仕事選び』(PHP研究所) などがある。

■山越理央(やまこし・まさお)
 ジョブウェブ コンサルティングファーム研究会 代表
 1988年生まれ。東京大学公共政策大学院修了。
 2013年4月よりプライスウォーターハウスクーパース(現:PwCアドバイザリー) に新卒入社。大企業の事業再生業務を推進し、V字回復に向けた経営改革のビジョ ンや再成長戦略の策定、PDCAマネジメントを支援してきた。
 2016 年より国内最大のシンクタンク・コンサルティングファームである三菱総合研究所に籍を移し、経営コンサルタントとして企業のさらなる成長実現に向けた経営ビジョンや経営戦略の策定、新規事業開発や事業開発組織の設計などを幅広く支援している。また、デザインファームや大学、官公庁との協業推進/共同研究のリーダーとして、企業の経営改革や事業開発にデザイン思考や感性、美意識を取り入れる新たなコンサルティングサービスや経営者/幹部向けの研修プラットフォームの開発 を主導。
 コンサルティング業界の現在を日本で最も広く深く知る専門家として、コンサルティングファーム各社に対する人材採用アドバイザリーや就職活動生や転職希望者へのセミナー、個別指導・面談など豊富な支援実績がある。

「2019年 『コンサルティング業界大研究[第7版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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