身近な動物を使った実験〈3〉ゾウリムシ ウニ ザリガニ

制作 : 鈴木 範男 
  • 三共出版
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レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (91ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784782705827

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  • 個人的に本書をどうして手に取ったかといえば、「ザリガニを飼っているから」なのだが、「ちょっとこのゾウリムシとウニとザリガニってどういう取り合わせなんだ?」と思ったからもある。
    ほぼ20ある市の図書館には在庫がなく、府の図書館から取り寄せてもらった。
    何でこんなに在庫がないか、めくってみてわかった。家庭向きではなかったのだった。
    高校や大学教養向けの実験。顕微鏡や遠心機、マイクロピペッター等、ある程度の設備が整った施設向きのものである。そういう意味では、ゾウリムシ・ウニ・ザリガニという取り合わせはまぁ「身近」な動物のありうる取り合わせなのかなぁ・・・?(でもやっぱりちょっと変だと思うんだけど(^^;))

    どれだけの方に参考になるのかわかりませんが、せっかく読んだので、各動物について、簡単に内容を。

    <ゾウリムシ>
    本書では半分以上のページを割いていて、主眼が置かれている。
    繊毛虫であり、長さ数百μmと比較的大きいため、観察もしやすい。トリコシスト(ゾウリムシが防御のために放出する器官)の放出や、ゾウリムシを食べる別の繊毛虫(ディディニウム)による捕食の観察、化学物質や電気に対する走性の観察など、ダイナミックな動きが観察できて、わかりやすくて楽しいというところか。
    ゾウリムシを大量に培養するには別のバクテリアを餌として共培養するのがよいという。肉食系なのね、ゾウリムシ。
    この他、カロリーメイトで維持することも可能とのこと。

    細胞株管理機関(ATCC:アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション)から正規ルートで購入しようと思うとかなり高額(数万)(かつ、個人では多分、手続き上、ちょっと難しい?)だが、岩国市立ミクロ生物館http://www.shiokaze-kouen.net/micro/というところでは、微生物株を安価に送ってくれる。ミクロピペットなんかも買える。
    本書に出ている研究室でも譲渡してくれるらしい。

    また買わなくても、側溝や生活用水から採集することも可能。ただ、この場合は、ゾウリムシかどうかをチェックするのはかなり大変とのこと。『やさしい日本の淡水プランクトン』あたりが参考書として優れているという。

    <ウニ>
    ゾウリムシよりかなり紙数が少ない。
    ウニを使った実験といえば、何といっても卵割の観察。
    ウニの種類・取れる時期・取れる地名のガイド付。
    雌雄のウニを捕ってきて、卵・精子を採取し、受精させて観察しよう、という流れ。卵・精子の採取の仕方、その注意点についても丁寧に説明されている。

    (個人的には学生時代、ウニのゼミがあり、臨海実験所に泊まり込んで実験したのが懐かしい思い出です・・・。)

    <ザリガニ>
    ウニよりさらに紙数が少ない。
    ザリガニは実験動物としては歴史のあるものなのだそうで、古くはハックスリーが1880年に本を書いているのだそうだ。へぇぇ。
    外部形態の名称等、勉強になった。頭部は胸部と合わさった形で、頭胸部と呼ばれる。ここに脳や胃、心臓が収まる。氷中で麻酔し(つまり低温で眠らせるということか)、心臓の上側の殻を削ってやると、生きたまま心拍の観察ができるとのこと。
    成熟したメスの尾扇(しっぽの先)にはセメント腺と呼ばれる斑紋が出るという。
    麻酔や解剖については、別の本(『解剖・観察・飼育大事典』)が参考に挙げられていた。確かにちょっと本書の説明だけで麻酔や解剖をするのは怖いな・・・。


    *ゾウリムシにしろ、ウニの卵にしろ、そこそこ大きい。机に固定するタイプの手回し遠心機ならそんなには高価じゃないし、あとは学習顕微鏡があったら、実はここに出ている実験はかなりできるのかもな、と思ったり。
    『バイオパンク』(DIY生物学)への道、辿ろうと思えば辿れる!?かもしれません。

    *余談ですが、上記ミクロ博物館では、おみやげとして、原生動物ストラップとか原生動物カードゲーム(その名も「マイクロ王!」)とか、怪しすぎる(^^;)、もとい、とっても原生動物愛を感じさせるものも売っています。道の駅のそばだそうですので、お近くの方、機会があったら行ってみてください~。

    *セメント腺、うちのザリ♀たちにもあるか、今度見てみます。

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