論理トレーニング101題

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  • 産業図書
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感想 : 153
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  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784782801369

作品紹介・あらすじ

101問のステップ・アップ。解説書なんかいくら読んだって論理の力は鍛えられないただ実技あるのみ。論理トレーニング第二弾。

感想・レビュー・書評

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    「解説書なんかいくら読んだって論理の力は鍛えられない。ただ実技あるのみ。」

     本当にその通りでした。自分の論理の力のなさを実感しました。

     論理というと難しそうな印象を受けるかもしれません。しかし,論理は日常的に私たちが利用しており,また私たちに必須な力です。なぜか。論理とはすなわち他者の言いたいことを知る力であり,他者を知るためのものだからです。

     私たちが何かを考え,それを他者に伝えるとき,必ずそれには根拠があります。その根拠が正しいかどうか,明示的かどうかは置いておくとしても,私たちの主張にはその土台となる何かがあります。それを捉えるのが論理です。だから私たちは他者を知るために(その精度はいかなるものであれ)論理を普段から何気なしに使っています。それなしには他者を知ることができないわけです。

     というわけで,論理を鍛えれば他者への理解も深まります。ですので,本書は論理トレーニングであるとともに,人間関係トレーニングでもあります。

     1題1題は簡単ではありません。取り組むのにも時間がかかります。忍耐的な方は最初からじっくり取り組んでもいいと思います。忍耐がない方は,問題に少し取り組んで解けない場合,解説を一度読み,数日後に著者の論理を追いかける形でもう一度問題を解くという読み方をしても良いと思います。ただし,読むだけでは意味がありません。必ず自分で問題と格闘してこそ,論理トレーニングになります。

     本書は何回も読むことで論理を鍛えられます。終いには著者の解説にさえ批判することさえできるかもしれません。そこまできたら次は自分なりの論理トレーニング101題を作ってもいいかもしれません。
     

  • 前半は高校受験の国語のような問題だったが、後半にいくと、批判と異論の違い、など建設的に意見を述べるための訓練になり、今後業務にも役立たせることができそう。

  • 人の話を流して聞かなくなった。論拠は何かを丁寧には咀嚼する癖がついた。

    自分の話も慎重に言葉を選ぶようになった

    半分は間違えた気がするのでもう一周しよう。

  • 論理的思考力を鍛えるため購入。

    文章が硬すぎて途中からお手上げ状態。もちろん理解したら説明力とか読解力は上がるんだろうけど、苦行感が否めない。もう少し自分が円熟味を帯びてきたら再読します笑

  • 序論の「一般に新聞記事は接続表現が乏しく、これといった論理的構造がない」/「自分と異なる意見の相手と対話する。それこそ、論理が要求されるもっとも重要かつ典型的な場面である。独善的な精神に論理はない。」はこの本をじっくり読み込む上で最高の煽り文句ではないかと感じた。そして、朝日新聞には人の論理性を破壊させる呪いが、各々の記事に練り込まれているのではと疑いたくなった。しめの論理トレーニングの成果を発揮する場面についても納得。

  • 自分では論理的に考えてるつもりだったことが、けっこういい加減だったとわかりました。

    大学の授業が元になってるだけあって、ちょいちょい面白い解説があって笑ってしまいました。
    きっと楽しい授業だったんだろうと想像します。

    最後に、この論理トレーニングで培った力は、日常生活で使わないように注意書きがありました。
    身近な人との会話で、論理的に相手を論破したってロクなことは無いですね(笑)。
    人間関係をスムーズにするのはやっぱり傾聴ですよ、傾聴。

  • 同著者の「新版論理トレーニング」の後に読んだ。

    新版論理トレーニングの問題集としては良かったが、新版を読めば十分という気もしないではない。

  • これは論理的に考えるための問題集であって、教科書ではないです。ただひたすら、「接続詞」の選択問題を解くような内容です。
    まあ如何せん、自分は論理的に考えることが得意ではない(理系ですがなにか?w)ので。遊び感覚で取り組んでみました。
    これは、論理的に考える力がつく、というより、接続詞の使い方で文章の「伝わり方」,「読みやすさ」が変わってくる、ということを体感でき、接続詞の意味をよく考えるようになります。
    そして、接続詞の意味を考えることで、結果的に文と文の関係を考えることになり、自ずと論理的に考えるトレーニングになっているのかもしれませんな。

  • ちゃんと日本語解って使えてる!・・・という自負がもろくも崩れさる一冊。まだ途中ですがかなりショックでした。「論理的に読む」ってこういうことなんだあ。ただいま勉強中。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「「論理的に読む」って」
      目からウロコだった訳ですね、、、この本も面白そうだな!
      「「論理的に読む」って」
      目からウロコだった訳ですね、、、この本も面白そうだな!
      2013/04/23
  • 接続詞のプロになる

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著者プロフィール

1954年(昭和29年)東京都に生まれる。85年東京大学大学院博士課程修了。東京大学大学院教授を経て、現在、立正大学文学部教授。専攻は哲学。著書に、『論理学』(東京大学出版会)、『心と他者』(勁草書房/中公文庫)、『哲学の謎』『無限論の教室』(講談社現代新書)、『新版論理トレーニング』『論理トレーニング101題』『他者の声 実在の声』(産業図書)、『哲学・航海日誌』(春秋社/中公文庫、全二巻)、『はじめて考えるときのように』(PHP文庫)、『ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む』(哲学書房/ちくま学芸文庫)、『同一性・変化・時間』(哲学書房)、『ここにないもの――新哲学対話』(大和書房/中公文庫)、『入門!論理学』(中公新書)、『子どもの難問――哲学者の先生、教えてください!』(中央公論新社、編著)、『大森荘蔵――哲学の見本』(講談社学術文庫)、『語りえぬものを語る』『哲学な日々』『心という難問――空間・身体・意味』(講談社)などがある。訳書にウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』(岩波文庫)、A・アンブローズ『ウィトゲンシュタインの講義』(講談社学術文庫)など。

「2018年 『増補版 大人のための国語ゼミ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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