- Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
- / ISBN・EAN: 9784783511854
作品紹介・あらすじ
スポーツや遊びはなぜ楽しいか。その本質を「フロー体験」で解き明かす。
感想・レビュー・書評
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かの有名な「フロー体験」についてのチクセントミハイの本。
極めてアカデミックに内発的動機付けを定義し、検証している。
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フロー体験は
「始まりと終わりが明確」で
「自己効力感が持てる行動」で
「結果と自分の行動のつながり感のフィードバック」があって
「"適度に"難しい」
という行動、という感じ。
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あくまで行為自体が報酬になる、というのがフロー体験。
果たして仕事にこの考えが適用可能なのか?というのは
自分の中では結論が出せなかった。
仕事におけるフロー体験として、チクセントミハイは
外科医の手術を例示している。
外科手術は「時間が限られる」「成果が分かりやすい」など
仕事内容としては少し特殊。
企業において満たしづらいのは特にこの二つの点だろう。
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フロー体験には「構造化・パターン化」されている
共通の前提条件があることが大切らしい。
安心して没頭できるためにはパターンがあることが必要。
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マイクロフローという概念は面白かった。
端的に言うと「クセ」。
詳しく言うと「非生産的で自己目的的な行動」。
平たく言うと「分かっちゃ居るけど止められないこと」。
研究としては突っ込みが不十分だけれど、
概ねの方向としてはマイクロフローを強制的に止めさせると
非創造的で不快感が募る方向にある、ということ。
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佐藤のフィールドワークの技法で紹介している本である。チェス、ロッククライミング、ロックダンス、医療行為などの状態でどのくらいフロー体験が生じているかを記載している。付録には尺度もついているので、フロー体験を測定する卒論には最適のものであろう。他のチクセントミハイの本では概要なので卒論にすぐ役立てるためには最適の本である。
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フローって考え方は45年前からあったのか。最近じゃないのね
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思索
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何か活動するときに、人は報酬などの外発的動機づけだけのために、活動するわけではない。そのことをすること自体が楽しいからする。この楽しさの源になるものを「フロー」と著者は呼ぶが、このフローについて多面的な考察を行った一冊。「仕事」と「遊び」の二分法を批判し、仕事や遊びの中にフローをもたらす工夫をすれば、楽しくなってくるのだという主張は、ゲーミフィケーションを先取りした主張といえる。
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自分の仕事や活動で提供したい価値の迫真に迫った感あり。
源流の古典にあたってよかった。
最終章が圧巻。。。
フロー・モデル
外発的報酬により得られる満足と内発的報酬により得られる楽しさの対比。
自己目的的活動に打ち込むのはなぜか?という問いからの出発。
フロー・モデルの肝は、自己の能力にちょうどよい行為の機会、感覚領域の限定、無関係な刺激の排除、明確な目標と達成の手段、明瞭なフィードバック。
フロー体験は日常を相対化することを通じて社会変革の基盤となりうる。 -
井口さんお勧めのチクセントミハイ、海外出張の機内で読了。
「ハマる」を論理的に分析しており、そうそう、と頷き続けてました。
仕事=苦痛・遊び=楽しい、じゃないんだよな。楽しいか楽しくないか、これが重要。
特に共感した点は、結果のフィードバックをいかに早く得られるかが楽しみのレベルを決定付ける点。どんなにきつい仕事でもお客様の喜びが伝わると、疲れが吹っ飛ぶ。次も頑張ろう、という気になる。で、結果はあとからついてくる。
大事なことに気づかせていただき、ありがとうございました。
図書館の蔵書がこれだけだったので、チクセントミハイの別著は、ちゃんと買って読もう。 -
フローの構造:横軸は行為の能力(技能)、縦軸は行為への機会(挑戦)。つりあうとき自己目的的なフロー経験。チェスで実力の異なる対戦を相互にフロー化するには:弱い相手に替える、強くなる、ハンデキャップ。
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卒論のために読みました。といってもまだ読み途中ですが・・。チクセントミハイは,全人的に行為に没入しているときに人が感ずる包括的感覚をフローと呼びます。そして,このフローの概念で,ゲームやスポーツがなぜ楽しいのかを明らかにしていきます。フローが生まれる条件として説明された部分を言うと,「行為の中に含まれる挑戦水準が行為者の技術水準を上回れば心配や不安が生じ,その逆であると退屈が生じる。両者がつり合うところに実在感に満ちた楽しい状態 (フロー状態)が生じるつまり,倦怠と不安を越えて楽しさがある。」だそうです。ゲームやダンス,スポーツなどには,競争の要素や,現実にないものへの挑戦や,めまいのような感覚などを含んでいます。これらの要素がその行為を楽しいと思わせるものとなっているようです。この本を読み終わるころには,勉強を楽しいと思える方法が見つかるといいな・・と思いながら読んでいます。(畑田)