ヴェルレ-ヌの余白に

著者 :
  • 思潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (80ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784783703242

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  • 【本書より】
    かつて跣で甲板を走り
    帆柱のてっぺん 破れた旗のかげで終日
    阿呆鳥の行方を追っていたこともある
    黒髭エドワード・ティーチの怒声に怯え
    鱶が笑う海峡を泳ぎ切ったこともある
    それなのに だね
    アレクサンドル・セルゲーヴィチ
    ラム酒の飲み方だけが思い出せないのだよ
    やっぱり水で割るのだったかね 氷を入れて

    雪でもいいのじゃないのかい?
    さんざめくあばら家の戸をうしろでにしめて
    冷たいいくひらかをまぶたにうけると
    酔いはおのずと醒めてくる
    かつていずれのわたりであったか
    歌の調べを案じて馬上に
    行き暮れたこともあったが
    あの折りのわたくしはだれであったろう
    この身であり この身でなかった幾人かの名を
    蘇らせよ雪わりのラム!
    (「雪わりのラム」より)

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著者プロフィール

1939~2000。詩人。


「2015年 『混声合唱とピアノのための 未確認飛行物体』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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