伊藤比呂美詩集 (現代詩文庫)

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  • 思潮社
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レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784783708490

感想・レビュー・書評

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  • すげ~~~~~露骨に性的なものをぶちまけてくるな・・・すごい・・・ある意味で怖いくらいだ・・・。
    女性ならではの視点での汚い感情や行為・・・すごい・・・。

  • 今から30年近くも前に出版された、散文詩とエッセイが収録された作品集です。

    女のドロドロした部分をさらに煮詰めた後、周囲を憚らずに漫然と垂れ流したり、誰彼構わず投げつけているような印象を受けました。驚くほど感情に正直で生々しい表現の数々。『きっと便器なんだろう』『オオアレチノギクを抱きかかえる』『叫苦と魂消る』『カノコ殺し』『ハラキリ』『コヨーテ』が印象的。こうタイトルを並べるだけで世界観がどことなく伝わるかと思います。
    「生と死」や「性」を扱った作品が多く、過激で暴力的な表現にぎょっと、時にぞっとすることも多々ありました。自分の腹の底に沈んでいる女の黒々とした感情が引きずり出される気分に。激しさのなかにある、孤独や寂寥が痛々しい。
    巻末の荒木経惟さんの文章がとても秀逸です。「メスっ気」って素敵な表現。

    総じて女性的な作品だと思ったので、男性が読むとどう映るのか気になります。

  • 爆弾のような言葉。
    日常と妄想のまじりあったドロドロした言葉。
    「美しい日本語」なんて欺瞞に満ちた境界をぶち壊してくれる言葉。

  • 音としての言葉の呪術。生と死の舞踊。言葉の繁殖。読んでいる内に、妙に気分が高揚して、口からことばがこぼれる。

    余談ですが、宮沢賢治が、生と死を、光と純粋さにおいて捉えたことに比べ、伊藤さんはより多産性と多死性とでも呼べるような相から生と死を捉えています。

    ※YouTubeにあがっている、伊藤さんの憑かれた巫女のような朗読を聴いて、この本を買いました。

  • 現実世界に太母現る。圧倒された。わたしにはないチャクラが開いている人のものの見え方を、活字で疑似体験できた。

    現代詩文庫ってコンパクトだし評論も載っているし、入門編に良い。

  • 滅ぼしておめでとうございます

    と、1990年ごろに初めて遭遇した本。
    購入価格は、税込みで880円とある。
    消費税が3%のころ。

    女性の生理的なことを主題にした詩もあり、この詩集を読むと「女性を知る男」も、もっと「女性」が理解できるかも知れない。
    伊藤比呂美氏は、1955年生まれだから。この詩集を発行した時点で30歳。
    詩が書かれたのは、もっと若い時期。
    この詩集が、私が女性の書いた文学に興味を持った始まりかも知れない。

    女性というのは、様々な点で男より面白いし興味が尽かない。
    どんなに偉そうにしようと、高貴なお方でも女性の股間以外から人間は生まれない。
    極論を言えば精子さえ確保できれば、男は人類の存続に半数まで必要はない。
    ちょっと男を借りてくれば、ことが足りる。

    人が死に直面したとき、「おかーちゃん」はあるが「おとーちゃん」とは言わない。
    老後、妻を亡くした男は早く死に。夫を亡くした女は長生きするようである。
    女性のほうが、「一人で、生活する力」は確実にある。
    私の伯母は、戦争で夫を亡くし再婚せずに一人で子供3人を育て上げたあと10年ほど前まで長生きした。

    この時代、男よ。
    家事を習得せよ。
    炊事・そうじ・洗濯・裁縫の基本は必ず習得せよ。
    老後に、困る可能性がある。
    家事の取得が、生死を分ける。


    ただ、女性と同じリング(場)で同じような立場で同じ仕事するのはちょっと‥‥


    フフフ‥

  • もっと読み込めば、もっと好きになりそうなので、4にしておく。
    「カノコ殺し」に衝撃を受けて買ったけど、これが特別でもなんでもなくみえちゃうのが伊藤比呂美なのですね。「虚構です」「生きた男の一部分」「蠕動」「古本」「アウシュビッツ・ミーハー」…ううーかっこいいっていうか、人間である前に女ですよね、この人の作品は。魂レベルで女って感じ。ぞくぞくする。
    詩人論もよかった。アラーキーの短い文章が特に印象的だった。

  • 激しさの裏の巨大なさみしさ。

  • コヨーテ、サイコーです。

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プロフィール

1955年、東京都生まれ。詩人。78年に現代詩手帖賞を受賞してデビュー。性と身体をテーマに80年代の女性詩人ブームをリードし、同時に『良いおっぱい 悪いおっぱい』にはじまる一連のシリーズで「育児エッセイ」という分野を開拓。近年は介護や老い、死を見つめた『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』(萩原朔太郎賞、紫式部文学賞受賞)『犬心』『父の生きる』、お経の現代語訳に取り組んだ『読み解き「般若心経」』『たどたどしく声に出して読む歎異抄』を発表。人生相談の回答者としても長年の支持を得ており『女の絶望』『女の一生』などがある。一貫して「女の生」に寄り添い、独自の文学に昇華する創作姿勢が多くの共感を呼んでいる。現在は、熊本と米国・カリフォルニアを拠点とし、往復しながら活動を続けている。

「2018年 『たそがれてゆく子さん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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