「妹」の運命―萌える近代文学者たち

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  • 思潮社
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本棚登録 : 31
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784783716686

感想・レビュー・書評

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  • 明治時代って近いようでいていろいろな資料は手に入りにくくて全容のつかみにくい不思議な時代ですね。
     明治時代の村上春樹、水野葉舟が架空の妹にあてて書いた妹萌え書簡とか、田山花袋の「蒲団」のモデルの女性が書いた「不思議の国のアリス」の翻案小説(貞節!を求めるアリスの旅)とか、女性の狂気を描いたホラー的作品とか、なかなかおもしろいものがありますね。
     もう少し明治時代についていろいろ知りたくなりますね。

  • 近代文学(自然主義文学)に設定された「妹」。言文一致体によって「自我」のテンプレートを与えられた近代の女性像。しかし、それはあくまでも作家の都合によって与えられた人格で、本来の自我を持とうとすると作家によって言葉を取り上げられたり、狂気に陥れたりさせられる。水野葉舟、田山花袋、盟友の柳田國男、田山の「蒲団」のヒロインのモデルとされる永代美知代、その夫の永代静雄等の著作を手がかりに近代文学の「萌え」を読み解こうとする文学評論。あとがきによれば著者による一連の「柳田國男論」のスピンオフであり「サブカルチャー文学論」の「註」のようなものと位置づけられており、「少女民俗学」から連綿と続くものになるけれど、ここではサブカルチャーではなくてメインカルチャーたる純文学の評論である。読んでる時はワクワクと面白く読んでいたけれど、多分6割も理解できていない。でも面白かった!

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著者プロフィール

大塚 英志(おおつか えいじ)
1958年生まれ。まんが原作者、批評家。国際日本文化研究センター研究部教授。まんが原作者としての著書に『多重人格探偵サイコ』(田島昭宇画)『黒鷺死体宅配便』(山崎峰水画)、民俗三部作『北神伝奇』『木島日記』『八雲百怪』(森美夏画)、『恋する民俗学者』(中島千晴画)など。
評論では『「捨て子」たちの民俗学――小泉八雲と柳田國男』(角川選書/第5回角川財団学芸賞)、『公民の民俗学』(作品社)、『怪談前夜 柳田民俗学と自然主義』『殺生と戦争の民俗学』(ともに角川選書)などがある。

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