幻視の詩学―わたしのなかの詩と詩人 (詩の森文庫 (003))

著者 :
  • 思潮社
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本棚登録 : 19
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (185ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784783717034

感想・レビュー・書評

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  •  文学の世界の大野一雄というか、暗黒野郎であり、「ポオについて」でもあるけれども、真夜中に蝋燭をたてて空気銃で撃つことを趣味にしている乳白色の霧に浮かぶ影みたいな人である。
     「ラムボオ素描」への後註において、死霊を「はじめたものの終われない」と正直に言っているのは、もうはじめから失敗作というか破綻することをわかって突入する、日本の戦争のような感じと同じである。もしくはいずれ破綻するとわかっていてひきこもるひきこもりと同じである。
     また、小林訳が、それまでの理念を全破壊したと言っているのは面白い。
     取り上げられた詩人では北村太郎が気になったので思潮社で買うことにした。在庫あるかしら。
     「不合理」が詩としてあり、死霊の原型であるならば、死霊も詩として読んでいく試みはできるのだろうけれど、またあれを最終章まで読むのかと思うと、なんか呆然となってしまう。

  • 思潮社という詩を専門とする出版社の「詩の森文庫」とは銘打っているも新書サイズのラインナップから一冊(余談だが創刊後からあまりラインナップは増えていない)。
    埴谷雄高は多くの評論も残した人なのだが、この本では思潮社らしく詩の評論を大まかにまとめたものとなっている。
    ただしポオのような年少期に読んだ推理小説作家なんかも取り上げている。
    何でも論理と詩の融合があるのだそうだ。
    埴谷自身が詩的な部分に重きを置いていることは『死霊』の自序にある「マラルメ的願望」という言葉からもうかがえる。
    『死霊』の世界は『不合理ゆえに吾信ず』というアフォリズム集にその原型はあるそうなのだけど、それを詩集と評価する声もあるようなので必読せねばならないと感じた。
    またボードレールからマラルメといった詩人に関しても埴谷的目線で再読し、より『死霊』の世界観を探求する価値はあると思う。
    他にも知らない詩人を取り上げており、相当詩を読み込んできていることが分かるので、その創作活動のバックボーンを垣間見ることができた。
    (金銭的な)余裕があれば講談社文芸文庫から出ている文学評論集も読んでおくべきだろう。
    というのもmixi・amazon他にレビューが見つからないため、逆に興味が湧いてしまったのだ。
    ことドストエフスキー論は秀逸らしいので所収されていれば買いではないだろうか。

  • 09/2/19借りる。

    穂村弘

    ポーについて興味がわいた。

    言及されている詩人
    高見
    吉田一穂
    草野心平
    岡本潤
    渋谷定輔
    秋山清
    原民喜
    中井英夫
    鮎川信夫
    安東次男
    森崎和江
    小松郁子
    田村隆一
    北村太郎
    吉本隆明
    谷川雁
    黒田喜夫(くろだきお)
    渋沢考輔
    菅谷規矩雄(?)

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