かつらの合っていない女

  • 思潮社
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本棚登録 : 43
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (105ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784783727750

作品紹介・あらすじ

誰も聞いてくれなかった 何度言っても。彼女が叫んで叫んで叫んだのは「狼」じゃなかった 叫んだのは彼女には言えないことだった。(「誰も」)

「絵を見て、文を読んで、また絵を見て・・・と往復していると、いつまでも抜け出せなくなるような呪縛力のある一冊である」(柴田元幸)。大胆な色使いを進めるナンシー・キーファーの絵と、奇妙なリズムや反復を使ったレベッカ・ブラウンの文章とが対話する、暗さとユーモアと烈しさに満ちた鮮烈な共作。

感想・レビュー・書評

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  • 書店でたまたまみつけた。
    タイトルと力強い絵がきになった。

    自分勝手な人が思い通りになるのはそうかもしれない。

  • いい意味で奇妙な作品だった。自分が絵から感じた感覚と似ている文章もあれば、似ていない文章もあって面白い。何度読んでも味わいが深まりそう。
    好きだったのは「老いている」と「目」。

  • 力のある絵と、それを上回る強烈な文章。イメージが動き、周り、さまよい、時に止まる。そんな作品に仕上がっていて、また手を取りたくなる本でした。

  • 溺れているのに苦しくはない、みたいな文章。ただ暗い水の中からは、どうもがいても出られない気はする。

  • 詩のようなテキストとイメージ、女性アーティスト同士の力強いコラボ。
    後書きで「レベッカ・ブラウンは本国アメリカより日本で評価を得ている」それはひとえに翻訳が柴田さんだからだろうね。

  • 散文?詩?

    レベッカ・ブラウンの小説は、いくつか、途中で脱落しながらも読んだ。なんていうか、ストレンジで唯一無二な表現力。

    ナンシー・キーファーという画家の描く絵以上の暗く若く烈しい文章。甘ったるい自分に贈る。

    最後にあった、これらの文の多くはアブグレイブ刑務所における捕虜虐待のあいだに書かれた。というあとがきに衝撃を受ける。

  • 刊行から十有余年を経て、レベッカ・ブラウンと画家ナンシー・キーファーの共作の邦訳が出た。「体の贈り物」や「若かった日々」を読んだのは、もう13年も前の11月、12月、四万十のウルトラマラソンをはじめて完走した後だった。キーファーの絵がすごい!15枚の絵に誘発されて書かれたブラウンの文章は濃密で鮮烈だ!

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著者プロフィール

1956年ワシントン州生まれ、シアトル在住。作家。翻訳されている著書に『体の贈り物』『私たちがやったこと』『若かった日々』『家庭の医学』『犬たち』がある。『体の贈り物』でラムダ文学賞、ボストン書評家賞、太平洋岸北西地区書店連合賞受賞。

「2017年 『かつらの合っていない女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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