おおきな木

  • 篠崎書林
4.16
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本棚登録 : 1760
レビュー : 391
  • Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784784101481

感想・レビュー・書評

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  • 何度目か数えられないほどの再読。
    読むたびに思い出すのは【フランダースの犬】の「おじいさんの口笛」という話だ。
    コンクールに出品する絵は、画用紙ではなくてパネルでなければならない。
    もちろん、貧しいおじいさんとネロに、パネルを買う余裕など無い。
    そこでおじいさんは、ネロに内緒で野菜売り(だったかな?)のアルバイトをして、なけなしのお金をはたいてパネルを買って帰るのだ。
    その道々、おじいさんはあまりにも嬉しくて口笛を吹く。
    ネロの喜ぶ顔を想像すると、楽しくて幸せで心が弾んでくるのだ。
    ネロが言う。「おじいさんが口笛を吹くなんて・・!?」
    何十年も前に見たアニメだが、いまだに忘れらない名場面だ。
    不幸で悲惨な話などではなく、家族の深い愛情の絆を描く、とても幸せなお話なのだ。

    この一冊もそうで、誰かをとことん愛する幸せを描いたもの。
    作者が思想家と聞くと何か作為的なものを嗅ぎ取ろうとしてしまうことも、ままあるかもしれない。
    でも、何度読んでもそれは感じない。
    ただ、白黒の線画ではなくて、もう少し凝って欲しかったなぁと、☆ひとつ減らす。
    それとも、文章に主体を置いているから、絵はこれでOKなのかな。

    木は、ともだちのために、葉を与え果実を与え枝を与え幹までも与えてしまう。
    自己犠牲などという表現は、他人が言えば良いのだ。
    木は、与えることにひたすら喜びを見出していたことが、とてもとても大切。
    だって、それを「愛」というのだものね。
    与えることで、自分の命も輝いていたのだ。

    自分を不幸と感じる人は、奪うことばかり考えている。
    地位だったり仕事だったり他人の夫や妻だったり(笑)お金だったり、時に命だったり、そうそう、図書館の「本」だったり!
    私は「持てる者」ではないけれど、優しい言葉と笑顔くらいだったらいつでも与えられる。
    何しろそれって、お金も労力もかからないし。
    今日も、これからもそうして生きようと、読むたびに思い返す一冊。
    村上春樹さん訳もあるが、こちらの方が断然良い。

  • 大人向けの絵本
    与えることで幸せになる
    母性愛を感じる
    素晴らしい内容だ

  • これは大人の絵本です。
    もちろん、子供も見て楽しめるし何かを感じると思いますが、この本のいわんとしている事が分かるのはやはり大人だろうと思います。
    子供の頃に読んで、そして10年後、20年後、30年後に読んだら、その都度この本の印象は変わるのじゃないかな?と思いました。
    それに、読む時の心の状況によっても受け取り方が変わりそう。

    おおきな木は少年のことが大好き。
    少年もおおきな木が大好きで、毎日木のところにやって来て遊びます。
    でもその関係は少年が成長するごとに変わっていきます。

    読み終えて木や花って、なんて優しいんだろうと思いました。
    いつもこちらに何も求めずに、ただ与えてくれる。
    それをこちらはつい当たり前だと受けとめてしまう・・・。
    少年は最初、この木のところに来たとき、何も手にしていません。
    そして最後のページでも-。
    人生において、たくさんの物を手に入れたい時期もあるし、それを手離していく時期もある。
    そして最後には何ももたない状態にかえるんだな・・・とそんな事も思いました。
    とても静かで深い、いいお話です。

  • 原題"The Giving Tree"の本田錦一郎訳版。村上春樹訳版と比較のため、20年ぶりに再読。とてもシンプルな絵本だが、翻訳者の解釈や意図、言葉遣いでこれ程印象が違うかと感じる。私は本田版の方がしっくり。一本の木は一人の少年のために自分の身を削り、与え続けることを喜びとする。少年は木から与え続けられる一生だが、なぜか彼から木への感謝の表現は見当たらない。美しい献身、母性愛か、寄り添う存在の大きさ、はたまた搾取する人間の醜さか。年齢を重るごとに、私のこの絵本の読み方が異なっていることに気づいた。

  • こどもの頃に出会った大好きな絵本。
    言葉の響きというかテンポの良さが好きで、何度も読み返しています。
    数年前に村上春樹さんの訳で新たに出版され注目を集めていましたが、私はやっぱり慣れ親しんだこちらの和訳の方が好きです。
    ストーリーは1本の木と1人の人間との物語。こども心ながらに木の無償の愛と、人間の身勝手さにとても切なくなったのを覚えています。
    でも最後の「木はそれでうれしかった」ですべて救われた気持ちになります。
    年齢を問わず感動できるお話だと思います。

  • 無償の愛を与え続けた木
    感謝することもなく、ただ受けるだけの男の子
    それで幸せなの?
    と周りは思うけれども
    木は幸せだったと思う。

    男の子とまた一緒にいられる日がきて、木の想いがようやく叶ったんだなと思うと涙がこぼれた。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「木の想いがようやく叶ったんだなと思うと」
      現実には想いが叶わない時もあるのでしょうけど、やっぱり素敵です。
      与えて貰ったら、ちゃんと返せる...
      「木の想いがようやく叶ったんだなと思うと」
      現実には想いが叶わない時もあるのでしょうけど、やっぱり素敵です。
      与えて貰ったら、ちゃんと返せる人間になりたいですね。
      2012/12/08
  • 「想う気持ち」ただそれだけで身を捧げられる、ただひたすらに相手の幸せを思い続けること。

    それが愛なのでしょうか。
    確かに愛だと思うけど、少し悲しい気がしました。

    この木が本当に幸せでも、私はちょっと胸が痛んでしまうのです。

    少年は木の幸せをも考えていたのかもしれないけれど、もしかしたら木にとって別の幸せの可能性を潰してしまっていたかもしれない。


    心が温まるような、でもちょっと悲しい、読み終えた私の中に、とすんと何か重みのあるものを残していったそんな一冊です。

    愛って難しい。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「でもちょっと悲しい」
      傍から見ていると辛いですよね。でも自分自身が何かの理由で、その立場にあったなら、、、それは、それで幸せなのかも。。。
      「でもちょっと悲しい」
      傍から見ていると辛いですよね。でも自分自身が何かの理由で、その立場にあったなら、、、それは、それで幸せなのかも。。。
      2012/09/06
  • 大好きな絵本。
    新訳も出ていますが、敢えて最初に知った方で。
    ぼうやと木のお話。
    ぼうやはだんだんと成長して、恋人ができ、街へ出て、商売をし……。
    ぼうやが大好きな木は、実を取られても、枝を切られても、とうとう切り倒されてしまってもそれで良いという。
    変わっていくぼうやを見守る木が切なくて切なくて。
    でも世の中の親もこんな気持ちで子ども達を見守っているのかな。
    そんなことを思う本です。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「世の中の親もこんな気持ちで」
      そうあって欲しいですね。。。
      「世の中の親もこんな気持ちで」
      そうあって欲しいですね。。。
      2012/08/02
    • 槊さん
      >nyancomaruさん
      こういう無償の愛をみんなが持てれば良いですね。
      そうしたら、悲しい事件も聞こえなくなるでしょうか。
      >nyancomaruさん
      こういう無償の愛をみんなが持てれば良いですね。
      そうしたら、悲しい事件も聞こえなくなるでしょうか。
      2012/08/02
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「悲しい事件も聞こえなくなるでしょうか」
      そうあって欲しいと思います。
      核家族になって、知識じゃなく知恵を授ける人が近くにいなくなり、学校の...
      「悲しい事件も聞こえなくなるでしょうか」
      そうあって欲しいと思います。
      核家族になって、知識じゃなく知恵を授ける人が近くにいなくなり、学校の先生は勉強を教えるコトで手が一杯。人生の先輩の役割が果たせないでいる。悲しい現実です。
      周りの大人が、少し気に掛けてあげるだけで状況は変る。変って欲しいですね。。。
      2012/08/04
  • おおきな愛を感じるのですが、とても切ないお話。
    読んだ後もしばらくあたまから離れず、
    いろんなことを考えてしまいました。

    村上春樹さんの新訳も読んでみたいです。

  • とてもハッキリとした緑の表紙、作者(いかつい外国人のおじさん)の写真に惹き付けられ、扉の「3才〜老人まで」という言葉に興味を持ち読んでみた。
    森のりんごの木と男の子の話。
    何となく木が親で男の子が子供のような気がした。
    読んでいて切なくなったけれど、私は一番最後の文章に救われた。
    今回はほんださんの訳を読んだけれど、次は村上春樹のを読んでみたい。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「次は村上春樹のを読んでみたい」
      私も同じコトを思っています。
      「おおきな木」の旧訳は親元に置いてあったのですが、多分もう読まないんだろうと...
      「次は村上春樹のを読んでみたい」
      私も同じコトを思っています。
      「おおきな木」の旧訳は親元に置いてあったのですが、多分もう読まないんだろうと思われて、預けていた本をゴッソリ処分されてしまいました。そんなコトを思い出して感傷的になっています。。。
      2012/06/28
    • norigami112さん
      nancomaruさん、村上訳を読みたいと思っていたのを忘れてました。思い出させてくださってありがとうございます。
      「処分された」断捨離が...
      nancomaruさん、村上訳を読みたいと思っていたのを忘れてました。思い出させてくださってありがとうございます。
      「処分された」断捨離が流行ってますが、その必要性を自分で判断できずにというのは切ないですね。
      2012/06/28
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「断捨離が流行ってますが」
      置きっ放しになっていたのだから、仕方無い訳ですが、、、図書館に無い本は、もう二度と見るコトが出来ないかも。。。と...
      「断捨離が流行ってますが」
      置きっ放しになっていたのだから、仕方無い訳ですが、、、図書館に無い本は、もう二度と見るコトが出来ないかも。。。と未練タラタラで情けない。
      2012/06/29
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