高田渡と父・豊の「生活の柄」

著者 :
  • 社会評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784784509522

作品紹介・あらすじ

生涯にたった一冊の詩集を残した詩人である父親と、フォークの吟遊詩人・高田渡の物語。盟友・中川五郎の「ライナーノーツ」を付す。

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  • 高田渡と父・豊の「生活の柄」

  • 高田渡は、カントリー・フォーク調のメロディにアイロニカルな詩をのせたデビュー以来かわらぬスタイルで、多くのファン、というより信奉者を魅了してやまなかった。大の酒好きでライブの最中に酔いつぶれて寝てしまうなどの逸話は伝説ともなり、その人間味に「はまった」人も多かった。また、渡は反骨の人だった。彼の反骨精神がどのように育まれたか、その背景を父の豊、祖父の馬吉の生涯にまでさかのぼって解き明かそうと試みたのが本書。

    「タカダワタル的生活」に多くの人が憧れたけれども、とても真似できる生きかたではない。誰にも媚びない生き方をするためには確固たる自己の確立と強い意志が必要だ。渡にとって幼少期の貧乏暮らしがその後の人格を形成した。

    僕たちはいま窮屈な社会に生きている。だからいっそう「タカダワタル的生活」に憧れてしまうのだろう。

    高田渡はもうこの世にはいない。しかし、あの世できっと、自分を慕うすべての人が「タカダワタル」に変身するためのあと一歩の「勇気」に期待して、いまごろ一杯やりながら下界を眺めている気がしてならない。

  • ☆3つ
    2013年のっけの一冊は・・・やはり高田渡カンケーでした。ドダ!いいだろぅ♫
    作者は非常に筆達者な書き手であると思いました。中身は先に読んだ高田渡本人著の『バーボンストリートブルース』やCDジャーナルムック刊の『高田渡読本』からの引用が非常に多いのですが、それらの引用から自分(→本間さん、全く知らん人やけどね) の言い方をうまく導いて表現している。
    わたしがこんな偉そうな感想を書くとちょっと面はゆいのであるが、そのうまい書き方がすべての本なので仕方が無いのである。まあ、ノンフィクション作品なのだからそれでいいのだけれど。
    あと、この本は非常に字が詰まっていて、読めども読めどもなかなかページが進んで行かない。
    200冊/年読破かけこみ達成のために、昨年暮れにガシガシと読んだ三谷幸喜『ありふれた生活』にくらべると、その中身の濃さは100倍くらい違うであろう。要は『ありふれた生活』などは『生活の柄』という名作とは比べてはいけないほど低俗なものだというのが結論なのだ!
    あれ? すまんこってす。すごすご[m:237]。

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