ジェネラリストのための“メンタル漢方"入門

著者 :
  • 日本医事新報社
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本棚登録 : 15
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784784944552

作品紹介・あらすじ

プライマリケアでは、健常と異常の間にいる方々が多く受診します。そういった方々に漢方薬を使ってちょっと下支えしてあげて、異常の方へ転がっていくのを防ぐ。曖昧な精神症状に対して、すぐに抗うつ薬や抗不安薬を使うのではなく、まずは漢方薬といくばくかの精神療法を…。そんな想いから"メンタル漢方"というタイトルにしました。漢方薬は驚くほどの効果を示すことがあります。その的中をもっと広げられたら、より多くの患者さんが楽になるはずです。そのために、一緒に学んでいきましょう。

感想・レビュー・書評

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  • 著者の前作「こうすればうまくいく! 精神科臨床はじめの一歩」がとっても面白く、「もう少し精神疾患の見かたをを深めないと複雑な症例に対応できない」と感じていたタイミングにドンピシャでした。

    今回は、前作が面白かったことに加え、漢方診療も「そろそろ病名処方や簡単な六病位・気血水の想定だけでは対応できない症例に深く介入できるようになりたいし、特にプライマリ・ケア医がみるメンタルヘルスケアでは役割おおきいな」と思っていたところだったので、これまた関心ドンピシャで買ってしまいました。


    漢方を説明する前段として精神疾患の見かたや向精神薬の近い方も説明してくれているのは親切ですが、意外とこの部分のボリュームが厚くて読むのが大変(本題のメンタル漢方に辿り着く前にけっこう消耗する)のと、でもあくまでおまけなので前作に比べると理解が浅いので帯に短し襷に長し感が(前作をガッツリ読み込んだ自分にとっては)ありました。

    また、生薬編が結構ガッツリで、ここも順番に読み進めると気力をそがれるかもしれません。


    しかししかし、それを考慮してもあまりありすぎるほどに「よかった!」です。
    ジェネラリストがみるべき精神疾患を限定し(その理由もとても納得)、それぞれに対しての基本的な戦略を漢方と西洋向精神薬と非薬物療法の3面からバランスよく説明しており、微妙な漢方使い分けの(丸暗記ではなく)戦略が分かりやすかったです。

    このメンタル漢方の章を先に読んでから、適宜まえにある生薬編や疾患解説・向精神薬解説編を拾い読むのが、(著者もそうやって読んでくれって書いてますが)一番使いやすいかなと思います。


    とりあえずこれを読み終えてから、西洋医学でなんともならなそうな患者では舌を見て、漢方的問診を追加して、併用療法(漢方2剤や、漢方+西洋、漢方+小精神療法など)を積極的に行うことが増えた気がします。

    患者満足度や治療効果がどう変わったかの検証は今後ですが、少なくとも自分にとって「臨床が面白くなった」ということは確実に言えます。そういう視点も医学の、というか医者の生涯学習では大事ですよね。


    というわけで、「超おすすめ!」な一冊でした。

  • WM100

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