俺のイタリアン、俺のフレンチ―ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方

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  • 商業界
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784785504540

感想・レビュー・書評

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  • 本書の構成は以下のようになっています(部は私が勝手につけたものです)。

    第一部:俺の〇〇の話
    第二部:ブックオフ創設や著者の生い立ちなど
    第三部:再び俺の〇〇の話

    上記の通り俺の〇〇だけでなく、ブックオフ創業までの過程が詳しく語られていて、中学生の頃から今に至るまでブックオフを使っている自分としては非常にワクワクして読みました。

    本の希少価値ではなく綺麗かどうかで値段を決める、本を綺麗にするための研磨機をメーカーと一緒に開発したなど、興味深い話が多かったです。

    ブックオフを創業した著者が『立ち読みが立ち飲みになった』と回顧していたのには笑えました。
    本のタイトルに『俺のブックオフ』も是非入れて欲しかったですね(笑)

    ブックオフであれ、俺の○○であれ、仕組みを作ると本当に強いと感じました。でもわかっているけどなかなか仕組みつくれないんですよね。

    あと、「レア×レア=超レア」を理解すると、独走できるということが非常にわかりやすく理解できました。これは藤原和博さんも「100万人の1人になる方法」言っていることですね。

    2~3時間で読める割には、濃密な情報が詰まっていて下手な自己啓発本を読むより参考になるのではないかと思います。

  • 印象に残ったこと

    ■戦略は数字で
    先日の経営戦略の授業で、売上を分解する重要性を再確認したが、その最たる例。
    客単価が3000円でも、回転数を4倍に増やせば、フード原価率が88%でも利益が出る!(フード・ドリンク平均原価率は45%、席数50席で売上1440万、利益240万。通常の高級店では、フード原価率30%以下)

    ■仲間の存在
    フレンチ・イタリアンに興味がない坂本社長が「俺の~」を成功できたのは、仲間の存在が大きい。
    戦略を数字で語れる元証券マンの安田さん、料理人であり、料理人達と坂本社長の通訳となる森野さん。

    ■働く人の想いを叶える
    顧客のニーズだけでなく、社内で働く人の想いが実現するような組織に。一流の料理人は、原価率、味、労働時間等、妥協しなければならない状況を経験した人が多い。そこに着目し、料理人に裁量をもたせ、アイディアと技術のある料理人が十二分にその腕を振るえる環境を用意する。その代り妥協はさせない。物心両面の幸福を追求することを企業の目的とし、繰り返し、伝える・実践する。

    ■競争優位性
    坂本社長の「利他の心」とスピード感。(73歳とは思えない)
    今はブルーオーシャンかもしれないが、模倣困難性はそこまで高くないと感じた。
    しかし、業界のリーダー企業として、他社が参入したいと思わないことも含め、どんどん新しいことを実施していく。店内でJAZZを演奏する店舗を作ったのは、ミュージシャンに機会を与えたい、お客様に最高の音楽と食事を楽しんでもらいたいという想いから。(競合は、グランドピアノではなく席を置き、利益をあげたいと思うかも)
    ものすごいスピードで変わっていく会社を目の当たりにし、いつの間にかトップではなく、社員が自分の夢を語るようになっている。そんな組織文化を創りあげたことが、「俺の~」の競争優位性となっているのではないか。

  • ブックオフの会長を辞任後、JALの再建を託された稲盛和夫氏に影響を受け、再び企業を決意。
    ・なぜ未知の飲食業界を選択したのか。
    ・現在のビジネスモデル(競争優位性を次々と創出し、競争相手の模倣障壁を高くする)をどうやって創り上げたのか。
    ・なぜ一流シェフが次々に「俺の株式会社」に転職するのか。
    筆者のこれまでの様々な試練、ビジネスの教訓なども描かれており、非常に読み応えがあり、感動できる作品でした。
    人気ブロガーのちきりん氏が当作品の紹介の中で、ビジネス本で涙したのは珍しいと言っていたが、読んでるうちに頷けた。自分もちきりん氏とは違う内容の所でだが、社員の会社への想いに目頭が熱くなった。どうしてここまで決意できるのかと・・

    以下本文より引用
    ・絶対にオンリーワン、ナンバーワンではないと生き残れない世の中だ。
    ・声というのは、自分の仕事を愛して、誇りを持っていなければ出てこないもの、やらされているだけ、という感覚の仕事では、声は出せない。
    ・「この環境でやるしかない」となればできちゃう人、要するに知恵を絞り工夫することができる人が集まってくる。スキルを磨くために、ある一定期間で量をこなす能力を絶対につけないと、匠になれない。

  • 店が4回転するならばフード原価率を88%にしてもお釣りがくる。ミシュラン三ツ星の高級フレンチはフード原価率18%と言われている。料理人の腕がいい分、原価率が低い。

    文章と哲学は、ーん、だけれど現実が走っていて楽しそう。

  • 行ってみて凄く良い店だったから読んでみた。働いてる人が幸せなら良いけどなぁ。

  • 従業員、フランチャイジーを大切に想う姿勢。今でこそエンゲージメント経営、エンプロイーエクスペリエンスが謳われるが、10年以上前からこの姿勢を貫いていること、そして成功を収めていることが素晴らしい。
    ブックオフでのフランチャイズ展開の際の心構え(会社が保証人になることもあったとのこと)や、料理人・音楽家の給料を上げたいとの思いからも見て取れる。


    また、「自らすべて0から編み出す」ではなく「いいものは積極的に取り入れる」姿勢は見習いたい。
    稲盛和夫の言葉を社員に受け継ぐ、イトーヨーカドーの唱和をそのまま用いるなどなど。。
    稲盛和夫の「利他」は1社員としても実践を心がけていきたい。


    一度は文春砲でビジネスの場から去ろうとしたブックオフ創業者の著者が、比較的短期間で俺のシリーズで大成功とは。。(そして還暦を超えている。。)
    生粋の商売人だとも思うし、やはり稲盛和夫や右腕である料理人/証券マンの存在も大きいのだろう。人とのつながりは自分も大切にしていきたい。。。


    あえてネガティブな点を挙げるなら、
    坂本さんの自叙伝としては興味深いが、戦略本としては少し物足りない。
    タイトルにもある「競争優位性のつくり方」の詳細な手法が描かれているというよりは、「利他」「従業員最優先」などのマインドの話が多い。

    とはいえ、
    こんな本読まされたら俺のシリーズに行きたくなる!
    まずは王道・俺のフレンチにいってみようかな
    (と、なる時点で著者の勝ちだな)

  • 少し内容は浅い気がしました。
    どういう経緯でオープンできたのか、
    歴史的背景はわかりましたが、
    もう少し、壁のぶちあたりだったり、
    詳細な考え方を知りたかったです。

  • ブックオフの創業者である著者が、これまでの常識を覆す原価率60%の立食形式イタリアン「俺のイタリアン」をどのような考えのもとに誕生させたかという話から始まり、著者の半生を振り返りつつ、稲盛和夫氏の「利他の心」で経営を軌道にのせたという内容
    「俺のイタリアン」の設立秘話的な感覚で面白く読めた

    「72歳ですが、まだまだ若造です。」
    この謙虚さには頭がさがる。おそらく向学心や向上心も素晴らしいものをお持ちなのであろう。
    本書も根底にそのようなものを感じながら興味深い内容でした

    ただ、タイトルには「ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方」とあるが、著者の過去を振り返りつつ、結局『「利他の心」が競争優位性をもたらした』、つまり稲盛和夫氏はすごいという話だけで終わってしまいます
    稲盛和夫氏の著作を何冊か読んでみて、この人がすごいのは、まさしく「戦略は細部に宿る」というか、すべてに理由があるという考え方と感じました
    ですから、「利他の心」を持ったから「うまくいく」というのはなんか違うように感じます

  • 俺のイタリアンを残念ながら知らないので、お店の素晴らしさがわからない。コロナ終息したら行きたいな。
    稲森氏の著書も読みたくなった。

  • 競争優位性をいかに多く作ることができるか、この一言に尽きる。通常、ミシュラン星付きの店で修行したシェフの料理を食べようと思うと、いくらか高価になると考えがちである。しかし、著者は立ち食いにすることにより価格破壊を起こして他店では真似できない優位性を作り出した。また、従来のレストランで働く腕利きのシェフが抱える労働環境に対する不満を解決してあげることで、他店にはない活気が生まれた。また、フランチャイズ経営を採用したときも人の育成に注力し、決してヘッドオフィスだけが力を持ちすぎないようにした点も彼の師匠稲盛氏から学んだ点が生かされているなと感じた

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著者プロフィール

俺の株式会社代表取締役社長。1990年ブックオフを創業。16年間で1000店舗まで拡大、書籍流通に革命を起こす。2011年9月、東京・新橋に国内外の高級レストランで技を磨いた料理人により、高級レストランの料理を半分以下の価格で提供する「俺のイタリアン」を開店。大繁盛店になり、以後「俺のフレンチ」や和食店、中華料理店も展開。

「2014年 『俺のフィロソフィ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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