産業再生機構事業再生の実践 (第3巻)

制作 : 産業再生機構 
  • 商事法務
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本棚登録 : 92
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784785713607

作品紹介・あらすじ

事業再生市場の確立を期して。産業再生機構のプロフェッショナル・スタッフである事業、金融、証券、財務、会計、税務、不動産、法務等の専門家が、機構業務の実務を詳述し、今後のわが国事業再生に必要なノウハウを提示する、実務家座右の書。

感想・レビュー・書評

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  • 全3巻の中の最終巻に当たるこの本で、いよいよ事業再生計画の実行フェーズに移る。

    前半は、財務の面での再生計画の実行である。

    債権者やスポンサーとの調整がしっかり行われていても、実際に財務のリストラクチャリングを実行すると、計画通りに資産や事業の売却が進まないこともあり得る。

    そのような事態において、当事者間での約束事を実際にどこまで再調整するのかなど、実務に沿った内容がきめ細かく説明をされていた。

    そして、後半の事業面での再生計画の実行は、会社の経営改善の取り組みそのものである。

    現場に強くコミットし、スピード感を持って様々な施策を実行していくことの重要性が説かれている。

    マーケティング戦略や組織体制の見直しなど、事業や会社を組み立てている一つひとつの要素の見直しや改革は当然必要になってくるが、それらのビジネス上のスキル以上に、困難な状況に置かれている会社と社員を率いて、短時間で成果を上げていくターンアラウンドマネージャーの人間的な力が、とても大切である。

    全3巻を通じて、事業再生のプロセスを計画し実行していくという困難なプロセスをやり遂げるためには、中立的な立場から厳しく状況を見つめ、合理的で説得力のある計画を立案し、それを既存の当事者に忖度することなく、目標に強くコミットして進めていく役割が不可欠であるということがよく分かった。

    産業再生機構の意義もまさにそこにあったのだろう。同機構が政府の出資を得ながらも民間の人材中心に作られたこと、5年間の期間限定の組織であったことなども、そのような役割を貫徹するためには重要なポイントだったのだと思う。

  • 旧産業再生機構の出版シリーズ最終刊。
    感想。財務リストラの章はビビっとこない。ケースバイケースで一般化しにくいのだと思う。再生計画のモニタリングの章は事細かに記載あり、ただこの章もどうしても表面だけになっているように思う。重ね重ねだけど、やはりノウハウを一般化するのが難しい業務なのだろう、一つでも多くのケースを経験するなかでしかノウハウは身に付かないのだろう。
    備忘録。
    ・機構の出資する優先配当株の配当金は、社債のクーポンに近い性質を繁栄させつつ、業績連動型にすることで工夫。
    ・当たり前の事を当たり前にやることが事業再生で大事なこと。それが出来なかったから再生が必要になった。
    ・再生計画の中では財務リストラ、事業リストラ、組織改革、戦略策定、組織再編、全て同時平行で進める。優先順位をつけるとし、劣後部分を設けるのは言い訳に過ぎず、そんな組織だから再生が必要になった。
    ・タイムリーなモニタリングを続けるには、月次決算等のデータが直ぐに集められ、共有できるような管理体制が必要。大抵それができていない。
    ・モニタリング期の人件費と人事考課は慎重に。人件費削減がトップラインの減少やモチベーション低下に繋がってしまうとつらい。
    ・再生にウルトラCはなく、再生計画がスタートしたら、一つ一つ根気強く積み重ねていくことが求められる。

    そんなとこ。

  • すごい実務本です。

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