聖・高校生 (8) (ヤングキングコミックス)

著者 :
  • 少年画報社
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本棚登録 : 111
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (164ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784785925536

感想・レビュー・書評

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  • 「どう見られるか」ではなく「どう見せたいか」。軸を「誰か」から「私」に変えると世界が変わる。

  • 購入。

  • 濃ゆい。特濃4コマ漫画。全11巻。レビューは全体の感想。
    ヤラレチンの高校生・聖と、病んでるエロいぶっとんだ人々のお話。

    主人公が巻ごとにイメチェンならぬ整形していく。
    性格はいじめられっこベースで惚れっぽい偽善者。
    利用されまくりでも人を憎まない素直さがとりえ。
    最初から読んでるとペコちゃん登場あたりで
    『女に上辺は優しいイイ男に育ったのう(´∀`)』
    となんだかシミジミした…が、またすぐさま残念さを取り戻していく。
    三歩進んで二歩下がるとこがリアル。すごく男くさい。
    好きだとか愛してるとか、そういうのも流されてすぐ忘れるとことか。
    欲望に忠実で、下半身が本体なところとか。
    そういう所を訳有りの女たちにつけこまれて問題に首つっこんでいきつつ、
    彼は地味に育っていく。

    読み始めは、鮎子のシーンまであまり過激描写もなくギャグ調。
    血まみれの鮎子が「終わったならどいてくれる?」と死んだ魚の目で
    頼むシーンでこの漫画の面白さに気がついた。
    好奇心や甘えで事態を招いたのだから、自身が辛くとも一方的に相手を責めないけれど、でもきっちり軽蔑や失望はしますよというスタンスが、あの一言にこめられている。
    大好きな人間を自分の欲望の為に好き勝手にして浮かれ、
    現実と向き合ったときに後悔のカウンターを食らう聖。
    あのシーンは背筋をぞっとするものが這う。
    でも実際よくあるよねこういう事。超リアル。

    ラスボス扱いの美園先生は、最初はただのエロいけど面倒みのいい教師なんだけれど、途中から根底の冷たさを顕にしていく。
    彼女の趣味の秘密が明かされるシーンは衝撃的。
    「わたしは誰も好きにならないの」
    は拒絶の言葉として、すごく残酷で優しくて孤独で闇が底知れない。

    聖の失踪ヒモ生活中に出会った夜人々は、キャラみんな自己中の病んでる根暗なんだけど、それぞれ強く生きていて癖があって魅力的。
    この漫画にただエロイだけの人っていない。
    それぞれコンプレックスやトラウマで溢れてる。
    (でもレイプ率と処女率ちょっと高すぎないか?)

    レズビアンの実紅が、彼女の愛するジュンの為に、聖にオムレツの作り方を伝授するシーンは母性を感じた。
    愛する人のために去るけれど、自分がいなくても平気なように他の男に面倒の見方を仕込む。
    かといって愛する人も、まかせる人も、信頼はしていても信用してるわけでもない実紅。
    同じジュンを愛してる実紅と聖だけれど、できる事と覚悟のレベルがケタ違い。
    そもそも実紅がいなければ、聖がジュンを好きになる事もなく、
    ジュンが聖に心を開く事もなかったんじゃないか。
    聖はジュンと愛し合ってると感じたけれど、
    実紅が育てて見初めた要素にジュンが気をもったのであって、やっぱりジュンを支配してるのは実紅だけかと。
    でもそう行動しつつ実紅は
    「一人で立てない奴は
    二人で支えあっても
    支えるのに精一杯で
    所詮何も出来ない。」
    って理論持ってるのがまた。

    ジュンもかっこいい女だー。パンクなお嬢様。
    破天荒で奇天烈で自由人で、しかし過去をしっかり見つめて戦ってる。
    「どうなったら解決といえる?
    どうしたって無かった事にならないのに?
    聖は八方美人で甘ちゃんで偽善者。」
    となじる。同じことチカも言ってたけど。
    聖のテーマでもある「偽善、自己満足」をもっとも浮き彫りにして、
    もっとも嫌悪しているのはジュン。
    やってあげた感を求めて、自己満足を乞食する人間は多い。
    助ける事も受け止める事もできないくせに、
    無力な自分を認めたくないが為に他人に偽善の顔をする。
    相手がヘナチョコすぎて、すがれないし、そもそも求めてない。
    それでもお愛想振りまいて、相手の欲求満たしてあげる。
    ジュンは強くてかっこいい。

    チカと龍人は過去の亡霊に取り憑かれた人々で
    みんなで傷を舐めあいながらも大人らしく生きている。
    マダム・チカが聖を調教するシーンはガチSMでかっこ良かったー!
    相手の様子みながら、ロウソクとか鞭とかプランとか練って行くんだけど、
    その緊張感と配慮と攻撃が、命かかってるだけあって重くて醜くて美しかった。
    メスの匂いで気力を取り戻させようとか、知的文化SMと動物的本能を混ぜあわせた高等テクすぎる!!針習いたい!

    でも一番びっくりしたのはチカの
    「真性Sの女は3%しかいない。残りは仮性S。」
    という情報だった。少ないとは思っていたが、そんなに少ないのか。

    一番好きなのはペコちゃんと加藤。
    ペコちゃんはめいっぱいの可愛いが詰め込まれてる。
    背伸びした強がりも、女々しさも、あどけなさも、
    脳天気で将来大物になるだろう空気も、とにかく可愛いキャラ。
    屋上でオナってる聖を笑い飛ばしながら、パンツまるみえで
    あおげばとおとしを歌いあげるペコちゃん。
    パンクな生き方をしてるジュンに憧れ、
    聖を好きだと自分に暗示をかけて彼女ごっこをし、
    とにかくハッピーに生きながら崩れてリスカに逃げ、
    聖に顔も思い出せなくなられて放置されるっていう……
    美少女で人気者なのに脇役で不憫だよ!
    聖を傷つけなかったのは、ペコちゃんだけだと思う。
    股から血を流して発見されて以来、手がだせなくて、捨てられる加藤も不憫。
    「当たり前のように好きだ」とサラっと認めれる加藤こそ一番男前キャラなんじゃないか?
    このカップルには幸せになってほしい。

    美園と聖の最後の絡みは、壮絶だった。
    ドンガラガッシャーン!って感じ。
    黒いよ!ずっと黒いコマだよ!阿鼻叫喚だよ!
    でもあれくらいの激しさがないと終われない漫画だった。
    よくまあ未完にせず、ここまで描いてくれたなーと作者に感謝したい。

    ……でもそのうち美園は聖を捨てるし、聖も他の女に流れると思う。

  • ジェットコースター並みの4コマ

  • この巻での聖は一年休学扱いにより19歳高三の夏休み。メインの話は美園先生の壮絶な過去…徐々に明らかになる謎。
    聖や美園、チカ、龍人のこの先の
    展開は…まだまだ波乱ありそうだ。18禁指定でも15禁指定でもありませんが、相当に過激な内容なので注意です。

  • 4コマですが、内容は深いです。
    そしてなかなかエロいです。
    でも面白いんです!!

  • 4コマ漫画!けど4コマ漫画じゃない!!そこら辺のストーリー漫画よりも深いです☆自分の知らない現実世界を見ることができます♪エロく切なく妙に生々ことがあったりと(^_^;)初期はほのぼの系なんでホスト辺くらいから読むのがベターです♪

  • ISBN4785925531
    2005年8月15日初版 667円(税別)<BR>
    【ストーリー】<BR>
    予備校で美園とついに再会。連れ立って川原へ。その晩はそのまま別れるが、幸せいっぱいの聖と、傷に触れられた美園の憎悪という真逆の感情を抱え二人はそれぞれの夜を過ごす・・・。<BR>美園の過去編再スタート。チカ、龍人、そして高瀬の過去が明らかに・・・。<BR>その後現在に戻り、ラブホでバイトする聖がオーナー室で一風変わったバイトをさせられてしまう。<BR><BR>
    【感想】<BR>
    高瀬先輩と美園の過去が明らかになって色々感慨深い一冊。相変わらず重いドラマ性とテンポの良い軽妙な4コマの手法が絶妙にマッチしていて興味深く読ませます。面白かったです♪

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