惑星のさみだれ (9) (ヤングキングコミックス)

著者 :
  • 少年画報社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784785933852

感想・レビュー・書評

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  • 11体目の泥人形が撃破され、昴と雪待、そして夕日によって新たな希望が示された状況。だからこそ、本来始まるのは最終決戦なの筈だけど……。アニムスが最後の泥人形に時間を掛けたために嵐の前の静けさのような時間が9巻の前半では描かれる
    その中では良く判らない存在のまま物語の中心に居たアニマとアニムスの過去話も遂に語られる

    あまりに強いサイキックを持つために自分を特別だと感じるようになっていたアニムス。それでも一応普通の子供として過ごせていたのは自分と似た存在でありながら、自分を特別と思わないアニマの存在のお陰かな?
    でも、その状況も院長先生の一言によって脆くも崩れ去ってしまったのは悲しいところ。神様であるならば人とは違う存在であり、並び立つ誰かは要らない。だからアニムスは地球を壊し、更に過去の地球すら壊そうとする。そこに人間らしい常識はない
    そんなアニムスをアニマは止めようとする。でも、そこで常識をかなぐり捨ててアニムスを止めたら、人を辞めたアニムスと同じになってしまう。だからアニマはルールを持ち出した。自分は神様じゃなくて人間だからルールの中で戦おうとする。

    その後に描かれるアニマとさみだれの出会い。これは物語初期の頃からあった幾つかの伏線を解明するになったね
    自分の病気のせいで家族を苦しめている悪い子だという認識を強く持っていたさみだれ。だからアニマが「願いを叶えてやる」と誘っても何も願わない、望まない。寂しい筈なのに家族を自分のもとに引き止めることも、家族が忙しくなる原因の病気の快癒も望まない。子供離れした子供
    そこに現れたのが夕日であったというのは何とも運命的。この頃の夕日は警察官である父親に憧れ大人になろうとする子供。それは割と普通な子供の姿では有るけれど、同時に同年代からすれば頼りになる姿でも有る。
    自分の力で自分の憧れる姿になろうとし、時には大人のアニマにも反抗する夕日の姿はさみだれからすれば世界への認識を変えるきっかけになる。何かを欲しいと思う欲求が生まれる

    そういった状況が描かれた後に始まるのは最終決戦なのだけど、最終決戦に向かう前の騎士達の様子が情緒に溢れている。最終決戦を行う日であっても、普通に起きて普通に食事をして、明日の話なんかもしてしまったり、道で会えば雑談なんかもしてしまう。
    どこか緊張感がないけれど、日常の光景と非日常の最終決戦が分け隔てられたものとして描かれていない様子はとても好感が持てる

    最終決戦では難しいことなど何もない
    それぞれが培ってきた持てる力の限りを発揮し、12体目の泥人形に立ち向かう。その中で2度も放たれる『流れ星の矢(ネガイカナウヒカリ)』は希望有る明日を引きようせようとする強い意志を感じさせる。特にそれを子供組である昴と雪待が中心になって行うという展開は子供はいつか大人になるのだと伝えてくるようで感慨深い

    泥人形を倒し、今度はビスケットハンマーを止めるためにブルースドライブモンスターの中に入った夕日。その中でブルース発動の為の工程がまた素晴らしい
    何もない宙空に足を踏み出す確信の力、道中に夕日が拾う過去と未来の自分。それらは様々な過程を経た夕日だからこそ、踏み出し手を伸ばせるもの。その果てにブルースが発動する展開は熱いね
    ……まあ、さみだれがそれ以上に熱い展開をぶちかますんだけど

    泥人形、ハンマーを砕いた後に残るのはアニムスの意志。それを砕くことで悪の魔法使いを倒す物語は終わる
    でも、強靭な泥人形を作ってきたアニムスだからこそ簡単に戦える相手じゃない。それこそ死力を振り絞っても足りない
    ここで新たな境地に至るのが子供組の太陽であったというのがこれまた素晴らしい!未来を掴むためにアニムスへの反抗を選んだ太陽。彼の成長を感じさせるね

    ここまで来れば打ち破れない壁はない。また、それぞれの成長がこれでもかと描かれることで逆にアニムスの子供っぽい面が強調される構図は面白い
    子供っぽさを露呈した彼は最後の最後でさみだれを恐れるあまり、詰めを誤る。

    遂に倒れるアニムス。ただ、これで物語が終わるというわけでもないのが本作の奥深いところ。
    悪の魔法使いから姫を守る物語は終わり、姫が地球を砕く物語が顔を表すわけだね

  • 面白い。
    ひとりひとりの決死の選択が、凄くかっこよく映る。
    最終巻の前巻は次が読みたくて毎回語彙力無くなりますが、今回もそういう感じで。
    彼らの結末を見届けたい。

  • ついにラストが近くなってきました。
    次の巻は泣いてしまうかもしれん。

  • コミック

  • はー−−−−−、超面白い。
    さあ、どんな結末が待っているんだ!!!

  • ついにアニムスとの戦いに決着!!サイキックの兄妹から始まった長い戦いはついに終わりを告げました。
    しかし、惑星を砕く物語は最終章へ!!さみだれが、夕日が、果たしてどのような結末をつけるのか?

  • 太陽が宿題を終える1巻

  • 最終決戦。あと一巻残っていますが?
    いやーみんな強いな

  • すごい、すごい漫画だ。次の巻が待ち切れないのでもう感想は割愛。

  • 惑星を砕く物語、アニマとアニムス・さみだれと夕日の過去編。そしてついに最終決戦開始。
    二つの過去編でどんどん伏線が回収されていくのがたまらない。今読むと今までの流れが一本の線でつながっていくかのようでとても心地よい。これを読んでこそ、読者は気持ちよく最終決戦に望める、という内容なのは間違いない。
    そして最終決戦。見所いっぱいだけど、個人的には獣の騎士団対アニムスが一番燃えた。個人個人が力を結集してアニムスに立ち向かっていく、その姿がめちゃくちゃかっこいい。太陽の願い事のシーンは迷いながらも決断した太陽がちょっと輝いて見えた。
    10巻はいよいよ本当の最終決戦。素敵なラストを楽しみにしたい。

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