惑星のさみだれ (10) (ヤングキングコミックス)

著者 :
  • 少年画報社
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感想 : 69
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784785935184

感想・レビュー・書評

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  • >あんな凄い物語があったのに
     それが終わったのに
     ぼくらの人生は10年たった今でも
     相変わらず続いている


    という00年代最高の少年漫画のひとつ、その最終巻。
    ジャンル的にはSF青春超能力バトル。

    全10巻の作品は名作というのが漫画界の通説ですがご多分に漏れず素晴らしい作品。
    著者のその後の作品も名作ぞろいで大好きです。
    背景のSF設定がいつもいいんですよ。

    DLsite comipoで明日まで無料。本棚に手を伸ばすより気軽に読めてしまいますよ!

  • 友達に貸してもらって読んだ漫画。
    結果、自分でも全巻買うことに。

    こんなにベタで王道で完璧な漫画は初めて。

    キャラクターすべてを好きになれて
    伏線の回収もあって
    笑って泣ける
    本当に最高な漫画。

    この漫画の大人論はずっと
    心に置いておきたいと思う。

  • すごい、本当にすごい。心にズガーンときた。これまでも所々で涙するシーンはあったけど、最終巻では始まって数ページから読み終えるまで本当に泣きっぱなしだった。

    この漫画の何がここまで心に響いたのだろう。話自体は超々王道。ヒロインであり姫であるさみだれとそれを救い出そうとするヒーローであり騎士である夕日の話である。

    まずこの漫画は誤魔化すということがない。それはどういうことかというというとキャラクターの成長、葛藤、苦しみ、悲しみ、人が死ぬということ、行動の理由、etcetc………作中に出てくる要素、その全てを余すところなく描き切っているということだ。この漫画には12人の騎士と一人の姫、そしてそれを取り巻く何人かの人物が登場している。それらの登場人物たちの生き様の全てを描き切っているて勢いや雰囲気で誤魔化すということをしないのだ。だからこそこのキャラクターは何が楽しくて笑っているのか、何が悲しくて泣いているのか、何に怒って何を欲しているのか、それらが強く伝わってくる。

    だから一見すると単なる爽快バトル漫画のようであるこの漫画は、実際は一話目から最終話に至るまで非常~に丁寧な心理描写や綿密な伏線を経た物語構成によって成り立っているのだと思う。だからこそ物語の終演がこうも心に迫る。

    なんというかこの作品は全10巻のどれひとつとして、どの1ページとして欠けていい部分が存在しないと思う。物語の全体が本当に完成された作品として出来上がっているのだ。この10冊で最高に綺麗に完結している「惑星のさみだれ」という物語なのだ。

    漫画としても、物語としてももはや文句のつけようのない紛れもない最高の作品だった。

  • とある人のオススメマンガだったので気になっていた作品。
    一気に1巻から10巻まで読了。今は最終話を読み終わった余韻で自分の中の評価がやたら高いですが、今まで読んだ漫画作品の中のベスト10には確実に入ってきます。
    色々と良かったところがあるので列挙していきます。

    1.主人公とヒロインが魅力的
    なんといっても、ここでしょう。意志を言葉にする描写がとても多いのですが、それが熱くてたまらなかったです。
    また、この作品はバトル物のマンガなのですが、ヒロインの安定した強さが読んでいて安心させてくれます。主人公がエースになっていく過程も良いですね。

    2.サブキャラが魅力的。
    ここが他のマンガとは違うところなのかなと思います。
    10巻65話?程度の長さのマンガにしては、各キャラが立っています。なおかつ主人公がインフレかまして置いてけぼりになるパターンではないマンガのため、最後まで各キャラが個性を生かして輝き続けていました。

    3.戦略重視な戦闘。
    掌握領域というオーラ?を用いての戦闘となっています。
    この使い方が上手いですね。修行や戦いの中で各自必殺技を編み出していくのですが、それぞれの必殺技の効果にキチンと特性が付与されている上に、その特性を生かした最後のあのシーン、カッコ良すぎです。

    4.ライバルとのラストバトル
    これ、結構多くのマンガでは描写されないんですよね・・・
    見たかった。悟空とベジータの天下一武闘会。太公望と申公豹の一騎打ち。ニケとレイドの、ギリ討伐後の戦闘。
    それをキチンと、すべてが終わったあとに描いてくれる水上さん。あの言葉は要らない空気感は良かったです。

    5.主人公たちのその後の話
    作者はこれを描きたかったみたいですね。なので、流石に上手くまとまっています。キチンとハッピーエンドにしてくれたのも良かったです。ヒロインの母親のページで、次のページにはハッピーエンドかバッドエンドか分かるというシーンがあったのですが、祈りましたよ、ハッピーエンドを。バッドエンドは基本的に嫌いなのです。空想の中はハッピーでいいじゃないか。

    6.ラストを見据えた伏線が序盤からガッツリ
    世界を破滅させる存在を倒した後に、主人公が12人の騎士団の仲間を裏切って戦うことになるという説明が1巻からあるのですが、それが最終巻で回収されます。この設定がなかったら陳腐なマンガだったのかもしれないほど、大きな意味を持った設定でした。

    ごちゃごちゃしてきたのでこのへんで。
    いやー、今のところマンガベスト3に入るな。

    • aruknoさん
      聞仲はラストシーンでそういうかかれ方されちゃっているけど、太公望のライバルと言うよりは西岐vs殷、崑崙vs金鰲という意味での知力戦のライバル...
      聞仲はラストシーンでそういうかかれ方されちゃっているけど、太公望のライバルと言うよりは西岐vs殷、崑崙vs金鰲という意味での知力戦のライバルだと思うんだ。しかも妲己のがウワテな描写だし。
      しがらみのない単体同士のライバルとしては太公望vs申公豹。最後まで強キャラとして対峙していたというところが全てだと思うよ。楽しみはとっておくということで戦闘描写されなかったのが残念。10年後、20年後に2人が激突するシーンが蛇足でも欲しかったのだ。太公望も伏羲以降結構好戦的になってたし、いつか戦うんだと思うんだよな。
      2012/02/04
    • lidomさん
      何かを背負っているもの同士が譲れないことのために戦うから熱いんであって、最強キャラ同士であっても理由がないなら熱くないだろう。
      スポーツとか...
      何かを背負っているもの同士が譲れないことのために戦うから熱いんであって、最強キャラ同士であっても理由がないなら熱くないだろう。
      スポーツとかで選手の実力でなく物語性を必要以上に強調することに批判的だったけど、自分の中にもそれを求める気持ちがあったんだな。

      それと感想書いてるうちに評価が上がっていくのはライブ感があっていいな
      2012/02/07
    • aruknoさん
      どもども。
      そうか、背負ってるものか、その考え方はしてなかったな。

      「世界を滅ぼそうとしていた魔王を倒しました。世界に平和が戻りました」と...
      どもども。
      そうか、背負ってるものか、その考え方はしてなかったな。

      「世界を滅ぼそうとしていた魔王を倒しました。世界に平和が戻りました」となったときに、ライバルと共闘していた理由が消え去る。だから、そこから主人公vsライバル戦に行くのが自然な心情描写となるはず。よっぽど馴れ合いな仲間関係になっていない限りは。ブウ編の悟空vsベジータは結構いいけど、横槍が入る環境になっちゃうから、やっぱラスボス倒した後だよ、戦うのは。その戦闘描写ってマンガの物語序盤での戦闘環境に近い(純粋に強い奴と戦うだけで、世界を背負っていない)から、マンガの雰囲気が昔に戻るんだよね。ドラゴンボールGTのラストの悟空vsクリリンなんか、ちょっとベクトルが違うけど雰囲気が無印ドラゴンボールになってるって点で同じかな?そういうシーン好きなんだよなぁ。
      2012/02/07
  • 遂に物語は最終巻。と言ってもラスボスは前巻で倒したからこの巻で描かれるのは裏ボスとの戦い、そしてそれらを倒した後の物語

    まずはアニムスの死に様から。
    院長先生の「神様」発言から暴走を始め、誰にも止められないまま地球を壊し続けたアニムス。そんな彼はアニマによって地に縫い付けられようやく暴走を止める
    このシーンでの注目ポイントはやはりアニムスの転生先についてか。これまでの描写、そして前世の業を償うのに500年掛かるというアニムスの発言。つまりはそういうことだよね
    転生先でアニムスは望んだ通り全てを知る者になったというのに、そこで知ったのは全知など下らないということだった
    稲近が遺言としてアニムスへ「私達は人間だ」と届かないと判っている言葉を送った背景を考えると、どれだけ稲近が前世の業を悔いているかが伝わってくる。死に際にアニムスが言った通り、稲近は500年掛けて自分が全知の神ではなく無知の人であると悟り、前世の業を償ったのだろうね


    アニムスが消えた後から始まるのは物語の裏に隠されていたもう一つの物語。
    仲間たちの前で地球をぶっ壊すと宣言したさみだれ、それを支える夕日。これに対し、南雲と八宵が立ちはだかるのだけど、二人はアニムスを相手にしたように倒すつもりはない。止めるつもりで居る。対する夕日も二人を倒すつもりはない。力を使い切らせれば良いと考えている
    何故なら夕日は自分一人でさみだれを止めるつもりで居たから。ここに来て夕日の真意が明かされ、さみだれ視点で夕日の心情変化が語られるシーンは鳥肌モノだったな

    騎士としてさみだれに最も早く出会った夕日。9巻では過去にも出会っていたことが明かされる。更にこの二人は一緒に成長してきた。というより、夕日はさみだれと過ごす内に少しずつさみだれの為のヒーローになっていった。思い悩むさみだれに言葉をかけたり、さみだれの願いを叶えるために共に行動してきた。それでいて、さみだれが母との距離に悩み逃げようとした時には彼女と同じ距離を飛んだ上でさみだれが家へ帰れるように手を繋いであげた
    思い返してみると、夕日は時間を掛けて少しずつさみだれに相応しい男になっていたのだと判る。ただ、そんな夕日でもあまりに強すぎるさみだれを止めることは叶わなくて

    元から地球所有の願望が有ったさみだれ。それだけであれば別の幸福を与えれば彼女は止まったかも知れないが、却ってその幸福感が病によって人生が早く終わると決まっている残酷さをさみだれに突きつけてしまう。余計にさみだれは止まれなくなってしまう。
    だからさみだれを止めようと思えば、それは物理的な強さではなくて、単純にそれらの残酷さを越えても手にしたいと思えるような幸福をさみだれに示すことだったのだろうね
    夕日がどれだけ強くなっても、ノイが黒龍を継いでもそれだけではさみだれの孤独に届かない。だからこそ他の騎士達が力を合わせて更に夕日が高く飛べるようにする必要がある
    さみだれよりも高く飛び、その上で「ぼくがついてる」「一緒に生きて一緒に死のう」と夕日は優しく告げる。誰にも手に出来ない地球の所有を望んださみだれは、地球よりも大切だと思える夕日を手に入れることでようやく止まるわけだね。この一連の流れは二人の関係の集大成と言えるもの

    こうやって美しく纏まったのだから、物語としてはここで終わって良い筈なのだけど、63話から始まるのはアフターストーリー。それも何年か経ってとかではなく、戦闘直後の後日談
    他の騎士達はパートナーの獣との別れを悲しんでいるというのに、それ以上に夕日と三日月が望むのは最高潮に到達した自分たちの強さを確かめ合うこと
    ラスボスも倒して、裏ボスも止めて、間髪入れずに男同士の殴り合いが始まる展開は斬新すぎる(笑) しかも何時間も続くものだから、他の騎士達は終わるのを待たされるというちょっと間の抜けた光景。と言うか、三日月勝っちゃったよ、物語の主役に。
    まあ、そんな光景を見たことで太陽は「大人になれば楽しいことがあるんだ」と気づけたから良い…のか…?

    そして、それらの遣り取りが終わった後は解散となるのだけど、未来を手にした彼らが約束するのはお花見をしようとのこと。また、解散時の遣り取りが普通に日常のワンシーンのようにもなっているのに加えて、夕日が自宅に帰って寝るまでの工程が描かれている。
    ラスボスを倒した後の光景としては珍しいものだが、これによって夕日達がかけがえのない日常や未来を取り戻したのだと変則的な方法で伝わってくる。また、ノイやアニマ達が居なくなった喪失も同時に伝わってくるというのがまた……


    そうして最終話で描かれるのは本当の後日談。
    アニマによる幾つかのネタバラシ、騎士達のその後の姿、そして奇跡を越えて病を治したさみだれ。それらの光景はとんでもなく幸福な未来に彼らが辿り着いことを示していると同時にやはりかけがえのない「日常」を手にしたことを表しているようで、穏やかな感動をこちらに伝えてくる

    数年振りに読み返したけど、やはり良い作品だな。また何年か経ったらもう一度読み返そうと思えるくらいに自分の中で人生レベルで思い出の作品となっているように思う

  • 王道。
    泣ける最終巻。

    勧めてくれた友達にお礼を言いたい。

  • こんなに、こんなに良い漫画が有って良いんだろうか。
    あー、読めて良かった。

  • 近ごろまたむくむくと大好きになってきている漫画。全10巻。
    大人と子ども、自分と他人、生きることと死ぬこと、大人になること。一言で言えばSF超能力バトルものなんだけど、作品通してずっと言っているのはけっこう単純で、ありふれたこと。でもどうしようもなく愛しい!(登場人物とか世界とか)
    茜くんの願い事のところで最高に胸が熱くなる。
    あと作者は絶対ピロウズ好き。ピロウズ好きにすすめてみたい漫画でもある。そのうちもっと長く感想書きたい。むしろ評論したい。

  • 「本当のラストバトル」と、更にその後のバトル、丁寧に描かれるエピローグ。後日談が超丁寧なおかげで作品に気持ちが残らず(良い意味で)、すっきりと読み終われる。
    2010年の後半に1巻から10巻まですべて読んだのだけれど、その年の個人的ベスト漫画に選んだくらいのめり込んだ作品でした。

  •  雨宮夕日が朝日奈さみだれを止める騎士であろうとしている姿を見て、最初の頃からの成長を感じられて良かったです。

     最終話では10年後の皆んなの姿がまた見れ、朝日奈さみだれと雨宮夕日の2人も成長した姿になっていて嬉しく思いました。

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