ラスカル 2巻 (コミック(YKコミツクス))

著者 :
  • 少年画報社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784785956523

作品紹介・あらすじ

地元を捨て違う自分になろうと新天地へ向かった少年は、
マフィアの幹部アロンソと知り合った事から街の暗部を取り仕切る組織と関わるハメに。
アンダーグラウンドで蠢く人間模様を描く群像劇開幕、堂々完結!

感想・レビュー・書評

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  • 「もっと読みたかった」と「この厚味のあるストーリーを2巻に纏めたのは見事」、この相反する感想が心の中で半々
    つまりは、この『ラスカル』、十二分に面白いってコト
    ある意味、『裸者と裸者』のコミカライズを担当した七竈アンノ先生だからこそ、ハイスピードで描ける悪漢的浪漫“ピカレスクロマン”だ
    マフィアの一員に、自らの意志でなった少年が主役の物語
    安易な勧善懲悪、正義vs極悪などではない
    ぶつかりあうのは、どちらもが悪者
    正しいも間違っているもなく、とことん、殺るか殺られるか
    そんな殺伐さが満ち溢れる世界観だからこそ、純情で一途で、生まれながらの悪でないからこそ、光の当たらない世界で、どう生きていけば、どんな働きをすれば、力を年齢や立場の問題で持てない弱い子供を減らせるか、を考えているラスカルの魅力が光っている
    悪戯小僧の彼らしい、抗争の決着の付け方は拍手モノ
    敵の首魁を討てば、遺恨こそ今後も残す羽目になるが、今、現在進行形で最悪の形になりかけていた事態は食い止められた
    けれど、ろくでなしの自分をすんなり受け入れてくれた、この世界への感謝、そして、これからも、この渦の中で生きていく決意を、体一つで示すように、不殺の手段で野望をラスカルは打ち砕いた。実に爽快感がある
    話の完成度を比べてしまうと、残念ながらと言うか、当然と肩を竦めるべきか、高橋慶太郎先生の『デストロ246』や、『BLACK LAGOON』(広江礼威)の方が上なんだが、この二つの作品が好きな読み手は、こちらの『ラスカル』も気に入って貰えるだろう
    また、ラスカルが属す「ザ・ファミリー」に喧嘩を売ってきた、グランジが狂気に身を委ねた邪悪者・・・に見えるだけの、表皮を剥いでしまえば、ただの自分の理想と現実のギャップを受け入れられなくて、我儘に喚いて、癇癪を周りにぶつけているだけの大きなガキだった、ってトコも良かった
    グランジのこんなキャラがあってこそ、ラスカルの自由気ままさが活かされている
    そして、私がこの『ラスカル』を読み終わって、しみじみと感じたコト、それは「仕事の出来る男ほど、大勢のヤバめな可愛い娘ちゃんにモテまくれる」だ
    こっから、ラスカルがどれだけ大成できるか、楽しみだ
    この台詞を引用に選んだのは、ラスカルのカッコ良さが特に引き出されているからだ。ピンチな時ほど、気持ちのいい笑顔を浮かべられる奴は伸びる。カリスマ性を持つ笑い方が出きる男こそ、ボスの器だろう

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